ソウルスティール食らっちゃった
俺は今、とても吸われている。
そう、かなりの勢いで吸い込まれている。
やっちまった感が半端ない。
俺の名前はカール.。
王都ではそれなりに名の売れた鍛冶屋である。
今回は、騎士団の魔王討伐に同行することになった。
で、そんな俺がなぜ吸われているのか、
今まさにその魔王にソウルスティールをかけられたところだから。
ああ、肉体から魂が抜ける感覚ってこんなか……。
意外に気持ちいいもんだな。
トカゲや蛇の脱皮もこんな感じなんだろうか?
ああ、胴体は完全に離脱した、指先と足先でかろうじて耐えている。
頑張れ俺。
負けるな俺。
ああ、指先がぁ……あ、足抜けた。
やべ、
あっ。
死ぬときって、こんなにゆっくり時間が流れるのな。
おお、どんどん魔王の手の方に吸い込まれていく。
なんだ、何かが目の前に何かが飛び出してきたぞ
ああ、少年だ……おいおい君、そこに出てくると危ないぞ、
俺とぶつかるし、君も魂吸われるんじゃないか?
ほら言わんこっちゃない、
ちょっとはみ出てるぞ、君。
吸われてますって!
逃げたほうがいいよ!
おお、俺加速してる。やべ、止まれねぇ。
あ、少年にぶつかる。
ああ、止まれーエ
痛てぇーーーーーー!!
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