第2話 たった一隻の新造艦
「艦長!
十二時の方角に、ドルガ帝国軍イクス級巡洋艦です!
大型機動兵器多数!」
オペレーターの女性が、声をあげる。
「強化機動服隊を出せ!
準備ができていたら、ナディア・ハーク少尉も「新型機動兵器・ET-001ガンダールで出せ!」
「正気ですか!?」
ファリスは、艦長ダグラス・マッカーサー二世の言葉にかみついた。
「まだ、テスト中だと言うのだろう?
ファリス少尉。
いい機会だ!
これがテストになる!」
マッカーサー二世は、ニヤリと笑う。
「後、こういう場合は、「正気か?」ではなく、「本気か?」というものだ。」
新造戦艦ニュージャージー級二番艦・ニュージャージーⅡ・・・
かつての浮沈艦を破った戦闘空母から名付けられた等級の艦だ。
「まったく・・・
先の「カイパーベルト戦役」で全滅した旗艦の二番艦とはな・・・
縁起が悪いというものだ!」
しかしである。
主砲として、レーザーキャノンやガドリングバルカンを備えるだけでなく、艦首に「粒子閃熱砲《フラッシュ・エクストラ」を搭載している。
マッカーサー二世にしてみれば、大日本帝国の「大和」を主役に据えた旧日本国のSFアニメを思い起こさせるものだった。
「しかし・・・
この「粒子閃熱砲」なんて兵器・・・
誰が、提唱者なんでしょう・・・?」
ファリスが言う。
「なんでも、昔の狐の神が言っていた理論だそうだ!
今、そいつの子孫は地球の経済と科学力を裏から操っているそうだ!」