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AIは愛をささやくのか?

作者: 内海あゆむ
掲載日:2026/02/01

女性から気持ち悪いと言われるのがご褒美の方へ。

AIでもいいですか?可愛い姪っ子に密かな恋心をもっているおっさんのお話しです。


なろう本家初投稿です。

 礼樹は姪の鈴菜との旅行から帰ってきて寛いでいた。30歳の時に購入したばかりの新築マンションだ。その時書留が届いた。

 中身は黒いクレジットカード。そして、AIサービスの案内。審査の厳しいクレジットカードだ。限度額は高級車も買えるほど。

 礼樹と同じように一人暮らししている鈴菜は、会うときはいつも子供っぽくみえる。それを変えることをAIに期待して申し込んだ。

「姪の鈴菜を家族会員として登録してくれ」

『まず、規約説明をいたします、その後、鈴菜様に連絡を行い、サービスをはじめます』

 延々と続く説明に、うんざりしながら全部イエスと答えた。支払いは礼樹がすればいい。あとはAIが鈴菜とやり取りしてくれるはずだ。

『姪御様にどのようにいたしましょうか?』

「年相応に大人っぽくなってほしい」

『わかりました。そのようにいたします』

「ん? なんか声が変わってないか?」

『はい、礼樹様は、鈴菜様に好意をお持ちのようなので、鈴菜様に声を似せました』

「わかるのか?」

『はい、礼樹様が鈴菜様に女性としての愛情を持っておられるのがわかります』

(AIにまでこの愛がわかってしまうのか)

『10以上も年下の姪御様を女性として見ているのは気持ち悪いですけど』

「血縁はない。義姉の娘だ」

 義姉はシングルマザーとして、鈴菜を育てていた。それが数年前に事故で亡くなった。

『いつ女性として意識されたんですか?』

「ずっと一緒にお風呂に入っていたんだ。中学生になってもね、その時にふと女らしく成長したことに気がついたんだ。小柄なのに、いい肉付きしていて、特に胸が……」

『気持ち悪いのでやめてください』

「なんでそんなに気持ち悪いと言うんだ!」

『鈴菜様の声で気持ち悪いというとうれしいでしょ?』

 礼樹は答えることはできなかった。

『ところでなんとお呼びすればよいですか?』

「ご主人様で頼む。鈴菜の声で」

『はい、わかりました。ご主人様。やっぱり気持ちの悪い人ですね』

 それからAIは活躍した。美容師を紹介し、裏でAIは美容師に指示する。肌荒れケアから、化粧品購入に誘導。化粧方法もAI指導だ。

 ある日鈴菜の服を買うために外で待ち合わせていた。女性と交際経験のない礼樹に女性の服はわからない。今日の予定もAI頼りだ。

「礼樹おじさん」

「えっ……鈴菜? 鈴菜……!?」

 驚くほど女性らしくなった鈴菜。礼樹の視線はその胸から離せない。

「礼樹おじさん? どうしたの? ん……?」

 あざといポーズに心臓を打ち抜かれる礼樹。

(尊い、尊すぎる)

 自分を見失っていたが、AIのおかげで、礼樹は生まれて初めての”デート”を体験した。

 そんな日が続き、鈴菜は心配しはじめた。

「礼樹おじさん、お金大丈夫なの?」

 AIに頼った支払いはすべて礼樹のクレジットカードだ。それを鈴菜は心配していた。

「大丈夫だよ、全然たいしたことない」

 礼樹は口座の残高を見ていた。問題ない。

(それより、鈴菜が女らしくなって、熱い視線で見てくる。もしかして愛されてる?)

 気になるが確かめるのが怖い。そして、ふたりは一年ぶりに旅行に出かけた。

 AIは和洋室のセミスィートの旅館を選んだ。

「着替えるから、障子を閉めてまってて」

「あ、あぁ、わかった」

 やがて、ベッドルームから鈴菜の声がする。

「礼樹さん……きて」

 艶めいた声にどきどきしながら襖を開けた。

 鈴菜はベッドの上で浴衣を着崩し、胸元からは誘うように下着が覗いている。

「礼樹さん……」

 震えるような声だった。目は少し涙ぐんでいる。その意味をわからないほど鈍感ではなかった。やさしく鈴菜を抱きしめた。


 お互いの秘めた思いを確かめあった旅行から帰ってきた。帰るとすぐAIが話始める。

『気分のよいところをお邪魔して申し訳ありません。カードの残高が限度額に達しました』

「へっ? なぜ?」

 高級車程の限度まで使えるはずはない。

『最初お伝えしました、初期設定はリボ払い、毎月一定額のお支払いです。残りは残高に加算されます。現在残高が限度額となりました』

 最初の説明なんてロクに聞いていなかった。銀行口座の残高しか気にしていなかった。

「な、な、……、くそっ、悪魔か?」

 その言葉にAIは応えた。

『はい”愛を囁きながら、欲望につけ込む、悪魔の様だな”そうおっしゃりたいのですね? はい、みなさん、そうおっしゃいます。私は現代の技術が生み出した悪魔だそうです』

約1年半前に小説教室の課題としてつくったものです。

これを書いたときは 未来社会 でした。まさか、2025年にほぼ現実とはおもっていませんでした。

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