6 心が壊れたもみじ
「何だかモヤモヤする……」
クロリリィは、悪魔の帝国の本拠地となっている巨大なエネルギーの塊を背にして、柔らかな白い光で満たされた広大な空間に浮遊していた。空間の中では、大量の黒い雪のような心の欠片と、その中に混じって様々な色の美しい輝きを放つ心の欠片がどこからともなく出現し、どこかへ向かって降っていった。
「あのキルコとかゆー悪魔、なかなか面白い困ったちゃんだったけど、相手をしてたら気持ちがモヤモヤしてくるのよね……」
クロリリィは、突然楽しそうな笑顔を見せた。
「こーゆー時は、もみじをからかってスッキリするのに限るわね! もみじのところへ行きましょう! え〜と、もみじ、もみじ……」
クロリリィは、からかわれて怒っているもみじの姿を思い描いた。
「もみじの潜在意識に移動しましょう!」
クロリリィはそう決めた瞬間、暗い湖の底のようなもみじの潜在意識の深淵に移動した。
悪魔の帝国では、どこまでも広がる漆黒の空間の中で、太陽のように巨大な魔力の塊が白く輝いており、瑠璃色の髪の悪魔の少女が魔力の塊を見つめて物思いにふけっていた。
その背後に、二体の屈強な悪魔が突然姿を現した。
一体は、頭に四本の水牛のような角が生え、全身が黒い鱗で覆われていて体のあちこちから角が伸び、背中には三対のコウモリのような翼が生えていて、耳まで裂けた口には鋭い牙が並び、瞳がない目は焰のように赤く光っていた。
もう一体は、人間の青年のような姿で、頭には水牛のような角が二本生え、背中には三対の白鳥のような翼が生え、長い髪と身につけている甲冑が金色に輝きを放っていた。
瑠璃色の髪の少女の悪魔は、二体の悪魔の方に無邪気な笑顔を向けた。
「あら、サタン、ルシファー。よくここがわかったわね」
二体の悪魔は口を揃えて、恭しく少女に頭を下げて言った。
「皇帝ザギャリーザ様」
金色の悪魔が頭を垂れたまま言った。
「皇帝ザギャリーザ様がいらっしゃる場所へは、いくら思い浮かべて心で決めても移動ができません。士爵のクロリリィが帝国に来たと噂になっていましたので、まさかと思い、クロリリィの足取りを追ってここに来たのです。クロリリィはすでに集合的無意識から出たようで、クロリリィがいる場所に移動すると心で決めても、クロリリィがいる場所へは移動ができなかったものですから」
「ルシファー、なかなかいい読みだね!」
皇帝ザギャリーザは子どもの口調のまま、ルシファーと呼んだ金色の悪魔に向かって楽しそうに言った。
黒い悪魔が顔を上げると、皇帝ザギャリーザを見つめて言った。
「皇帝ザギャリーザ様! なぜ、クロリリィにご執心なさるのですか? あのようなただの民間の悪魔など、どうでもよいではありませぬか? それにこれだけ膨大な魔力を集めれば、今すぐにでも人間界を地獄に変えることができるのに、なぜ実行されないのですか?」
皇帝ザギャリーザは、ニッコリと笑った。
「あーっ、サタンったら、あたしに意見を言うんだーっ?」
サタンと呼ばれた黒い悪魔は、激しく動揺した。
「い、いえ! そ、そのようなつもりでは……」
皇帝ザギャリーザは、満面の笑みでサタンに言った。
「この帝国の全てを決めるのは、あたしなんだよ。あたしの考えに意見を言うような悪魔は、存在しちゃいけないんだよーっ! 消えちゃってーっ」
「こ、皇帝ザギャリーザ様……」
激しく狼狽するサタンの姿がだんだん薄くなり、やがて完全に消え去った。ルシファーは頭を垂れたまま、緊張した表情で冷や汗を流していた。
皇帝ザギャリーザは、無邪気な笑顔でルシファーに言った。
「あ〜あ、これであたしの正体を知っているのは、ルシファーだけになっちゃったね〜。悪魔の体は壊すことも、殺すこともできないけど、あたしだけは存在そのものを消し去ることができるんだよね。
三千年前にあたしが生まれて、無秩序だった悪魔たちを一つにまとめちゃえって思ったけど、あたしが天下無双の圧倒的な強さで悪魔たちを倒し続けても、みんな死なないものだから、不毛な戦いが千年も続いたんだよ。
ある時、あたしには悪魔を消滅させる力があることに気づいて、それから次々に敵対する悪魔を消し続けて、この帝国をつくって悪魔に秩序をもたらした。ルシファーとサタンには、その頃出会ったのよね」
「ははっ。私は腹心の部下として、皇帝ザギャリーザ様のお言葉を他の悪魔たちにお伝えし、皇帝ザギャリーザ様のお考えに従って帝国を動かしてまいりました」
ルシファーは恭しく語り、皇帝ザギャリーザは楽しそうに笑顔で話を続けた。
「ねぇ、ルシファー。悪魔の秩序を維持するのに必要なものって、何かわかる? それはね、力と、恐怖と、教育と、共通の目標なんだよ。あたしには不死の悪魔に消滅をもたらす力がある。全ての悪魔に、あたしの考えに背けば消滅するという恐怖を教え込むんだよ。
あ、だから、サタンはあたしに逆らって消滅したって、悪魔の書を使って全ての悪魔に伝達しておいてね。あの大悪魔サタンがあたしに逆らって消滅したって知ったら、悪魔たちはますますあたしに恐怖する。あたしが悪魔たちに正体を明かさないのも、正体不明の存在の方が恐怖が増し増しになるでしょ?
そして、悪魔の秩序を維持するためには、全ての悪魔に共通する目標が必要なの。今は人間界を地獄にするって目標を与えてるけど、それが達成した時、次の大きな目標がなければ悪魔の秩序の崩壊が始まる……。でも、全ての悪魔のモチベーションを上げる次の目標って、なかなか難しいのよね。
あと、ルシファーには言っとくけど、クロリリィは今までに見てきた悪魔の中で考え方や心の動きが一番人間に近いんだよ。人間に近い悪魔が、何を思ってどんな行動をするのか、それは他の悪魔にどんな影響を与えるのかを確認してるの。そして、クロリリィは大悪魔のあなたやサタンに匹敵するほどの力を持っているのよ」
ルシファーは驚愕し、思わず顔を上げた。
「そ、そんなに凄い力を持っているのですか、クロリリィというのは?」
「その力とクロリリィが人間に近いことには、何か関連性があるのかも気になるの。だけど、もしクロリリィが帝国の秩序を乱す存在になるんだったら……」
皇帝ザギャリーザは、無邪気な笑顔で言葉を続けた。
「その時は、すぐに消滅してもらうけどね!」
雷鳴轟之神社の境内では、社務所の前で、もみじが鏡太朗とさくら、來華、まふゆ、ナツに向かって真剣な表情で話をしていた。
「今の異常事態をあたしなりに整理すると、まず、土曜日の夜、あたしたち全員がいない間に、この町で何かが起こった……、それは間違いねーだろう。その時町にいなかった鏡太朗の母親が、この異常事態に巻き込まれていねーことからも、それは明らかだ」
鏡太朗たちは緊張した表情で、もみじの話を聞いていた。
「そして、町中の家という家の中からは、変化がない穏やかな霊力を感じる。これは、住民は家の中で生きているが、眠っているのか、気絶してるのかはわからねーが、最小限の心身の活動しかしていねーってことだ。そして、町中から微かな魔力を感じる。恐らく、今回の異常事態を引き起こしたのは魔物だ」
「魔物の仕業か」
ナツは眉間にシワを寄せて、吐き捨てるように呟いた。
「それから、学校でおめぇたちを襲ったのは、悪霊と見て間違いねぇだろう。昨日はあたしも強い呪いの力を感じたからな。だが、その時、呪いの力と一緒に微かな魔力も感じた。もしかしたら、悪霊と魔物がつるんでるのかもしれねー。これからは何が起こるか想像もできねー。常に周囲に気を配って警戒するんだ。いいな?」
鏡太朗たちは不安を胸に抱えながら、もみじの言葉に頷いた。
「よし、平和な町を取り戻すぞ。これから二手に分かれて、意識を集中して町中をくまなく探知して、強い魔力を探すんだ。その魔力の持ち主こそ、今回の異常事態を引き起こした奴にちげーねー。
さくら、ライちゃん、まふゆ、ナツは、コアちゃんと一緒に、町の真ん中を走っている国道から南側を空から探ってくれ。あたしは、鏡太朗と一緒に北側を車で探る。さあ、すぐに始めるぞ!」
雷鳴轟之神社の境内から戦闘モードのコアちゃんが飛び立ち、右腕にまふゆ、左腕にナツを抱え、背中にさくらと來華がしがみついた状態でゆっくりと国道に向かって飛んで行った。
もみじが運転するSUV車は鏡太朗を助手席に乗せて、雷鳴轟之神社の駐車場から公道に繋がっているゆるやかなカーブを描くスロープを下っていた。
「鏡太朗、おめぇ一人だけを同行させた理由がわかるか?」
もみじが進行方向を見つめながらそう訊くと、鏡太朗は視線を下げて答えた。
「今回はどんな敵か全然わからなくて、どんな闘いになるか見当もつかない。俺が悪霊の封印を解いてしまったら……、みんなが危険だから……だよね?」
「あーそーだ。おめぇはみんなが危険になったら、後先考えずにお札を剥がしかねねぇからな」
鏡太朗は俯いたまま、黙り込んだ。
その時、もみじの背中から黒い液体のようなものが飛び出して、運転席の背もたれを通り抜けて後部座席の上に広がった。
「ん?」
もみじは何かに気づいてバックミラーを確認したが、バックミラーには変わったものは何も映っていなかった。
「どうしたの、もみじさん?」
鏡太朗は顔を上げて、不思議そうな表情でもみじの横顔を見つめた。
「いや……、一瞬何かの違和感を感じたんだが……、気のせいだったみてーだ」
もみじが運転するSUV車はスロープを下り切り、公道を走り出した。
『さすがもみじ! 気配を完全に消していたはずなのに、相変わらず鋭いわね』
クロリリィは黒い液体のような状態のまま、後部座席の上に広がっていた。
『そ、そんなことより、何なのこのシチュエーションはーっ? 一ミリも男にモテなくて生涯お一人様人生まっしぐらのもみじが、男の子と二人でドライブしてるなんて、こんなあり得ないことが起こるなんて、これは世界の終わりの前兆に違いないわあああああああーっ! し、しかも、この男の子、めっちゃ若い……ってゆーか、まだ子どもじゃない! ま、まさか、もみじったら、全く男に相手にされないからって、こんな子どもに手を出したっていうのおおおおおおーっ? そもそも、顔はキレイなのに未来永劫男に縁がないことだけがもみじの売りなのに、これはもみじのアイデンティティーの危機だわ! これは一大事よーっ! もみじ、安心して! あたしがあなたのキャラクターを守り抜いてあげる!』
もみじは運転しながら、鏡太朗に言った。
「それから、近い内に悪魔がおめぇを襲うことになる。いつもおめぇのそばにいてやることはできねーが、時々現世之可我見でおめぇのことを見ててやるからな」
もみじの言葉を聞いた鏡太朗は、見る見る顔を赤らめていき、動揺しながらもみじに向かって叫んだ。
「も、も、もみじさん! き、昨日はあんなこと言ってたけど、ま、ま、まさか、俺のプライベートを、の、覗いているんじゃあーっ?」
もみじも顔を真っ赤にして、鏡太朗に叫んだ。
「あ、あ、あたしがそんなことするかーっ! か、仮におめぇの何か恥ずかしいところを見たとしても、あ、あたしは全然気にしねーから安心しろ」
「俺が気にするのーっ! ま、まさか、すでに何かを見てるんじゃあ……」
「まだ何も見てねーっ! い、いや、そんな問題じゃねーっ! おめぇのことを心配して言ってるのに、いい加減にしろーっ、鏡太朗ーっ!」
後部座席の上に広がっている黒い液体のような状態のクロリリィが、鏡太朗ともみじのやり取りに聞き耳を立てていた。
『この二人、めっちゃ仲がいいじゃないーっ! これは何とかしなくちゃーっ! ん? もみじは、今この男の子を『鏡太朗』って呼んだわよね。鏡太朗……、鏡太朗……。どこかで聞いたことがある名前のような気がするわね〜。しかも、つい最近のような気がする。う〜ん、う〜ん……。あ、そーか、わかった!』
クロリリィは何かに思い至った。
『これはきっと気のせいね! 気のせい、気のせい』
コアちゃんが地上三十メートルの高さで、国道の上をゆっくり飛んでいた。その右腕にはまふゆ、左腕にはナツを抱えており、背中にはさくらと來華がしがみついていた。
さくらがコアちゃんに向かって指示を出した。
「コアちゃん、国道に沿って箒で掃くように、東から西に進んで、その後は西から東に折り返すことを繰り返して、ゆっくりとくまなく町の南側の上を飛んでね」
「ぎゃはははーっ! さくら、お安い御用だぜ! このコアちゃん様に任せろ!」
來華は、呆然として眼下の光景を眺めていた。
「国道にも、その周辺の道路にも、並んでいる店にも、動く車や人の姿が全く見当たらないんじゃ。まるで、世界からわしら以外誰もいなくなったみたいじゃ」
その時、国道の東側から一台の大型トラックが走ってきて、それを見つけたさくらは歓喜の声を上げた。
「トラックだ! 動いている人がいるんだよ!」
しかし、來華は険しい顔で答えた。
「いや、さくら、あれはナンバープレートを見ると、長距離トラックじゃ。町の外からやって来たんじゃ」
「ライちゃんって相変わらず凄い視力……。あたしの目じゃあナンバープレートの文字なんて読めないよ……」
大型トラックは、そのまま西に向かって国道を走り去っていった。
まふゆはコアちゃんの右腕に抱えられながら、意識を集中して地表の状況を探っていた。
『もみじさんの言う通り、住宅の中からは穏やかな霊力を感じるし、町全体から弱い魔力を感じるけど、強い魔力は感じられない。魔物は一体どこにいるのーっ?』
コアちゃんの左腕に抱えられたナツは、眉間にシワを寄せて険しい表情で地表を見つめていた。
『どこだ? 魔物はどこにいる? その魔物は、俺が絶対に倒してやる!』
その時、ナツの左腕がピクンと動き、ナツはハッとして右手で左腕を押さえた。
『客観的に考えて、俺の心の中には、魔物への復讐心と怒りの感情が消え去ることなく残っている……。俺の心に咒靈力が満ちてくると、あいつが再び俺を支配する……』
ナツの脳裏に、咒いの淚尽の残忍で冷酷な笑みを浮かべる姿がよぎった。
『そうだ! 魔物を倒そうと考えるから復讐心が蘇るんだ! 魔物を倒すためじゃなく、誰かを守るために闘うんだ! 町の住民を助けることが俺たちの目的で、魔物を倒すことはそのための手段に過ぎないんだ! 魔物と闘っている間もずっとそんな思いでいられたら、きっと咒靈力を克服できるはずだ!』
ナツは右手で強く左腕を掴みながら、意識を集中して地表を見つめた。
さくらは、まふゆとナツの後頭部を見つめながら考えていた。
『まふゆさんとナツさんには、魔力や呪いの力を感じ取る力がある。ライちゃんはとても直感が鋭くて目がいい。魔力や呪いの力をあまり感じなくて、視力も普通のあたしは、きっと役立たずだよね……』
さくらは寂しそうな表情を見せたが、すぐに気を取り直した。
『ううん! そうじゃない! コアちゃんに指示してみんなをサポートできるのはあたしだけだ! あたしはあたしにできることで、みんなと一緒にこの町の人たちを助けるんだ!』
コアちゃんは、町の上空をゆっくりと飛び続けた。
もみじが運転するSUV車は、一面に畑が広がり、農家の家屋や納屋が点在する郊外の道路を走行していた。
もみじが助手席の鏡太朗に向かって言った。
「よし、あたしたちは町の外れから町の真ん中の国道に向かって、町の東の端から西の端まで大きく蛇行して進んでいくぜ」
「町の郊外でも、やっぱり人も車も見かけないね、もみじさん」
後部座席の上の黒い液体のような状態のクロリリィは、鏡太朗の言葉に反応していた。
『も、『もみじさん』ーっ? 名字じゃなく下の名前で呼び合うなんて、この二人、めっちゃ親しいんじゃないーっ? ……って、も、も、も、もしかして、この二人はもう付き合ってるのかしらあああああああああああーっ? こ、これは一大事だわーっ! もみじに彼氏ができちゃったら、もみじがもみじでなくなっちゃう! これはもみじの存在意義の危機よ! 今すぐに別れさせなくちゃ!』
「鏡太朗、すげぇ強い魔力を感じるぞ!」
もみじが車を運転しながら叫び声を上げ、それを聞いたクロリリィは驚愕した。
『もみじったら、『鏡太朗、すげぇ強い魅力を感じるぞ!』ですってえええーっ? もみじの口から出た言葉とは思えないわ! 待ってて、もみじ! すぐにあたしが正気を取り戻させてあげる!』
鏡太朗は、緊張と不安が入り混じった顔でもみじに答えた。
「もみじさん、俺も感じるよ。魔物はあの廃校の中だね……?」
もみじが運転する車の前方には、学校の統廃合で廃墟になった小学校の校舎が見えていた。古い鉄筋コンクリート造二階建ての校舎は、樹木に囲まれた敷地の中でグラウンドの奥に位置しており、一階部分の全ての窓には防犯のためのベニヤ板が打ち付けられていた。
「確かあの校舎は元々小学校だったが、二十年以上前に廃校になったはずだな。よし、あの中を調べるぞ。この魔力の大きさ……、相当強い魔物と見て間違いねぇーぞ! 鏡太朗、めっちゃ注意しろ!」
『もみじったら、『鏡太朗、めっちゃチューをしろ!』ですってえええええーっ? も、もみじ、あなたって心が壊れちゃったの? わかったわ、もみじ! あなたは今、病気にかかってるのよ! すぐにあたしが目を覚まさせてあげるわ!』
もみじのSUV車は廃校の玄関の前方に停車し、もみじと鏡太朗は車を降りた。二人は強い緊張を覚えながら、目の前の二階建ての校舎を見上げた。
その時、黒い液体のような状態のクロリリィがSUV車のルーフを通り抜けて上昇し、地上二十メートルの位置で滞空すると、クロリリィの姿に変わった。クロリリィは宙に浮かんだまま、鏡太朗を見下ろした。
「鏡太朗って言ったわね。もみじのパーソナリティを守るために、あなたには運命の選択をしてもらうわよ。もみじがもみじであり続けるためには、もみじには一ミリだって男っ気があっちゃいけないんだから!」
ニヤリと笑ったクロリリィの目には、冷たい光が宿っていた。




