季節
春が来た
夏が来た
秋が来た
そして冬が来る
こんな感じで日々を少しずつ染め換えてゆくキャンパスを
少年はぼんやりと眺めている
彼はもう子供ではない
されど大人にもなりきれない
そんな孤独な少年は、
過去に縛られることを望む少年は、
今もかつての
桜の花びらを握っている
枯れた涙を流してる
虚ろな瞳に映るものは
冬のような灰色の
絵の具をそこにぶちまけた
全ての季節を台無しにした
それでも季節はやって来る
だからその少年は、
あの頃の気持ちを吐けずに握りしめる少年は、
あの背中に苦しめられながらも、
想いを貫き通すために、
歩いてる。