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第6話 狐の神
「な・・・
ななな・・・!」
巨大なエスカレーターの脇には、石灯篭が備え付けられており、屋根の部分に「お座り」をした狐の石像が乗っている。
「「狐灯篭」です。
時代とともに、
「火」→「蠟燭」→「ガス」→「電球」→「蛍光灯」→「発光ダイオード」と灯を灯す手段は技術の進歩とともにアップデートされています。
夜になると、センサーで自動的に点灯します。」
男が説明する。
やがて丘の上には、大きな社とその両側に、二軒の家屋が見えてきた。
「稲荷町の支配者・稲荷隼尾様のお社でございます。」
ナディアは、本殿に歩を進めた。
「待たれよ!」
右側の家屋から、水干姿の狐耳の男が声をかけた。
「へッ!?」
「私は、「霊的」な神ではなく、「実体」のある神だからな。
まあ、エジプトのファラオのようなものだ。」
「・・・・・・」
ナディアは、絶句・・・
「私は、稲荷隼尾。
巷では「裏の支配者」と呼ばれている。
君には、「神力」・・・
いや、「神波動」の使い方を覚えてもらいたい。」