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詩集02  作者: 透坂雨音
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08 クロックワールド『失われる贄』



 生贄と共に

 世界の終わりに立ち並んで

 崩れ行く大地を見下ろす


 刈り取られた命の分だけ

 幸福が減っていって


 目前で 伸ばした手をすり抜けて

 消えていった


 作られた 箱庭で過ごした記憶が消えていく

 淡く 儚く 輝きながら


 鮮血をこぼして悲鳴を上げて

 幻想を見た分だけ傷つけられた


 夢を見ていた事すら 後悔して


 幸せへと繋がる 小さな扉を閉じた


 海原に広がる 青

 天井に白くのしかかる 雲

 どこまでも生い茂る 緑

 草原に咲き乱れる 命の花


 安らかに眠らせて

 何も知らない 次の私の為だけに



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