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1-6 不思議な夢

 夢を見た。

 不思議な夢だ。

 自分が夢を見ているということを夢の中で自分自身が自覚していた。

 これが明晰夢というだろうか。

夢の中の俺は誰からも視認されない第三者のような立場で周りを見ていた。



 俺の前には怖そうな雰囲気を纏った人物が立っている。

相手に視認されていないと理解していても恐怖を感じる。

 夢の中で恐怖を感じることなどあるのだなとどうでもいいことを考えてしまう。


 目の前の男は険しい顔をしながら何やら考え事をしている。

何を考えているのだろうか?


 すると近くの扉が開き新たな人物が部屋に入ってくる。

新たに入ってきた人物も怖い雰囲気を纏っている。

 しかし俺の目の前にいる男ほどの雰囲気ではない。


「このままではマズイです。

戦況は徐々に劣勢へと追い込まれています」


 部屋に入ってきた男が俺の目の前にいる男に何やら報告をしている。

 どうやら今、目の前の男たちは戦争をしている最中のようだ。

男の言葉遣いから俺の目の前にいる男がこの場で一番偉い指揮官のような立場のようだ。

そして先ほど部屋に入ってきた男がこの男の部下なのだろう。


 しかし、話の内容を聞いているとどうやら男たちの軍は現在劣勢のようだ。

目の前の男は尚も険しい表情で部下の男の報告を聞いている。


「このままでは我々に待っているのは滅びだけです。せめて魔王様だけでもどこかへ御隠れになられてください」


 魔王⁉︎

目の前の男魔王なの⁉︎

たしかに纏ってる雰囲気とかめっちゃ怖いけど!

なんか急にファンタジーな夢になってきたな……。


「お前達を残して我だけが生き延びることなどできぬ。なんとしてでも奴らは倒す。

我の邪魔をする限りは誰であろうと滅ぼすだけだ」


 目の前の男、もとい魔王は部下からの逃げてほしいという頼みを棄却する。

どうやら魔王には魔王の目的があるようだ。

この場合戦っている相手はやっぱり人間の勇者とかなのだろうか?


「我々にとっては魔王様こそが全てなのです。ここは一度引いて体制を立て直す方がよろしいかと愚考いたします」

「お前の考えもたしかに一理ある。

だが今はまだ引くわけにはいかぬのだ。

せめて奴を倒すまでは我はここから立ち去ることはできん。奴を放置することは危険だ。今後の我々の為にも今ここで排除しなければならん」


 二人の会話を聞くにどうやら魔王たちにとって危険な人物が今戦場にいるようだ。

 おそらくその存在が今魔王達が劣勢に立たされている理由だろう。

奴と言ってるからおそらく危険なのはその一人がとてつもなく強いのだろう。

 やはり勇者なのだろうか。

ちょっと見てみたいと思ってしまった自分がいる。


「たしかに奴の力は非常に危険です。

今この場で叩かなければならないという魔王様の御考えも理解できます。

しかしこれだけは御約束ください、本当に危険な状況になったら魔王様お一人でもお逃げください」

「うむ、我とてお前達のことは大切な家族のようなものだと思っている。本当に危なくなったら逃げると約束しよう」

「ありがとうございます」


 この部下の男は本当に魔王のことを大切に思っているようだ。

 そして魔王の方も思ったよりも仲間想い?な性格のようだ。

俺の中の魔王のイメージといえば仲間などなんとも思わない冷酷なイメージが強かったがこの魔王は違うようだ。

部下の男に家族のように大切に思っていると言ったときの魔王の表情は今までで最も柔らかく穏やかな表情をしていた。


「先ほど戦況は劣勢だと言っていたが今のままでどの程度もちそうなのだ?」

「このままでは早くて3日で最終防衛を突破されるかと……」

「そうか……。なら我も早いうちに結論を出さねばならないな」


 なにやら哀しげな表情を魔王がしている。

この魔王は俺の知っている魔王のイメージとは違うようだ。

 しかし、魔王達の目的とは一体何なのだろうか?

やはり人類滅亡とか世界征服とかを目的にしているのだろうか?



 俺の中で魔王達の目的についての結論は出なかった。

 そして気がつけば周りの風景に靄がかかりはじめこの夢の終わりを告げはじめる。

これも何故かは分からないがもうじき目が覚めるというのが直感的にわかったのだ。



 目を覚ました俺はしばらくの間夢のことを考えいた。

ただの夢とは思えなかったのだ。

そもそも明晰夢などというものを見たのも初めてだったしな。

 俺はしばらくの間あの夢は結局何だったのだろうか?ということや魔王達の目的とは何なのだろうか?などと考えいたのだが時計の時刻を見て俺は慌てて朝の支度をするのだった。

ついにタイトルにある魔王が出てきましたね!



ようやっと本格的に物語を進めることが出来そうです(^^;

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