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姫は勇者で魔法使い。  作者: 不忍唐傘
第一章 【姫と愉快な仲間たち】
12/26

#12

中性的なハスキーボイスで、キョウコと名乗った彼女が自己紹介をした。

一歩間違えたら、ぶりっこにしか見えない可愛らしい見た目に対して、ハスキーボイスがちょうどいいスパイスとして加わり、ぶりっこどころかサバサバしたイメージを強く受ける。


「……ミコガミ?」


ワンテンポ遅れて到達してきた疑問を口に出す。

ということはミコガミの親族か、偶然の一致かということなのだろう。


「だって、聖にぃの妹ですし」


キョウコ殿がそう答える。

そういえば、ミコガミには妹がいる、という話を聞いたような気がしないでもない。


試しにミコガミとキョウコ殿の顔を見比べてみる。

性別が違うせいもあって、これといって特別似ているところはない。

強いて言うなら、目がパッチリと大きいところと声の性質くらいだろうか。


「ところで、ここへはどう侵入してきたんですか? 騎士団員の親族は騎士団の寮のところまでしか入れないはずですよ」

「え、じゃあ、僕もダメやないんか……?」

「兄さんなら大丈夫です」


オルドルがキョウコ殿に問いかけると同時に、心配そうにオルドルを見つめていたリヤン殿に彼は安心させるための言葉を投げかける。

オルドルがリヤン殿に甘い、ということだけはよく分かった。


「聞きますか? そこ聞いちゃいますかー?」


何故かもったいぶるキョウコ殿の表情を見てみると、ミコガミとの血縁関係があるであろうことは明らかだ。

この微妙に人を小馬鹿にしたようなドヤ顔に近い笑顔はミコガミそっくりだ。


「あぁ」


初対面時、キョウコ殿に強力な一撃を放っていたクロヌが頷く。

その瞬間、彼女がクロヌの次に大きいリヤン殿の後ろに隠れてガタガタと震えだした。


……彼女にクロヌがトラウマを植え付けたのは間違いなさそうだが、もしも本当に暗殺者だったパターンを考慮すれば、クロヌの行動は間違いなくベストだっただろう。

クロヌが動かなければ、妾は今頃死んでしまっていたはずだ。


……まぁ、トラウマになってしまったキョウコ殿の気持ちも分からないではないが。


「……だだだだ伊達に、ヒジリにぃのいいいい妹をやっているわわわわ訳じゃないんですよ」


奥歯をガタガタと鳴らしながら、かろうじて聞き取れるキョウコ殿が答える。


「どういうこと?」

「不法侵入ですね。 どうせ、人目を盗んでくぐり抜けたり、ピッキングをしてここまでたどり着いたのでしょう」


リヤン殿がキョウコ殿分のスペースを空けて横に経っているオルドルに問いかけると、オルドルはニコニコと柔らかい笑みを浮かべてそう答えた。

リヤン殿に割いている優しさを少しぐらい妾に分けてくれてもいいのではないだろうか。


「キョウコちゃん、大丈夫?」

「…………大丈夫じゃないッス」


心配そうにリヤン殿が自分にしがみついているキョウコ殿の頭を撫でながら、問いかけると、キョウコ殿がぶんぶんと首を横に振る。

横でキョウコ殿にナイフの切っ先を向けているオルドルが睨んでいるのが凄い気にな……これは気になるじゃすまない!!


「オルドル、止めるのじゃ!!」

「姫様、死に急いでください」

「妾に死ねと!?」


此奴は一体、どれだけリヤン殿を奪われるのが嫌なのだろうか。

というか、奪われる、ならともかく、触っただけでアウトというのは愛情を遥かに飛び越えて、依存や独占欲の方が近い表現かもしれない。


そして、何故、標的が妾に変わっているのだろうか。


「そ、それに何故標的が妾に……?」


声に出して、オルドルに確認してみる。

すると、オルドルが柔らかい笑みを浮かべて口を開いた。


一見、優しそうに見えるが、ナイフを本来の用途とは違う方法で構えて笑っている時点で、優しさの欠片も伺えない。


「ロリコンの兄さんが、姫様に手を出さないわけがないでしょうが」

「そんな理不尽な!!」


カッと目を見開いて答えたオルドルに、ツッコミをいれておく。


……そのうち、オルドルによって、幼女が殲滅される日が来るかもしれない。

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