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39 目覚め
静まり帰る朝凪ぎの平野
音もなく眠りにつく静寂の暗闇
明りはなく 人々は目覚めない
空虚な時だけが ひたすら過ぎゆく
ただ一人だけ取り残された少女
孤独な世界の中で
誰も聞かない子守歌を 歌い続ける
祈りを乗せて 響いた旋律
その小さき声が紡ぐ波 儚き希望のみ
銀の光満ちて 頬風なでる
暗闇払いゆく 形ない旋律
目覚めはもう すぐそこに…
ふちのない奈落 地面の底に
旋律は遠くへも届く
まやかしの世界にさよならを告げて
そら明ける 目覚めの時
目覚めはもう すぐそこに…




