花火大会2
◆???◆
「はぁ……」
ため息も付きたくなるというものだ。
クラスの子達に誘われて、そんな気分じゃないのに、空気を悪くするのはよくないと思って、一緒に行くことにした花火大会。
さっきまでは皆と一緒だったのに、すっかりはぐれてしまった。思ったよりもトイレが混んでいたせいだ。その後皆がどこにいるのかわからなくなってしまった。私がいなくなったところで誰も気にはしないんだろうけど。
さっきまでだって、私は皆の後をトボトボついていくだけだった。
「はぁ……」
ため息も何度目かわからない。
簡単に言えば、私は馴染めていない。私自身が輪の中に入れないでいる。今回だって気を遣ってくれて、声をかけてくれたけどこの有り様だし。
ま、全部自業自得なんだ。ぜーんぶ私のせい。
「ははっ……」
自嘲気味な笑いまで漏れてしまった。
何を悲劇のヒロインぶってるんだか。悪いのは私自身なのに。あの時、あんなことさえ言わなければ。
こういう時、いつも思い出す。
我が身可愛さに、一番大切だったはずの人を傷付けたことを。それからは自分の弱さがイヤになって、誰かと深く関わることができなくなった。きっと私は同じことを繰り返すだろうから。
本当は謝りたいんだ。本心じゃなかったって。言い訳にしかならないかもしれないけど、許してもらえないかもしれないけど。
あぁ、でもこれも自分のためなのか。
謝罪することで、自分で自分を許したいんだ。
私はいつも自分のことばかり……。
本当に謝る気があるのなら、家の場所だって知ってるから謝りに行けばいい。昔は何度も何度も遊びに行ったから。まぁ、今更どの面下げて会いに行けばいいかわかんないけど。
「はぁ……」
……やっぱりこんなところ来なきゃ良かったな。
気分はどんどん落ち込むばかりだし。周りはカップルやら友達同士やらと楽しげで、いちいち癇に障る。目の前のカップルだってさっきから食べさせ合ったりしてイチャイチャと……。
って、あれ……? あの子……。
似てる……。
でもあの人はきっとこんなところに来ない。あの出来事の後から人が変わったようになってしまったから。誰とも話さなくなって、髪で顔を隠すようになって……。
──「後はどうしようか? 涼はそれだけじゃ足りないでしょ?」
──「そうだけど、でも次は栞が選びなよ」
え? 栞? 今、栞って、言った……?
──「私さっきので結構満足して──」
「し、栞……?」
思わず名前を呼んでしまった。
「な、なんで……?」
やっぱり、そうだ。間違いない……。
なんでここにいるのかなんてどうでもいい。こうして目の前に栞がいる。なら、私がすることは一つしかない……。




