表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

悔し涙

作者: 二階堂あまね

「ほんまダルいでなあいつら」


あまねは自宅の自室でひとりごちた。


時刻は午後四時半。


もうすぐ黄昏時だ。


最近は太陽が沈むのが早くなってきて、街が闇に包まれるのが大分早くなってきた。


あまねは学校でいじめられていた。


あまねの度が過ぎる暴言がきっかけだった。


「お前ら返事せんかい!!ぶっ殺したろか!!」


あまねはそう怒鳴った。


最初、あまねは一部の女子生徒からあまね自身の気の強さが原因で嫌われていて無視されていた。それが今回の暴言でほぼすべてのクラスメイトから無視されるようになった。


でもあまねは自分がこれっぽっちも悪いとは思っていなかった。なぜならあまねの性格が悪いからという理由だけで無視するほうが悪いからだ。


「あいつら子供じみたことしよって、ほんまに」


あまねは震える声で怒りを噛み締め言った。


「バァーン」


あまねは目覚まし時計を床に叩きつけた。


ドンドンドンとおばあちゃんが階段を登る音が聞こえてきた。


おばあちゃんが自室の扉を乱暴に開けた。


「あまねっ、どうしたんや!」


おばあちゃんは、一体何事だ、と言わんばかりの顔と声色であまねを心配した。


それに対してあまねは答えた。


「なんともない。ちょっとイライラしとっただけや」


あまねはそう小さな声で言って、なんとなく自室のカーテンに手をかけた。


「ほんま腹立つで」


あまねはいつもの覇気はどこへやら、子犬のような弱々しい声で呟いた。


部屋の外はもう薄暗くなってきていた。


おばあちゃんがそっとあまねを抱きしめる。


そしてあまねは悔し涙を流した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ