表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伽藍堂 ー 異世界の片隅で、ラーメンを出すだけの話 ー  作者: 伽藍堂
【第一章 伽藍堂、開いてます】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/10

第7話 静かな日のラーメン

迷惑な客が来なくなった、というわけではない。

ただ、伽藍堂の空気は、確実に落ち着いてきていた。


昼のピークを越えた時間。

店内には、箸の音と、スープを啜る音だけが残っている。


グロムは、いつも通り無言だ。

リリアは、湯気の向こうを眺めながら、ゆっくりと麺を運ぶ。


この沈黙が、嫌いじゃない。


前の世界では、店は賑やかなほど良いとされていた。

客の声、呼び込み、音楽。

静かな店は「流行っていない」と判断される。


だが、ここでは違う。


「……暇だな」


グロムがぽつりと言う。


「暇でいい」


「儲からねえぞ」


「潰れなきゃいい」


そう答えると、グロムは小さく笑った。


「変な店主だ」


それでも、明日も来るのは知っている。


暖簾が揺れ、新しい客が一人入ってきた。

若い男で、落ち着かない様子だ。


「……静かですね」


「そういう店だ」


「……嫌いじゃないです」


ラーメンを出すと、男は黙って食べ始め、

食べ終わると、深く息を吐いた。


「また来ます」


その一言で、今日は十分だった。

読んでいただき、ありがとうございます。

ブックマークや評価をいただけましたら、今後の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ