10話 初めてのパーティ戦
10話
昨晩はお楽しみでしたね★
てことで翌日。昨日助けてくれたプレイヤーイクトに呼ばれ第1層の階層ボス前に来ている。
階層ボスは繰り返し戦える見たいで。初級、中級、上級、オリジナルと難易度に分かれている。まぁオリジナルの方が報酬は美味しいが調整されていない階層ボスと戦うので、まず勝てない見たい。そりゃあ1年倒せてないもんね。昨日今日で勝てるはずもなく。
てことでソロで突破している私にオリジナルの討伐キャリーをお願いしたいと言われた。まぁそのうち周る予定だったので引き受けた次第なのだが。
「えーこれがイクトの初めての人ー?」
「バカっ!でけー声で言うな!」
「私たちがいると言うのに……」
「やめてそんな目で俺を見ないで……」
こいつハーレムパーティなんだよね。しかもリアルでの付き合い見たいに見える。殺そうかな?
「ひ、ひとまず自己紹介しようか!こいつはアンうちのタンクだ」
「アンでーすよろしくね!」
茶髪のショートカットで、多分そこまでいじっては無いのだろうなとわかる顔をしているので、リアルモジュールなのだろう。多分この3人はあまりキャラクリをしてないんだろうな。リアルの美男美女ハーレムか死ね。
「こっちがメグメクリで、こんな重装備だけと後衛だよ」
「メグメグリです自衛できるので私の事は固定砲台と思って頂いて大丈夫です」
青髪ロングで、タレ目なのにキリッと睨んでくる器用なやつだなぁ。そんな邪険にするものなのかな?一晩だけじゃんね。
「アリスです回避タンク?になるのかな、火力には期待しないでください」
私は声のトーンを落とし大人しめの印象を与えるように言った。
「ひとまず行きましょうか正直ここのボスは動き遅いのでのんびり出来ますよ。戦闘はそちらのいつも通りでお願いします私はできる限りタゲ引くように動くので。あ、あと攻撃箇所は関節部分をお願いします。部位破壊があるので」
一通り指示を出して階層ボスの扉を開く。後ろから2人のガヤガヤが聞こえるけど無視する。
扉が開くのと同時に自在槍を投擲。ボスの目の部分に当たるように攻撃をする。
「お、珍しい武器を使うんだね。それ何故か動かせなくて使えないんだけど……」
普通に使えるけどね?自在とまでは行かないけど投げやり的には使えるけどね?
ひとまずボスに接近するために地を蹴った。AGI200は伊達じゃない!あっという間に懐に入れた。
「はっや!?なにあれ!?」
ひとまず右足に片手剣を叩き込んでそのまま駆け抜ける。ボスは何故かたじろいでいたけど足を上げ踏みつけようとしてくるが、そんなゆっくりな攻撃当たるはずがない。
「ひ、ひとまず俺達も行くぞ強化魔法を!」
やっとイクト達が動き始めた。その頃にはもう私は10は攻撃している。こんなに攻撃当てたのにダメージは100なのしょぼい。強化とか出来るのかな?
バフされたイクトたちも前線に合流。私は攻撃をイクト達に行かないように動きながら攻撃。
「【パワースラッシュ】!【ブレイク】!」
イクトのスキル。だがパワースラッシュの方はダメージが無さそうに見えて、ブレイクの方は少し傷がついていた。やはりアダマンタイトは硬いのだろう。
「っつ!相変わらず硬いな。これどう倒したんだよ……」
「魔法行きますよ!」
スキルでのチャージを終えたメグメグリが魔法攻撃の合図を出したので一旦私は上に逃げ避難。
「【ブラストバーン】っ!!」
ボスの足元から火の柱が上がった。私はギリギリそれを回避してイクトのそばまで下がる。
「そんな範囲あるなら最初から言って欲しかったかな」
私はイクトに小言を言った。危なくフレンドリーファイアで死ぬとこだった。
「いや、まぁあの速さなら大丈夫かなって。まさか上に逃げるとは思わなかったけど」
「すみません……」
メグメグリが申し訳なさそうに謝罪をした。まぁ私が今回部外者だしタンクロール被ってるしで仕方がない。
「いや謝らなくていいよひとまずこの調子で行こう。基本的に向こうの攻撃は喰らわないでしょ?」
あまりダメージを受けて無さそうなボスに向かって私は駆け出す。壁を走り自在槍を投擲。腕に引っ掛けて自分自身を引っ張る。体をひねり慣性乗った攻撃を繰り出すも硬すぎて弾かれる。ただ保証ダメージがあるので無駄ではない。
こちらを無視してボスがメグメグリに向けて腕を振り上げた。その間にアンが入り盾を構える。
「【パリィ】!」
振り下ろされた腕がガキンとイナズマみたいなエフェクトが出て弾かれた。パリィスキルかいいな私も欲しい。
パリィで隙が出来たから全員で総攻撃。立ち直ったボスが手を地面に置いた確か魔法攻撃だったはず。
地面がボコボコ揺れて棘みたいなものが飛び出してくる。それを私はジャンプで回避、棘の先を蹴ってさらに跳躍。下を見るとアンが大盾を下に構えて吹き飛ばされて、メグメグリは貫かれて、イクトが隙間に挟まって逃れていた。何してんの?
私はそれらを無視してボスに接近。また右足を攻撃してりだーつ。
回復を終えたメグメグリが普通の魔法スキルを使っている。あの大技はクールタイムあるのかな?
~少女達戦闘中~
あれから3時間が経過しました。
右足を何とか落としてバランスが不安定なボスを眺めて私は言った。
「おかしい純粋な火力4倍はあるのに私一人の時とさほど火力変わってない気がする。というか1人の時よりも遅くまである」
ソロで行った時も3時間ぐらいで右足を破壊した気がする。流石にバラけるとはいえ4人で攻撃しているのにおかしい。
「私の魔法が効いているようには見えませんでした」
「俺もほとんどダメージを与えられているようには感じなかったな、ブレイクは多少通ってそうな感じはしたが」
2人の攻撃もダメージは低そうだった。私も保証ダメージで10だし。……あ
「【神ノ目】」
ステータス見ればいいじゃん私天才。こんな有能なスキルあるのに使わないなんて。
アダマンタイトゴーレム
HP:3000
MP:3000
STR:5000
VIT:10000
AGI:20
INT:10
DEX:5
LUK:0
アクティブスキル
【ストンホール】
【自己再生】
神ノ目で見たステータスを2人に伝える。
「えぇ……」
VITが1万という頭おかしい数値が出ている。そりゃあみな倒せないよ。貫通とかそれこそ保証ダメージ付きの武器じゃないと。
「ブレイクは通っていたと思うけど。あれは貫通攻撃なの?」
「あぁ、スキル発動後の攻撃に貫通を付与するスキル。ただ素のSTRでの参照ダメージになるらしくてスキルでSTRあげてもダメージが伸びないの難点でね。だからかなあまりダメージが通ってなかったのは」
「私は何も出来てないよー」
アンは槍でチクチクしていたが明らかに弾かれていた。見たところ初心者の槍じゃあ無さそうだし保証ダメージはついてなさそうかな?あれ初心者装備限定ぽい気がする。
「そういうアリスはどう倒したんだ?アンと同じく弾かれてダメージを与えれてる様には見えなかったけど」
当然の疑問をイクトは投げかけて来た。まぁ仕方ない初期装備をずっと使ってるとは思うまい。
「私は初心者の剣を使って保証ダメージを与えてるよ。1発10ダメージだからカスダメだけど」
そういうとやっぱり3人は驚いた顔をしていた。
「え、初期装備……?」
「HP3000ありましたよね?てことは300回?」
「これは貫通とか初期装備での攻略になるんだろうねこれはみんな持ってる?」
アンとメグメグリは頷き初心者シリーズを装備した。
槍と大盾は変わらず。メグメグリは大槌を装備している。
「てことはもう手数でごり押すしかない感じかな?自己再生というスキルも持っているみたいだし」
「そうだね私はひたすら6時間ぺちぺちして倒したから」
3人は死んだような顔をした。
各々武器を構えて右手で体を支えているアダマンタイトに突撃した。もうろくに攻撃は出来ず、できてもストンホールというアクティブスキルだけ。腕の振り下ろしも下手にするとバランスを崩すだろうし使ってこないだろう。前回と違い右手で支えるという行動をしているのでやはりこいつ中の人いるだろ。
~少女達ぺちぺち中~
アダマンタイトゴーレムが地に倒れ少し揺れる。
左手を残すのみになった階層ボスさんは悔しそうに地面を叩いている。初期装備を装備したらあっという間に右手、左足を破壊しもう勝負は決まったも同然。
神ノ目でMPが無いことも確認済みなのでスキルでの攻撃の心配もなく、自己再生も出来ない。勝ち確!
私は前回同様階層ボスさんの目?の前に移動して屈伸煽りをする。悔しかろう悔しかろうへへへ。
「ねぇイクトあれ何してるの?」
「アン……あれは見なくていい知らなくていい。悪い文化だよ」
「煽りカス……」
うるせぇなぁ。まぁいいや。
一通り煽り終えたのでサクッとトドメをさしてボス戦終わり。中央の宝箱開けて、地面に魔法陣が現れた魔方陣を踏み第2層へ。
「いやー皆お疲れ様!無事オリジナルを倒し、素材も入手できた!これもアリスのおかげだありがとう!」
今私たちは2層の飲食店に来て打ち上げを行っている。約4時間の戦闘でみなかなり疲れているだろうとイクトがお礼も兼ねて奢ってくれると言うのでついてきた。
「おつかれ~」
「おつかれ様です」
「おつおつ」
今回はアダマンタイト10個でお金は5万。レベルは上がらなかったがまぁお金は美味しい部類なのかな階層ボスだし。
「いやーアリスちゃんびっくりしたよーすっごい速いし自在槍も自由自在に使いこなしてたし。あれどー使うの?」
アンが肩を組み絡んでくる自在槍の使い方がわからないらしい。イクトも使えないとか言ってたな。
「特別な事はしてない。飛ばして引っ掛けたり、とかしかしていない。」
「いやそもそも飛ばすことが出来なくて……」
え?そんな難しいことかな手持ちの所にボタンあるけど……
「また今度教えてあげる。」
こういった交流は大事だと思うから、ほどほどに付き合いをしておこう。てかVRMMOなんだから交流していかないと。
色々話した後フレンド申請して解散した。
パーティもいいなぁ。




