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36 ロード
―叩き潰す―壊す―解体する―蹂躙する―
「命とは消費するもの
「命とはただの道具」
「思考を閉じこめた肉の器がただあるに過ぎない」
「情報を物体に宿したに過ぎない」
ひれ伏せ
力の元に
矮小なる存在
目にかける価値もない
私にとってはただの蟻にすぎない
消えてしまえ
私にとってはただの有象無象にすぎない
消えてしまえ
ひれ伏せ
この力の元に
示したそれは絶対
己の分を弁えよ
―叩き潰す―壊す―解体する―蹂躙する―
どこに戻ろうとしている
何を探しだそうとしている
望みなどとうに潰えている
願いなどとうに壊れ果てている
探す価値もない
気にかける価値もない
どこにも戻れない道で
なぜ
―叩き潰す―壊す―解体する―蹂躙する―
なぜ立ち止まる
なぜ振り返る




