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第一話 その男、危険につき

2作目、前作と同時進行です。世界観は繋がってないので注意。

「………………」

 あれ、生きてる。おかしいなぁ、確か数秒前にトラックの猛撃を受けて俺の身体は吹っ飛んだはずなのに。

「ふん、やっと目覚めたか」

「……あぁ?」

 なんかいきなり上から目線で誰かか話しかけてきやがった。だが、視界は未だ暗くその姿を捉えるに至ってない。

「そういきり立つんじゃない。貴様の生前の行いが、奇跡にもその命を繋いだのだ」

「そうかい」

 いや、単純に当たり所が良かっただけだろ?何言ってんだこいつ。

「だが、少々問題が発生してな……」

「何だよ、その問題ってのは」

 俺の質問に、声の主は一瞬ためらった後返答する。



「現在貴様が居るのは、元の世界とは違う場所だ」



「……はいいいいいいいいいいい!?」

 何でこうなったのか、ちょっとだけ時間をさかのぼろう。



「おい、見ろよ。あいつ、1年の叶山じゃ!?」

「聞いた話によると、中学時代は『覇王』なんて呼ばれてたらしいぜ。なんでも、何百人もの舎弟を従わせて他校の連中と闘争を繰り返してたとか……」

「それだけじゃねぇ。あいつが現れたら最後、二度と口利きが出来ないような体になるって噂だぜ」

 毎日、学校帰りはこんな風に噂されてしまう。いや、下手すると一日中か。

(もう慣れちまったけど)

 昨日は2人、他校の奴とちょっとだけ遊んでやった。ものの数分で何も言わなくなっちまったけどな。

 おっと、自己紹介が遅れたか。俺の名前は叶山葉桜かのやまはざくら。恐らくどこにでもいないタイプの高校生だ。多分察しが付いたと思うが、俺のカテゴリーはヤンキーだ。それも悪い意味での。

(仕方ねぇだろ。かかってくる奴が悪いっつーのによ)

 幼少期の頃は割とまともだった|(注・母親談)のだが、小学校に上がると直ぐに本性が出た。まぁ簡単に言うと、いじめっ子をボコボコにした挙句、晒し上げまして。結果としてトップクラスの問題児扱いされたのである。

 そこからはまぁ、我ながら酷かったね。今では反省しきりである。先に挙げられた噂、あれの殆どはホントの話なんだ。悪名が悪名を呼び、しまいには高校入試においても苦戦させられる始末。

「自業自得と言えばそれまでだが、何だかなぁ……あれ?」

 目先の横断歩道、赤信号なのに渡ってしまっている幼稚園児。その背後から来るのは大型トラック。あのままでは轢かれてしまう。

「ちいっ、とことんついてねぇ!!」

 ここから全力で走れば間に合う!俺の足はスペックの限界を発揮し、何とか幼稚園児の元まで辿り着く。が、脱出には間に合わなかった。これでは、二人とも轢殺される……ならば。

 どんっ。全力で幼稚園児を奥まで突き飛ばす。彼には悪いが、こんな鉄の塊に轢かれるのは……俺一人で十分だ!

 直後、俺の体に桁違いの衝撃が襲い掛かった。そして、俺の記憶はそこで途切れている。



「……はっ!」

 気が付くと、自由に体が動かせるようになっていた。それにしても、何処だ?見渡す限り草原であり、少なくとも道端や病院内とは違うと分かるが……。

 ガサガサッ。草むらをかき分ける音だ。

(……何か来る!)

 そして、現れたのは。

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