神殺しの旅 〜ヌルの仕事押し付け前夜〜
『せっかく全ての仕事を”NC”に押し付けて旅をしているんだから。楽にゆっくりしたいや』
———約100年前。
白と金の二色しかないかなり大きな部屋の中に魔法が付与された、高級そうな黒い大理石のような物で出来た机と椅子に座っているジャージを着た顔が整った真っ黒な髪の1人の男(?)…ヌル。
その横を漆黒とも言える光沢のある黒い色の薄いが透けていないピッタリサイズの、二の腕の真ん中あたりまであるアームウォーマーと肩が無いミニスカート+ワンピースの様な服…アメリカンスリーブにニーソックスを装着して浮遊している女(?)…イスト。
『あーもう!めんどくさい!』
ちゃぶ台返しの様に机を軽々と投げ飛ばす。
…100キロメートルを余裕で超える距離にある壁に衝突して机が粉々に砕ける。
白と金の壁は傷一つ無い。
壁にはより強い魔法が付与されているからだ。
「ヌル。弁償。」
『断る。』
「何故。」
『あの机は自分で掘り出した石で自分で作って自分で魔法を付与した物だからだ。』
「お前。ネルの。組織長。私は。NCの。一員。」
『は?』
「何。」
『下請けの社長と元請けの一般社員。どっちの方が偉い?』
「後者」
『うん。だけど元請けの一般社員は下請けの社長に命令出来ないでしょ?』
「出来る。それが。NC。」
『パワハラだぞ!?』
「それが。NC。」
『えぇ?ならストライキ起こすぞ』
「やめて。」
『やだ。』
「ふふっ、実際のネルはNCの中にある組織でしょ?」
瞬間移動で大きな鈴付きの首輪を付けた小さな黒猫が入って来た。ヌルが愛玩動物が好きだからと、この猫獣人はわざと黒猫の姿をしている。ついでにヌル…というかこの場にいる全員の言う愛玩動物の中には人間も含まれている。フィーアはネルに所属している。そして顔を赤くしながらヌルを見ている。黒猫なのに顔が赤くなるのがわかる。
「フィーア。何しに。来た。」
イストはフィーアに敵意ある目を向ける。
「イストこそ何でいるの?」
フィーアもイストに敵意ある目を向ける。
『疑問なんだが…何故女は2人いるとすぐ喧嘩するんだ?』
「私。女じゃ。ない。」
『見た目が完全に女だから脳内で女と処理しているんだ。あと、お前の性格は女に近いだろ?』
イストが男という訳ではない。ただ性別が無いだけだ。ちなみに恋愛対象は両刀だ。まぁ…長い時を生きているから性格は女に傾いている。
「別に全ての女とすぐ喧嘩する訳じゃないよ?」
『嘘つけ。ドライやフィンフ、エルフとかともよく喧嘩するだろ。』
「ゔー…」
フィーアはヌルの膝に乗り身体を擦り付けている。
『何も言えないだろ?』
「に…にゃ〜」
『ん?』
「完全に。獣化。した。」
『獣化?獣人にそんなことがあるのか?』
「発情期。」
『こいつはいつも発情してるだろ。』
「ふにゃ!?」
「確か。に。」
「してない!ただ猫だから喋れないだけにゃ…。と言いたかっただけで…。」
「発情の。対象は。ヌル。」
『え?うち?』
「イスト!」
「周知の。事実。」
「え!?」
『いや。うちも知らなかった。』
「ヌルの。前で。常時。発情。」
『あー。だからこいつ…発情期終わらないなーと思ってたんだよ』
「にゃ!?」
『…魔法かけてみようか。』
「なっ!」
「ヌル。肉食系。好き。」
『いや?面白そうだからさ』
<官能刺激>
<発情>
<催淫効果>
<束縛>
「ひゃゔ!?」
「束縛。変態。」
『束縛以外自作魔法だよ。魔法に命を賭けている人が聞いたら怒る使い方だね』
フィーアはその荒い吐息を隠しているつもりだろう。左手で口を抑えている。
というかいつのまにかヌルの膝ね上で人型になっている。
身長が140cmも無く。頭の上から猫耳が生えている。胸が大きく裸で。鈴付きの首輪を付けている。そして右手で股間の周りを触っている。ロリコンの妄想が現実になったような感じだ。
「想像。以上に。淫乱。」
『うん…。』
「私。女体化。する。3P」
『はっ!?』
「ヌル。男体化。しろ。」
『やだ。』
「なら。強制。」
女体化したイストと人型になったフィーアが男体化したヌルに襲いかかる。
熱い一夜を3人で過ごしました♡