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姫は勇者で魔法使い。  作者: 不忍唐傘
第一章 【姫と愉快な仲間たち】
5/26

#5

「ご理解いただけましたか?」


結局、オルドルとクロヌによって勉強机に向かわされ、オルドルが魔術の基礎知識を教科書に沿って説明していく。


「なるほど、分からぬ」


逃げられないようにと挟むような形で妾の両サイドに座っている2人に向けて、正直に伝える。

すると、右隣に座っているクロヌに思い切りおでこにデコピンをくらわせられた。


クロヌは超がつく程の馬鹿力故、かなり手加減してくれたようだが、物凄い痛い。

手加減無しで放ったら、デコピンだけで首から上を消し飛ばすことも可能なのではなかろうか。


「バカなのは分かったから、努力しろ」


妾に殺人デコピンを喰らわせておきながら、クロヌは涼しい顔でそう言った。


「それが出来たら苦労していないのじゃー。 もう3時近いし、おやつが食べたいのぅ」


クロヌの言葉に適当な返事を返しつつ、オルドルの方の様子もうかがってみる。


「姫様の分はありませんよ」


そう言って、妾がクロヌとの会話に気を取られている隙に持ってきたのであろうクインアマンが乗った皿をクロヌの前に置く。

そして、妾を飛ばし自分の前にも一つ置く。


「…………本当にないのか?」


どうせこれは脅しで、妾の分も用意してあるだろう、とたかを括っていたのだが、本当に用意されていない。

しかもよりによって、妾の好物の1つを出してくるとは……!!


「世の中、そんなに甘くありませんよ」


オルドルが目を閉じて、静かにそう言った。

完全なる無言ではないが、これは無言の圧力というやつだ……!!


「クロヌ、半分でいいから譲れ」


せっかく皿の横に置かれているフォークを無視して、素手でクインアマンを掴んで食べているクロヌの腕を揺さぶると、嫌そうに振り払われた。

覗きをしたミコガミに対して、室内にも関わらずそこそこ攻撃力の高い魔術をぶちかましたことを鑑みれば、暴力でない分マシなのかもしれないが、主人である妾が見ている側で妾が抜かれた好物をこれ見よがしに食べるという行為をしているのは許せない。


「もう口つけたから無理だ」


クロヌがまだ半分以上残っているクインアマンを、一旦、皿に戻す。

表面にかかっている綺麗な黄金色に輝くカラメルが照明の光を反射させ、ゆらゆらと金色の波紋が映る。


こんな美味しそうなものを見せつけるということは奪われる覚悟もあるのだろう。


「構わぬ! 貰うぞ!」


中途半端に残すと奪い返しに来る可能性があるため、無理やり一口で口の中に押し込む。

無理やり押し込んだクインアマンが妾の頬を外側へ広げる。

カラメルが僅かに頬の内壁に刺さるが、痛くないし問題はない。

多分、刺さっているというよりはあたっているだけなのではないだろうか。


クインアマンはやはりカラメルが香ばしく、そして甘くてとても美味い。

流石、オルドルの手製であるだけある。


「お前……!!」


刹那、クロヌの顔から血の気が引いた。

そんなにクインアマンを取られたのが悔しいのだろうか。

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