表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/38

15.【守峰亮二(巳樹本不動産・主任)の証言】


どうも。……そちらへどうぞ。

今日は伏見(※)に話を聞きたいってことでよかったかな。

(※5.佐伯悠斗(巳樹本不動産・担当営業)の直属の上司)


……いや。不在というか、話を聞ける状態じゃないんでね。

俺が対応させてもらうよ。

佐伯?ああ、そっちもちょっと、不在にしててね。


……。

まあ、どうせすぐわかることだから言っちゃうけど。


先月K駅であった人身事故、アレ伏見なんだわ。


その前から欠勤が続いてて、佐伯も『電話しても繋がらない』って困惑してたんだが。

佐伯の方もショックだったのか、ここ最近姿を見せなくなってね。

ありゃあたぶんトぶな。いや、『最近の若者は堪え性が無い!』なんていうつもりはないさ。こういう商売してるとまあまああるんでね。とはいえ佐伯の場合は、ノルマだクレームだでトんだ連中とは別だろうが。


……あの家の件だよな?佐伯が担当してたっていう、ニュータウンの。


正直、伏見の扱ってた案件ってのは他の社員は知らないことが多くてね。

元々営業同士は争う身だ、手の内を見せないのはお互い様だが、あいつはちょっと特殊だった。


伏見は元々"銀行さん"でね。

地銀の融資担当だったらしいが、そっちで色々あって地元にいられなくなって……まあ、それでウチみたいな都内の中小不動産に流れて来たわけよ。


俺も詳しく知ってるわけじゃないが、噂じゃ『ガラスの靴事件』に噛んでたとか。

……おう、よく知ってるな。それだよ。S県の地銀が顧客の審査書類を改竄して不正融資を繰り返してたっていう。ニュースにもなってかなり騒がれたよな。あのとばっちりって話だ。


で、地元にはいられなくなったが、銀行員時代は地元企業の融資担当だったこともあるそうでな。東京に流れて来た後もその辺の繋がりがあったらしいんだよ。俺はそういう地縁血縁みたいなツテはよくわからんが。


あの家の売買もそうした伏見の「ツテ」絡みだったようだが、本人が死んじまったんじゃどうしようもねえわな。


……だがまああの家、嫌な感じはするな。


ウチの会社は伏見みたいな"ワケあり"が結構いてね。伏見は上から流れて来たタイプだが、三為屋だの債権回収だのから転職してきた奴も少なくない。

俺もそのクチでね。前職は債権回収会社で……まあ、ちょっとした荒事だの胡散臭い案件には鼻が利くわけよ。若い頃は少しばかりやんちゃしてたしな。


別に心霊だのなんだのは信じちゃいないが、そういう場所ってのは独特の空気があるんだよ。あんたも手ぶらじゃ帰れないだろうから伏見については話したが……あんまり深入りしない方がいいと思うぜ。


あとはまあできれば……会社をつついたら"そういう荒事担当だった奴が出てきた"ってことに、こっちの意図を察してもらえるとありがたいんだがね?


……そうかい。話が早くて助かるよ。


佐伯の奴は運が無かったな。

まああいつはあいつで、何かありそうなもんだがね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ