表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫は勇者で魔法使い。  作者: 不忍唐傘
第一章 【姫と愉快な仲間たち】
9/26

#9

「姫、見ーつけた」


少女と僕の間に、白髪の少年がひょいと顔を覗かせる。

少年はどうやっているのか不明だが、天井からぶら下がる形で現れた。


「ぬああああっ!?」


そんな彼の出現にビックリした少女は、腰が抜けたのか、床にへたり込んだ。


少女のリアクションに満足したのか、少年が身軽に着地する。

この子はちゃんと知り合いだ。

オルドルと仲良くしてくれているヒジリくんを覚えていないはずがない。


「なんじゃ、ミコガミか……。 驚かすでない」


少女が床にへたり込んだまま、偉そうな口調でそう言った。

なんと形容したらいいのかよく分からないが、とにかく可愛い。

この子がオルドルと結婚してくれたら、自動的に妹にはなるが、それだと世間からオルドルがロリコンだと言われてしまうし……。


「姫が黙って出て行くから、オルドル達が怒ってるぞ? 早く戻らないと、昨日のクロヌみたいに夜通しで説教を喰らうことに……」

「なりますよ」


ヒジリくんが少女に手を貸して、起こした瞬間に彼らの後ろからオルドルが現れた。


「なんや、オルドル。 こないなん早く帰ってくるんなら、言ってくれれば良かったんに」


オルドルの前だと安堵からかどうしても方言が強く出てしまう。

いつもはなんとか標準語でしゃべろう、と努力してみるのだが、オルドル相手だとついつい……。


「兄さんはベッドで寝てて! 僕にはまだ仕事が残ってるから。 帰ってきた訳じゃなくて、姫様の潜伏先がここだった、ってだけだし」


ん……?

姫様……?

オルドルにベッドの方へと押し戻されながら、今までの自分と少女の会話を思い出す。


小さい背丈、青い瞳、上から目線な「のじゃ口調」、全身から漂っているアホの子オーラ。


まさか――――


「まさか、この子が姫様なんか……?」

「今更!? しかも、何故、そんなに驚いた表情をしておるのじゃ!?」


僕をベッドに戻し終えたオルドルによって、ドアの外へと引っ張られている少女がそうツッコミをいれる。

「随分、庶民的な感覚を持った人だなぁ」などとは思ったが、口には出さない。

ただでさえ、間接的にとはいえ、「救いようのないアホ」とか言ってしまったし、次に何か失礼なことを言ったら不敬罪とかで捕まってしまうかもしれない。


「というか、汝は敬語以外もしゃべれるんじゃな」


少女が最後の砦であるドアノブに掴まりながら、上目遣い気味に自分の手を引っ張っているオルドルに問いかける。


「仕事とプライベートはきっちり分けるタイプですので」


オルドルが完璧な営業スマイルを浮かべて、少女の腕を引くと、ついに彼女はドアノブを手放してしまい、そのままオルドルに引きずられてどこかへ行ってしまった。


受け取ったメモの返事はどうしたらいいのだろうか……。


「あっ、そうだ。 今月分のやつ、持ってきたぜ」


そうだ、ヒジリくんがいるんだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ