その1
『その絶望に引き鉄を ~クリスタルの鍵とケルベロス~』の陸戦兵器設定です。
(『クリスタルの鍵』より改題しました 2016.01.31)
本編とは別タブで開いていただき、適宜ご参照いただければ幸いです。
本編はこちら:http://ncode.syosetu.com/n9395da/
主要登場人物はこちら:http://ncode.syosetu.com/n9441da/
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・この時代の用兵思想:フロート・エンジンにより、スピードと踏破性の増した機動戦車が主力。これで地域を制圧して“制地権”を獲得した後、対地・対歩兵戦闘には攻撃戦車や装甲車を充てる。
【戦車】
・機動戦車
名称:MT-3(Maneuvable Tank)“ダリウス(Darius)”
武装:対戦車ミサイル(SSM-144アルバレストまたはSSM-352サリッサ)X16、25mm機関砲X2、12.7mm機銃X1
メーカ:アキレウス・インダストリィ(Achilleus Industry)
プロフィール:フロートエンジンを装備した機動戦車。言うなれば“地上の戦闘機”、地上戦の主役。潜望鏡を装備し物陰からも策敵を行い、ミサイルの曲射にも対応する。ただしフロート・エンジンでは踏ん張りが利かない関係上、大砲を発射する(反動に耐える)のには向いていない。しかしながらその機動性で敵弾をよけつつ“制地権”を奪い、場合によっては敵陣へ斬り込んで攻撃戦車や装甲車、榴弾砲といった戦力の数々を餌食にする。主にミサイルの迎撃用、及び軽装甲目標の破壊用として25mm機関砲を装備する。また、対人用として12.7mm機銃(HMG52ビッグ・フィスト)を装備する。対戦車VTOLが天敵ではあるものの、こと地上に限っては最強の存在。ただし機動性を優先するため、装甲そのものは大して厚くない。ゆえに、「当たりさえすれば」ロケット弾(RL29)でも側面・上面装甲は撃ち抜ける(最も厚い正面装甲は無理)。ただし無誘導弾を当てるのは至難の業。
・攻撃戦車
名称:AT-8(Attack Tank)“ホプリテス(Hoplites)”
武装:128mm滑腔砲(主に自律誘導弾頭※使用)X1、25mm機関砲X1、12.7mm機銃X1
メーカ:アキレウス・インダストリィ(Achilleus Industry)
プロフィール:対物重砲(自律誘導弾頭※ほか各種弾頭を発射可能)を持つ、現代の型に近い戦車。重砲の反動に耐えるため、履帯を装備する。機動戦車に対し、行動時間や装備弾数で利点あり。単体の火力では機動戦車を上回り、機動戦車による“制地権”獲得後、対物攻撃を担う。ただし、機動戦車に攻められると足の速さと機動力で勝てない。装甲の厚さでは最強。
※自律誘導弾頭:尾部に安定翼を持ち、ある程度の自動追尾機能を有する。APFSDS(Armor-Piercing Fin-Stabilated Discarding Sabot)の発展型。
【軽装甲車】:フロート・エンジンで機動性を上げた装甲車。機動戦車を補助する。比較的軽装甲。
・機動装甲車
名称:MAT-12(Manuvable Armored Track)“バンタム(Bantam、チャボ)”
武装:対戦車ミサイル(SSM-144アルバレストまたはSSM-352サリッサ)X8、25mm機関砲X1、12.7mm機銃X1
メーカ:EHA(Eurasian Heavy_indastory Association)
プロフィール:空挺作戦や速攻時など、機動戦車の速度に応じて部隊の展開を補助するための装甲車。機動戦車は高価であるため、数を補う意味で使われる。主に“制地権”の維持に用いられる。
【兵員輸送車】
・装甲兵員輸送車
名称:MAT-9(Manuvable Armored Track)“アルマジロ”
武装:20mm機関砲X1、7mm機関銃X1(または15.5mm重機関銃)を装備。対戦車ミサイル(AAM-144アルバレストまたはSSM-352ヴァイパ)X4
メーカ:EHA(Eurasian Heavy_indastory Association:ユーラシア重工業協会、つまり企業合同開発)
プロフィール:機械化歩兵部隊向けの兵員輸送車。展開速度を重視してフロート・エンジンを搭載し、(特に前面の)装甲と武装を強化した型。橋頭堡の確保が主任務。操車要員3、歩兵6(車長1+1班5名)。搭載する歩兵と組んで、機械化歩兵1個分隊を構成する。
名称:MT-12(Manuvable Track)“シャイアン(Cheyenne、アメリカ先住民族)”
武装:7mm機関銃(MMG78ジャックポット)X1(または15.5mm重機関銃)X1
メーカ:グレン重工業(Glenn Heavy Industry)
プロフィール:一般的な兵員輸送車。フロート・エンジンを搭載するが、装甲は持たない。輸送に特化した型。操車要員2(車長、運転士)、歩兵10。
(派生型)
名称:MAT-12C(Manuvable Armored Track Commander)“シャイアン・コマンダ(Cheyenne Commander)”
武装:7mm機関銃(MMG-78ジャックポット)X1(または15.5mm重機関銃)X1
メーカ:グレン重工業(Glenn Heavy Industry)
プロフィール:兵員輸送車に作戦指揮機能を詰め込んだ移動指揮車。歩兵大隊程度の指揮に用いられる。
【対空戦車】:出番は歩兵用対空ミサイルに取られて、あまりない
名称:AAT-12(Anti Air Tank)“エキノス(Echinos、ギリシア語:ハリネズミ)”
武装:35mm機関砲(MC35A)x4
メーカ:アキレウス・インダストリィ(Achilleus Industry)
プロフィール:35mm対空機関砲で至近距離から敵機を迎え撃つ。車台は攻撃戦車AT-8ホプリテスと共通。ただし出番は多くない。というのも、『対空戦闘は制空戦闘機の仕事』という思想のため。また、地上からの対空攻撃は歩兵用対空ミサイルSAM42ストーカを使った待ち伏せや、フロート・ヴィークルと組み合わせた移動迎撃の方が危険度の割に効果が高い、という事情もある。拠点防御には最初から戦闘機を充てるという思想。ゆえに配備数は多くない。
【自走砲】
・自走榴弾砲(Howitzer System)“ハウザ・システム”
名称:HS-182(Howitzer System)
メーカ:グレン重工業(Glenn Heavy Industry)
プロフィール:トレーラとセットになった155mm榴弾砲。自動装填式。自衛用にHMG52ビッグ・フィストを1門装備する。直射の射程圏外から敵陣へ榴弾を(無差別に)撃ち込む思想の兵器。そのため、地上戦の前哨戦に使われる。その射程は約40kmに及ぶ。
・ミサイル自走砲
名称:MLMS(Multiple Launch Missile System)
メーカ:アキレウス・インダストリィ(Achilleus Industry)
プロフィール:対地レーダ(偵察機、早期警戒機)と連携して敵陣の戦闘車輌に頭上からミサイルを撃ち込む。対戦車ミサイルSSM-144アルバレストX64。戦闘の前哨戦で使われる。車台はAT-8ホプリテスと共通。
【VTOL】(Virtical Take-Off and Landing):主としてティルトロータ機を指す
・回転翼は依然として有効(フロート・エンジンの原理はホヴァクラフトそのものであって高度を稼げないため)。プロップ・ロータをガス・タービンで駆動するターボシャフト・エンジンも健在。
・障害物を空から超える機動性で戦車を圧倒する。航続距離と速度で現状の軍用ヘリコプタを置き換える存在。ヘリコプタ自体は民間用途で低コスト志向の存在となっている。
・対地戦闘VTOL
名称:AV-223(Attack Virtical-TOL)“マングース(mongoose)”
メーカー:マーズ・インダストリィ(Mars Industry)
武装:30mm機関砲(ACG-30A)X1、ハードポイント4箇所(翼下X2、胴体下方側面X2)(対戦車ミサイル“バンシィ”最大16発、19連ロケット弾ポッド最大4基)
エンジン:ターボシャフト・エンジンX2基
プロフィール:
主な外観上の特徴は以下の通り。
(1)機首の30mm機関砲(ACG-30A(Attack Chain Gun、単銃身))
(2)正面投影面積を最小限に抑えるため、胴体は細い
(3)ハード・ポイント:4箇所(翼下2箇所、機体下面2箇所、対戦車ミサイルASM-688バンシィ(Banshee)最大8発、ロケット弾ポッドRP-190スロータ最大4基、または増槽を装備可能)
(4)伸縮式の“潜望鏡”カメラ:物陰からの策敵を可能にする
(5)縦列副座:機長席は後ろ:機首の30mm機関砲の旋回軸上に砲手を配置するため
・多目的VTOL
名称:UV-88(Universal Virtical-TOL)“アルバトロス(Albatross、アホウドリ、海面に降りずに餌をとる)”
メーカ:ロックフォード・ダイナミクス(Rockford Dynamics)
プロフィール:並列副座(機長席は左側)、兵員輸送を主目的とするVTOL。収容能力12名(小隊長+通信兵+1個分隊10名)+乗員2名、航続距離約2000km(増槽併用時3500km)、燃料タンクは翼に内蔵
名称:UV-121(Universal Virtical-TOL)“スカラベ(Scarab、フンコロガシ)”
メーカ:マーズ・インダストリィ(Mars Industry)
プロフィール:ハード・ポイント取り付け可能(4箇所:増槽、索敵ポッド、対潜魚雷など)。機内の収容スペースを限定し、ハード・ポイントの搭載能力を重視した型。
・輸送用VTOL
名称:CV-119(Carrier Virtical-TOL)“アラパイマ(Alapaima、ピラルクー:世界最大の淡水魚)”
メーカ:ロックフォード・ダイナミクス(Rockford Dynamics)
プロフィール:大型の輸送用VTOL。障害物を空から超える機動性で兵員や物資を輸送する。
・軽輸送VTOL
名称:UV-181R(Universal V-TOL、Rescue)“スワロゥ(Swallow、ツバメ)”
メーカ:ロックフォード・ダイナミクス(Rockford Dynamics)
プロフィール:民間中型VTOL。このヴァージョンRは救急用途で、貨物室にストレッチャ1、救命士用座席2を備える。いわゆるドクタ・ヘリのVTOL版。ヘリコプタより高速で移動でき、また航続距離も長い。ただしヘリコプタより高価であるため、ヘリコプタは比較的安価な空輸手段として用いられ続けている。
【空対地ミサイル】(Air to Surface Missile)
名称:ASM-688“バンシィ(Banshee)”
メーカー:マーズ・インダストリィ(Mars Industry)
プロフィール:「泣き声を聞いたら死ぬ」バンシィに因む。慣性&画像赤外線&ミリ波レーダー誘導方式。発射後は自律誘導(Fire And Forget)。機動戦車を始めとした戦闘車両の天敵。
【ロケット弾ポッド】
名称:RP-190“スロータ(Slaughter、殺戮)”
メーカ:ロックフォード・ダイナミクス
装弾数:19
プロフィール:航空機搭載用ロケット弾ポッド(70ミリ)。精密射撃ではなく、その数で一帯を焼け野原と化す使い方が主。
名称:AR-52(Aerial Rocket)“ゴブリン(Goblin)”
メーカ:ロックフォード・ダイナミクス(Rockford Dynamics)
プロフィール:ロケット弾ポッドに搭載される口径70ミリロケット弾。
・AR-52HE(High Explosive):榴弾弾頭。対人・対物用に殺傷能力を高めた型。殺傷範囲は50メートル。
・AR-52S(Smart):簡易誘導型。誘導装置を持つ分だけ命中率は上がるが、弾頭の搭載能力は劣る。特に成形炸薬弾(HEAT)には対応できない
・AR-52HEAT(High-Explosive Anti-Tank):対装甲兵器用の弾頭。成形炸薬弾で装甲を灼き抜く。
・AR-52F(Flechette):徹甲散弾弾頭。目標の約100メートル手前で炸裂し、前方約6°の範囲に飛散する。重装甲兵器に対しては大した威力を発揮しないが、軽装甲及び無装甲の相手(特に、軽装甲スーツを着用した歩兵)に対して威力を発揮する。弾頭としては、対空兵器としても活用されることがある。
・AR-52S(Smoke):煙幕用弾頭
【地対空ミサイル】(Surface to Air Missile)
名称:SAM-77“ハルバード(Halberd)”
メーカー:ロックフォード・ダイナミクス(Rockford Dynamics)
プロフィール:艦船などで使用される中距離対空ミサイル。防空用途。弾頭として徹甲散弾(Flechette)を搭載する。
名称:SAM-42“ヴァン(Vent、フランス語:風)”
メーカ:シルフィード・エアロスペース(Sylpheed Aerospace)
プロフィール:機動戦車などから発射する短距離地対空ミサイル。VTOLを始めとした航空戦力に対するほぼ唯一の対抗手段。弾頭は主として徹甲散弾。
【地対地ミサイル】
名称:SSM-144“アルバレスト(Arbalest)”
メーカ:マーズ・インダストリィ(Mars Industry)
プロフィール:AFV(Armored Fighting Vehicle)搭載型の対戦車ミサイル。トップ・アタック・モード(上空から襲いかかる)と、ダイレクト・アタック・モード(直射方式)の選択式。トップ・アタック・モードを持つ関係上、自力で標的を見分ける制御装置を持つ。ゆえに撃ち放し式(Fire And Forget)。
名称:SSM-352“サリッサ(Sarissa)”
メーカ:アキレウス・インダストリィ(Achilleus Industry)
プロフィール:戦闘車両搭載型の対戦車ミサイル。直射方式。単機能な分、弾頭の可搬重量が増えていて、威力は高い。
【無人偵察機】
名称:RG-66“モスキート(Mosquito)”(Recon Grider)
メーカ:シルフィード・エアクラフト(Silphid Aircraft)
プロフィール:本体は軽くて安い、無人モータ・グライダー。T字型尾翼で、主翼付根に格納式電動プロペラを装備する。「軽いし静かだし数はあるしで敵にとっては始末に負えない」のがコンセプト。滞空時間重視。各種センサを搭載し、自動制御で飛行、偵察する。折りたたみ可能で、人でも持てるし車でも運べる。離着陸は道路から。ただしデータ解析に設備が必要(専用システムはバン程度の車に搭載可能)。2~3機でローテイションを組み、偵察と充電を交互に行うのが通常の運用。
【軽装甲スーツ】
名称:LAP79(Light Armor Protector)
メーカ:バッカス・エンタープライズ(Backus Enterprise)
使用者:ジャック・マーフィ
プロフィール:耐弾スーツ+軽装甲(頭部センサ・ヘルメット、胴体、肩、肘、前腕、膝、すね)で構成される耐弾装備。拳銃弾程度ならば人体にダメージを与えず(痣くらいは残る)停弾に持ち込める。ただし慣性力は殺せないので、着弾の衝撃は(分散されるものの)身体で受けることになり、例えば相手が10ミリ弾にもなると、踏ん張りきれずに吹っ飛ぶハメになる。耐久力は一箇所に一発が限度で、着弾を受けた装甲(またはその下の耐弾スーツ)は使い捨てることになる。ただし相手がライフル弾となれば話は別で(発射時の運動エネルギィの桁が違う)、この程度の装甲では防ぎようもない(実際、例えばクルマを盾にとっても、エンジン・ブロックでもない限り撃ち抜かれる)。よって、動きやすさを重視し、装甲強度・面積の点で割り切った設計の本モデルが採用されたという経緯がある。
名称:LAP86
メーカ:シュレイダー・ウェポンズ(Schrader Weapons)
使用者:“ハンマ”中隊員
プロフィール:新型の軽装甲スーツ。基本構成は従来のLAP79を踏襲している。新素材装甲の恩恵で若干ながら軽量化されている。ただし拳銃弾なら旧型のLAP79で防げる上、ライフル弾に耐性が期待できない点では変わるところは特にない。市場への払い下げは未だない。
【その他:腕時計】
名称:AM-35(Army Model)
メーカ:プレシジョン(Precision)
プロフィール:MILスペックをクリアする堅牢性を持つ、シンプルなクォーツ。文字盤はアナログ(微光)、オプションでフタ付になる。方位磁針を装備。ベルトは強化布製、ワンタッチ固定式のマルチ・サイズ。リュウズにはガード付き。民生用(アウトドア用)に人気。エリックは官給品嫌いなので私物を使用している。陸軍制式を退いて6年になるが、現在でも新型・派生型が生産されている。
名称:HART7015(hardのドイツ語)
メーカ:ファーレンハイト(Fahrenheit)
プロフィール:“惑星連邦”陸軍制式腕時計。クォーツ。文字盤はアナログ(微光)。traser H3 あたりのイメージ
名称:スカイ・マスタ(Sky Master)
メーカ:ポラリス・コーポレイション(Polaris Corporation)
プロフィール:信頼性重視、かつ多機能なパイロット・ウォッチ。ポラリス(北極星)の社名には「すべての基準」の意味が込められている。