異世界転生よりも憑依って広告スキップ感あってお手軽でいいよね
お久しぶりの新作です。遅筆な作者ですが、1週間1話は最低でも更新しようと思っています。できれば。。。みなさんお疲れの月曜日に更新させて頂きます!
異世界に転生した。いや!? 憑依した! そう・・・。とうとうおれも人外デビューをしてしまったのだ。憑依先はスライムでもなく、イケメン騎士でも悪役令嬢でもなかった。確かにここは剣や魔法ありのファンタジー世界ではあるのだ。そこは全力で肯定させてくれ。
問題はそうじゃない。そうじゃないんだ。おれはどうやら星になってしまったらしい。そんでもって降り立った地は魔族も人類も絶滅しかかっているデストピアである。(一応ファンタジー世界)
具現化っていうのかな? すまない・・・。物理とか怪奇現象とか考察系得意な方なら今の状況を説明できるのかもしれない。だが、なんと言えばよいのどうかおれには詳しく説明ができそうもない。おれは星であるのに人型でひととしてこの世界に転移してきた。
つまりこのおれの立ち姿の頭部に当たると思われる部分には、あの伝説級の凶悪さを誇る邪龍も生息していて、今日も元気に惑星を破戒しまくっている。ああ。。。頭が痛いぜ。(鏡でみたらちゃんと頭がありちゃんと人型なんだが。。。高次元に視点を切り替え見ていくとなんだが惑星のようなボヤっとした空間がぼやけて凝縮せれているのが分かると思う。どちらも真の姿なのがおれにとって頭が痛いところ)
まずい。まずは自己紹介からだよな。だがおれの前世は社畜で過労死しそうでしなかった、死んだ眼が鏡によく似あっていた、ピンポーン。そいつがおれである。(前世振り返り終わり。)
身体に力がみなぎってきた。ブブン(システム音がとつぜん響いた)【星に憑依したことを記念し、あなたに特別な教えを授けます】走りだしてファンタジー世界を放浪したい気分だったが、おれはグッとこらえて耳を傾ける。一時の感情に身を任せるのは若輩者の悪いところである。
【1:皆殺しにしてやるぜヒャッハー♪】バイブスが1上昇します。他にも為になる教えを聞きますか➡Yes/No
当然Yes一択である。だがなぜか。なぜこうも期待感がないのだろうか。
【2:ぶちかましてやるぜ!】威圧度が1上昇します。
「・・・。」
なにもなかった。そう。ファンタジー世界でシステム音とか存在するはずがないだろう。そうだ。なにを勘違いしてしまっていたのか。この熱くたぎる想いを世界に解き放とうではないか。困ったときは内を見返し冷静な判断をせねばならないではないか。つまり・・・。そういうことだ。
おれはなんとか実態化しておれのおれに降り立った。すまない。伝える努力が足りなかったな。なんとか人型になり、おれの惑星に降り立った。あのデストピアの身体には高次元の防御結界をはっておいたので身の危険はないので心配してくれなくても大丈夫なのだ。
シュタッ//// ここがおれの惑星か。かなり雄大で素敵な星である。ふむふむ。まずはおれの最近の頭痛の原因であった邪龍の生息地へと足をのばした。もちろんおれの意識の世界(おれ視点で見るとそんな感じにも思えてきた)だからもちろん瞬間移動である。
悪い子はいねっか!おれは【怒りの星拳】で邪龍たち(んん?たちってなんか違和感ある)をオシオキしに背後から近づいていったのだが、なんとおれ(エベレスト山のような)を殴ってこわしているのが、邪龍の中の一番年少の赤ちゃん龍であった。素手で山の半分を殴り続けなんと既に半壊させていた。
よし。おれは話かける前に誓った。すごく低姿勢を心掛けていこうと。オシオキなんておれの全力をもってしても難しいだろう。命がいくつあっても足りそうにないんだもの。
「あのぉ。。。そちらの類まれなる荘厳な邪龍の皆さまがた。どうして山破戒を喜び勇んでしてしまうのでしょうか。。山いくつか残していた方が景色映えませんか?」
「ふむ・・・。そうだのう。確かに一理あるが。人間よ。安心するがよい。我らは山が壊れることなど微塵もを気にしない。なぜならば・・・。直せるからだ。ほれっ。」
何やら瞬時に山が元通りになっていく。これってなんて現象なんだろう。創造???
「わーい♪もっと山を壊してやれるぜ!ヒャッハー!」
嬉々として振るわれた龍爪の一撃が山を数百メートル破壊した。
「すっげえええええ。なんてことなんだ。」
「ふ・・・。青いな人間の小童よ。我らは最強の一族の一種。暗黒龍もとい世間一般には邪龍なるぞ。気が向けばこの星を核ごと破壊できる強者が60名はいるぞ。伊達に戦闘種族トップではないのだ。」
先ほど近づいたときに感じた違和感はこれだったのだ。一体一体があまりにも強大な力を秘めており、おれの先ほど感じていた万能感はただの一瞬にして冷めてしまい、己の弱さに震えてしまっていたのだから。
「強きそして海の神秘や空の深さを知り尽くす聡明な方々よ。。。どうか弱小で矮小なる我が身にご教授いただけないだろうか。この惑星を単体で破壊できる強者はこの星にあなた様がたを数えあげずにどれくらいいるのだろうか。」
「ここ数百年の推移で見ていくと、だいたい180名前後であろうな。その3分の1が我が種族であるのが我らの誇りだ。だが他の種族もなかなかに侮れん。魔人族最強の漢17代肯定ネロや、人類の今最も栄えている東西聖教共和国の勇者アレクサンダーなどは我らに匹敵するであろうな。他ほまあ特に言及するほどでもないな。星一つ破壊できるのがせいいっぱいであろう。」
おれ・・・。ワカンナイ。強さ的にも神格的にもおれ下級神くらいの力はあるのよ。でもさ、惑星の戦闘力数多る全世界ランキング堂々の一位がなぜかおれの星が存在する世界でその戦闘力平均値を堂々とあげている特異点の星がおれの星だったわけ。
おれは先ほど脳内から抹消していた二節を思い出していた。
【1:皆殺しにしてやるぜヒャッハー♪】
【2:ぶちかましてやるぜ!】
つぶらな瞳の数百歳児の龍の赤ちゃんにもその矜持が受け継がれているのだ。なんてことなんだ。おっそろしいな。おれの星。頼むからうっかり壊さないでもとい殺さないで欲しい。
システム。頼む。。。彼らの矜持の最終章までおれの耳がつぶれるまで復唱してくれ。
【了解。良い心掛けです】
【3:ざまあねえなあ!お前ら死んだぜ!】
【以上。心して覚えておくように。せいぜい惑星を破壊されないように彼らの機嫌をとっておくのを推奨。】
の////脳筋である。。。なんてことなんだよホントにもう勘弁してくれ。よく見たらこの世界そうとう文明進んでいるんだよなあ。科学技術ではなく魔道技術25世紀っていうくらには。
なおさらなんでこんなに発展してるのこの世界。こんなに脳筋しか住んでないくせに!ほら!そこ!路地裏でまたキャンディーペロってた可愛いらしきお嬢さまが(縦ロール)ぶっ殺してやるぜヒャッハーっていった!言っちゃいけないこといった!
目をつぶる。この世界で誰かが叫んでいるんだ。誰もかれもが脳筋だ。おれには見えてるからなあ!聞こえているからなあああ!
おれの心無い声も出ない叫びが世界を木霊した。
「ーーーーーーッーーーッーーーーーーーー‼”””@‘#-------!!!!!!!!!!
とんとんと邪龍一族の長に肩をつつかれた。おれの肩の骨が恐怖に悲鳴をあげていた気がしてそっと無事を祈った。
「人間よ・・・。お茶飲んでいきませぬか。」
「あ、これはどうもご親切に。ではご厚意に甘えさせて頂きたいと思います。」
邪龍一族とおれはそのままお茶をしたのだった。
読んでくれてありがとう♪




