表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中途半端なソウルスティール受けたけど質問ある?  作者: ミクリヤミナミ
生方蒼甫の譚
208/343

親愛なる?

「このマーク。どっかで見たな」

 手紙の封蝋には見覚えがあった。どこだっけ?ま、良いか。


 というわけで、何の躊躇も無く手紙を開く。


「なんだ。これ」


 手紙にはこんな内容が記してあった。


 親愛なるルークスへ


 久しぶりだな。随分活躍しているという話は俺のところまで届いている。元気にしているようで何よりだ。

 最近こちらでは新しい店が出来たり、祭りが催されたりとかなり賑わっている。お前にこちらへ遊びに来てほしいという奴らも多い。

 今の忙しい状況ではなかなか顔を出すことはできないだろうから、手紙で良いので連絡をくれ。


                                            ハルマン



 とまあ、こんな内容だ。


「なんです?ハルマンって誰ですか?」

「ああ、ウルサンの奴だ。まあ、その、なんだ。裏社会の人間だな」

「いつの間にそんなのと親しくなったんですか?文通する仲なんですか?」

 サトシが生暖かい目で俺を見つめる。

「なんで「おっさん同士の恋文を覗いちまった」みたいな気まずい雰囲気出すんだよ。やめてくれよ。相手は爺だよ」

「ホントですか?気にしなくていいですよ。俺その辺は寛容なんで」

「何が寛容だよ。単に興味と被害が無いから無関心なだけじゃねぇか!

 ってか、そんなに親しくねぇし。1回しか会ってねぇっつうの」


 そうか、ガラの悪い四人組ってのはモビー達か。あいつらいつも4人でつるんでるのか?まあそれは良い。問題は文面だ。


 まず、俺はハルマンとそんなに親しくない。

 少なくとも

「久しぶりー!元気してた!?結構祭りとかやってるから遊びにおいでよー!!」

 などと言う女子高生的な手紙が来るような間柄では断じて無い。


 と言うことは符丁というか、暗号文と言うか……まあ、そんなところだろう。でも暗号なんぞ取り決めてないから、文面から察しろと言う事だろうな。


 ……


「ん!わからん」

「なんですか!?急に」

「いや、たぶん暗号か何かだと思うんだが、よくわからん」

「単に考えるの放棄しただけじゃないですか?」

「まあ、そうともいうが。そんなこと言われてもな」

「とりあえず、なんで手紙が届いたかを考えましょうよ。そのハルマンって人とルークスさんはどんな関係なんですか?」

 心なしかサトシがにやけて見える。バカにしてない?俺の事。

「サトシが思うような関係じゃないよ」

「いやいや。そんなこと聞いてるわけじゃなくて……」

「そうだなぁ。一応あいつから情報がもらえることにはなってるが……」

「情報って、どんな情報です?」


 さて、どこまで話したもんか……

 

「あ~。ウルサンの裏社会の情報」

「そんなの知ってどうするんですか?」

「ま~。あれだ。商売を手広く広げようと思うと、いずれ裏社会の人間とはひと悶着有るだろうからな。事前に情報を知っときたいと思ってな」

「で、直接聞きに行ったんですか?」

「いや、探りを入れようと町に潜入したら、いきなり本職にぶち当たったと言うかなんと言うか……」


 まあ、そう考えると自分でも行き当たりばったり過ぎる気がするな。

「ルークスさんらしいと言えばらしいですね」

「どういう意味だよ」

「そう言う意味です」


 ……

 どういう意味?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ