表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

俺たちに与えられた能力。この世界に来る前に書いた漢字が、その能力になる。

能力しだいで、戦力は大きく変化する。

それに、このゲームのクリア報酬は、実質的に与えられた能力だけ。死ぬリスクに見合うだけの能力を貰わないと、割に合わない。

そう思っているのも俺だけじゃない。その証拠に、ロアンの言葉を聞いた瞬間、みんなの目の色が変わった。

「木戸円香」

おもむろに、ロアンが口を開いた。図太そうに見えるギャルの彼女も、目をつぶって、俯いている。

「お前の漢字は、『炎』だったな。お前に与えられた能力の名前は、『炎操者』。読んで字の如く、炎を操る能力だ。操ることができる範囲は、お前の修練次第。どんなに広くても、目に見える範囲までだがな。自分で炎を生み出すことが出来ないのが欠点だが、まあ、悪くない。」

その説明を聞いた木戸は、嬉しいような落胆したような、よく分からない表情をしていた。まあ、それもそうか。他の人の能力がわからないことには、自分の能力が「当たり」か「ハズレ」か分からないからな。

「次に、林道賢治」

前にも言ったような気がするが、林道賢治は、俺の数少ない(というか唯一の)友人。

親が剣道の師範で、彼自身、小さい頃から剣道をやっていた。

「おまえの漢字は、『刀』か。なるほど、中々強そうな感じを選んだな。だけど、残念。能力は、ハズレだ。お前の能力の名は、『刀鍛冶』。空気から、刀を生み出すことができる。ただそれだけの能力だ。人数が多い時や、物資が少ない時には役に立つんだがな、見ての通り、人はいない上に武器は溢れてる。正直、使えないな」

林道の表情が曇る。そりゃそうだろう。はっきり、「ハズレ」って言われたんだからな。だけど、無限に刀を生み出せるってのは、元の世界に戻ることを考えると、割といいんじゃないのか?元手ゼロで金儲けができる。まあ、帰れたらの話だが。

「杉山佳奈」

杉山佳奈は目立たない、地味目の女子。個人的に、顔とスタイルはかなりいい方だと思っているのだが、その趣味から、カースト上位の女子とつるむことはほとんどない。

彼女はまあ、一言で言うと、「腐女子」というやつで、カバンの中に、常に2冊以上のBL漫画が入っているという、中々の猛者だ。

「『愛』か。かなりの綺麗どころだ。お前の心は、さぞかし愛に満ち溢れているんだろうな。だが、お前の能力は、相当にえげつない。能力名は『仲改者』。他人の心の中にある、『愛』を書き換えることが出来る。一見大したことがないようにも見えるが、かなり強い能力だ。前のやつと違って、当たりを引いたようだな。ただし、欠点が一つだけある。それは、書き換えた『愛』は3日で元に戻り、同じ人間には二度と書き換えが通用しないことだ。まあ、それを差し引いても当たりだがな。」

愛を書き換える。どんな能力なのかは分からないが、腐女子には与えない方がいい能力なんだろうな。まあ、味方にいる分には心強いけど。

「遠藤聡」

遠藤聡は、これまた地味目の男子で、目立つようなことはほとんどない。

特徴といえば背が低いこと(150ちょいくらいしかない)とくらいだ。

鉄道研究部に入っている(らしい)ので、鉄オタなんだろうな。

「お前の漢字は、『鉄』。お前の能力の名前は……そろそろこのくだり飽きてきたな。面倒だから手短にいくぞ。お前の能力の名前は、『鉄仮面』。自分の体を、鉄に変えることができる。それだけだ。以上!次で最後だ。深山雅菜!」

最後に呼ばれたのは、俺の名前だ。

いよいよ、俺の能力がわかる。心臓が、バクバク、太鼓みたいになっている。

「深山雅菜、お前の漢字は『創』。お前に与えられた能力の名は、」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ