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第3話【夢】

とても深い海を漂っているような感覚が訪れる。

周りには光も何も無い。


ふと、目の前からボロボロになったモニターが漂ってきた。

モニターの画面には、ノイズが走った映像が流れている。


その映像には見覚えがあった。


「これは、私の過去か。」

これは私が訓練生を終えて、暗殺部隊に配属される前の話


大昔からこの国は戦争を続けていた。

私が住んでいた街は、前線より離れており、戦火に晒されるなど、想像もしなかった。


それは穏やかな風が吹く昼の時だった。

私は当時、弟達と商店街で買い物をしていた。


「ねぇ!お兄ちゃん。あの人達ってお兄ちゃんのお友達?」


妹が軍服を着た兵士を指さして言った。

思考を巡らせるが、戦争が続くこの国で軍隊がここを通るはずがない。

そして、彼らの着ている軍服は、国の陸軍の服に似ているが階級を示すバッチが付けられていない。

私は何か嫌な予感がし、弟達を連れて家に帰ろうとした。


そして、嫌な予感は的中した。

兵士に話しかけた老人がライフルで撃たれた。

商店街に響く銃声が少し離れた私達にも聴こえた瞬間、2人を連れて家に向かって走り出した。


商店街を抜け大通りを出ると、そこには先程の軍服を着た軍隊に似た集団がいた。

彼らはライフルを持って、街の制圧をしていた。


「ここもか・・・。こいつ等は大国の軍人ではない・・・。」

彼らが持っていたライフルは、帝国で使われている物に似ていた。

大国が前線から兵士を侵入させる事は殆ど無かった事から、彼らが残党兵という事が予想が付く。


「おい!そこの3人、こっちに来い!」

一人の兵士がこちらを見て、ライフルを向ける。

弟達にも落ち着くように言い、ゆっくり兵士の方に歩いていく。


「お前らも連れて行く、おとなしくしていろよ」

その兵士は、自分にもライフルを向けてそういった。

私は身長が低く、子供に見られていたらしい。

好都合だが、自国の兵士の救助を待つには少し時間が足りない。


少し歩き、他の兵士が連れている捕虜と共にまた街の中へ歩いていく。

行先は恐らく廃虚ビルだろう。あそこなら、拠点にするには丁度いい場所になっている。


「入れ、お前らはここで捕虜として過ごすんだ」

少し老いた兵士がそう告げる。おそらくこの兵士達の中心核だろう。

廃ビルの外に3人の見張り、中で捕虜を監視する兵士が2人。他に何人兵士がいるのか分かっていない。

彼らの基本装備はアサルトライフル。マガジンを持っている様子はないが、何を持っているか分からない。


「ここは・・・どこなの・・・?」


「助けて・・・ママ・・・。」


近くで子供が泣いている。このままだと、パニックになりかねない。

彼らは恐らく帝国軍に報告。もしくは大国に身代金や脅しをする為に通信機を使う。

大国内で使えば電波の傍受ができ、この場所の大体の予想を行うだろう。


ただ、詳しい情報を彼らに伝えることが出来れば、人質の解放が出来るかもしれない。

今はただ、待つことしかできない。


第3話、主人公の過去の話になります。


今回も感想や意見などありましたら書いていただけるとありがたいです。

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