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詩集02  作者: 透坂雨音
15/44

15 パラダイス・ロスト



 とめどなく 流れ続けていくもの

 壊れ続けていくもの

 失われ続けていくもの


 一つ一つ

 順番に小さい物から壊れていく


 砂のように 細かく

 ガラスのように 脆く


 何も残さず

 思い出す片鱗すらなくして


 ――遺されたものは 小さな模型だけだった


 ――残されたものは 小さな土地だった


 ――それはバラバラになってしまっている


 ――かろうじて形を保っている場所は


 ――小さな小さな緑の島一つ


 消えて 消え続けていく

 記憶にすらとどめずに


 跡形も残さずに

 何にも 覚えられる事もなく


 ただ静かに 静かに 闇に飲まれていって


 誰も知る事のない 一つの終焉


 ――残されなかったものがあった


 ――遺されなかった意思があった


 ――ただただ消えていくものがあった


 ――命溢れる場所


 ――けれど 今はもう そこに何もなくて



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