14話 主人公が覚醒する時みたいな精神世界
14話主人公が覚醒する時みたいな精神世界
看破スキルだろうか体に不快感が襲うが直ぐに無くなった。黒騎士が歩きながら言う。
「嘘だろ俺の看破弾きやがった…ほんとなんなんだよお前」
狙撃銃に持ち替えて発砲。頭に当たったが弾かれた。即死は効かないと言っていたがそもそもヘッドショットが発動しているかも怪しい。だって弾かれてるし。
「だから即死は効かねぇて言ってんだろ! 【アクセル】!」
そう言いながら突っ込んできた。AGI強化のスキルか、シンプルに踏み込みの力あげる感じかな?普通なら今までの速度差で戸惑う物なのだろうが私は普通に対応できる。そして私は速ければ速いほど何故かパリィがしやすいタイプのプレイヤーだ。
私は一瞬でウィンドウを操作して装備を交換。流弾の篭手を装備して横薙ぎの一撃をパリィ。弾くようにしたので大きく仰け反った。
「うぉっ!?」
その隙に大剣に持ち替え斬り上げ。すぐさま右に駆け出し離脱。
「ちょこまかと!純粋に斬り合いはできんのか!」
出来るけどめんどくさい。何故わざわざ相手の得意に付き合わなきゃなのか。
壁を蹴り接近ハンマーに持ち替えて背中に1発。着地と同時に横に転がり短剣を持ち足を斬る。
「ちぃっ!この野郎!」
「私は女ですぅ~」
私を蹴りあげようと足にしがみついて短剣を顔に投げつけた。
「【火炎斬り】っ!」
おお!?足にしがみついてる私にそんなスキルを!?
振り下ろしに合わせてそっと足から降りた。
「あががっ……」
いやうんそうなるよね馬鹿なんじゃないの?
「【急所斬り】」
痛みで怯んでる所に首に斬りかかった。
いい感じに入ったのだがあまりダメージを与えてるようには見えない。長引きそうだなー。
すぐに起き上がった黒騎士がゆっくりと剣を掲げた。大技か?
「俺のパッシブでな不屈の精神というスキルを持っててな10秒間にHPが1000回復するんだ」
おっと私殺しのスキルじゃあないか時間かけても全快されるかもしれんとか
「今まででお前さんが与えたダメージは1200」
ん?超えてるじゃん結構やれそう。
ちなみに今の会話パートでも投げナイフを投げ続けているので全快はさせない。てかなぜそれを教えてくるんだ?なにかある?なんか能力の説明が能力発動の条件とか?よくあるものだけど剣を掲げてるのは関係ないよね?そのスキルと。
「お前たちは制限時間があると聞いている。このままやればそちらの時間切れで終わるだろう。時間を無駄にするのもあれだ……サレンダーをおすすめする」
ああ、そういう。めんどくさくなったなこいつ?
「この戦闘密度以上で、私は過去に別のゲーー……世界で、24時間まるまる戦った事がある」
私はできる限り満面の笑みで言う
「私の最高ログイン時間は48時間。まぁ何もしなければだけど」
私はフルダイブ適正が高いみたいでほんとに何もしなければ2日まるまるログイン出来たんだよね。適正無い人は3時間でも強制ログアウトさせられるらしいよ。
「貴方はこれ以上の戦闘を1日出来るかな?出来ないならサレンダーをおすすめするよ。騎士として体力切れで倒させるのはプライドが許さないでしょ?」
「【プライマルスラッシュ】」
白く光った剣を振り下ろしてきたけど普通に横に交わす。おぉ……壁まで届いてる……こわ。
私は一瞬で距離を詰めやっと兜を弾き飛ばすことが出来た。
「っ!?今のも避けるか!」
おぉイケおじ。顔の傷もいいアクセントになっている。あ、兜はアイテムボックスに突っ込んでおこう。
「あ、おい流石にそれは良くない返せ」
アイテムボックスにしまったところ見た黒騎士がほざくが知らぬ。
「ドロップアイテムは拾った人の物よもうこれは私の物」
後でステータス確認しよう。そして狙撃銃を出して頭を撃ち抜いた。
「……」
「……」
ほんとに即死は効かないみたい。
「即死は効かねぇつっただろうが!【フルアクセル】っ!」
一瞬で距離を詰めてきた黒騎士だが攻撃の瞬間は一度止まるのだろう。斜めに振り下ろしてくるのを確認した。それを流弾の篭手で受け流して狙撃銃を片手剣に持ち替えて斬りつける。
「【アクセル】【疾風斬り】」
私が離した距離をまた詰めてきて目に見えない程早い攻撃をしてきた。それをバックステップで回避してやり返そうとしたらーー
「そこだぁぁぁああ!」
無理な姿勢、無茶な攻撃。触れるだけでいい撫でるだけでいい。当てるだけでいい。そんな攻撃をしてきた。
完全に不意をつかれ、避けようにも避けれない。
黒騎士の突きが私の体に命中。壁まで吹っ飛び私は状態気絶を食らった。
奇跡的にHPは残っているが動けない。流石に起き上がるまでは待ってくれないだろう。
ゆっくりと近づいてくる黒騎士を眺めながら私は気を失った。
そして私は目を開ける。広がるのは闇。一本道で所々に扉があり表札が掲げられている。
1番近いところでは殺意。その向かいには怒り。その横には悲しみ。殺意の横には本能。と感情やらなんやらの扉がある。そうここは私の心の中。精神世界。漫画とかである主人公が覚醒する時によくこんな演出みたいな感じだ。
「なぜゲームなのにここに来れるんだ?あくまで気絶はシステム処理。ほんとに気を失ってる訳では無いのに」
なぜここに来れたのだろう。ゲームをしていてここに来れたことは無い。リアルで寝てる時や気を失った時とか基本的に意識がない時にここに来る。フルダイブのゲームは意識はあるんだ。ここに来ることは無いはず。
ポチポチ歩いていると普段見かけない扉があった。
神ノ目。その横には第六感の扉。普段こんな扉はなかった。そしてとてつもなく見覚えがある。
「スキル……か?なぜこの扉が?」
ひとまず入る事にした。神ノ目のドアノブを捻り引く。中には本がぎっしりと詰まった本棚が無数にあった。明らかに空間がおかしい。
「おや、こんなに早くここに来るなんて。そんなに追い込まれているのかな?」
読んでいた本をパタンと閉じて言った。神官服のようなものを着た白髪のショートカットのイケメンくん。身長は私より少し高いぐらい。目元はやわらかく。何となく悪い奴ではない。そんな感想が出るような雰囲気を持っている。それは……邪悪な人間が持つ物だ。
「だれ?貴方は、何故ここにいる?」
「ふふ、そうだね、君は分からないよね。普通はここに来るのもだいぶ難しいはずなのに。何故こんなに簡単に来れているのかが分からないけど」
「初めまして僕はクノン。神ノ目クノン。ただ色んな世界を見たいそんな小さな想いが死後意思あるスキルとして存在するようになった。それが僕。これからよろしく。アリス」
見惚れるような笑顔を見せたクノン。久しぶりに私の勘は外れたみたいだった。




