合格発表日
…何故だ?自己採点では受かってそうだったのに?
周りの人達の姿や騒音さえも忘れ、ただ一人、巨大掲示板の前に立ち尽くした。何度も自分の手に握られている番号を確認し、掲示板の張り紙に書かれたランダムな番号を見返した。しかし、何度見ても自分の手に握られている番号は掲示板になかった。
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自分の部屋に入り、ドアを閉めて息を潜めてスマホを見ながらその時を待った。そして、その時になると同時に画面をタップして次の画面が表示されるのを待った。普段は遅いと一切感じないロード時間がとても長く感じた。ようやく画面が表示され、文字が表示された。自分は今、悪夢を見ているのか?と言う不安と焦りと緊張が混じった疑問が出てきた。正確には疑問というよりは願望に近い。しかし、ページを更新しても、瞬きを繰り返しても、その画面に表示された文字は変わらず、夢から目が覚めることもなかった。現実が嫌でも迫ってくる。これまでの努力が虚無に思えて何もする気力がなくなり、ベットに突っ伏してスマホを見ることをやめた。ちょうどその時、ホーム画面が明るくなり昔撮った幼馴染とのツーショットと共にRINEでいつもなら即レスする仲の友達から[合否どうだった?]とメッセージがきていたが、今日ばかりは無視した。気づいたら寝ていた。
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俯いた状態で家まで帰った、ずっと白線を見ながら帰った。途中で幼稚園を通り小さな子のはしゃぎ声が聞こえてきたが顔も上げず、家に着いたらすぐに自分の部屋に引き篭もった。いつの間にか昼になっていたが食欲が湧かなかった。スマホを見ると同じクラスのRINEグループには通知が溜まっていた。そのほとんどが自慢か、他の人の結果の詮索している内容だった。近所の小さな公園に寄り、ぼんやりとつまらないグループ内の会話を見ていた。偶然来た通知は【家族】のグループから[昼食はタマゴレタスチャーハンを作っておきました。リビングの机に置いておくので好きな時に食べてください。]と言うメッセージがきていた。気づけば、既に15時を過ぎていた。流石に食べようと思いリビングに向かった。遅めの昼食をしていたがあまりお腹が空いていないので食べ進まず、普段は見渡さないリビングを見渡していたら、幼馴染との写真が並べられているのが目に留まった。小さい頃からの写真が何枚か並べてあったが一番新しいのは小学4年生で、それ以降はなかった。
…最近も喋るけど、昔程ではないな…。RINEも繋いでいるけど、あんまり使ってないなぁ。確か、国公立大学の医学部でも目指してたんだっけ…。あいつ、昔から頭良い受かってんのかな。RINEでもしてみるか。
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偶然、目が覚めるとRINEの通知音がした。
…寝ちゃってたか。あんまり寝ると夜寝れなくなるから起きないと…。友達からかな…そろそろ友達に返信しなくちゃ…。あっ!悠斗からだ。えーっと…。
[久しぶり!最近何かいい事あった?]
…ある訳ないじゃん。まあ、私立はこれから発表あるから、どこか受かれば良いけど。こんな暢気な事を聞いてくるなんて、受かったのかな。いいなぁ。まあ、悠斗は高2から勉強を猛烈に頑張ってたし、昔から頭良いもんね。
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ハッピーエンドを目指して、今シリーズも始まります!
二人の大学受験の結果はどうなるのか。2話で書きます!