冬に生まれたボクと夏に生まれた君
ボクは冬に生まれた子どもだったので
心が氷みたいに凍ってしまったのです
ひとは1日のおわりにユメをみます
でも
みんなが はやく おやすみって
しなくなっちゃったから…
だから
ボクはみんなとあそべなくなっちゃったんだ…
ある日のユメのなかの話です
お空の上には ねむりについた子どもたちがやってきます
けれど さいきんは遅い時間にならないと
みんながやってこなくなってしまいました
「こんにちは」
ようやく空の上に子どもがやってきました
「こんばんわ、今日は遅かったね」
「新しく買ってもらったゲームがなかなか終わらなくて、眠るの遅くなっちゃった」
そう みんなゲームをしたり液晶画面を眺めてばかりで 眠らなくなってしまったのです
「今日は何して遊ぶ?」
「うーん……なんだろう」
ボクは眠りがさめて みんなが外の世界へかえっていくことを知っています
たのしい時間は どんどんすぎていきます
「あ、朝になったから学校へいかなくちゃ」
ユウキくんが帰るしたくを始めます
「また、会える?」
「今度は昼間にも遊ぼうよ!」
「…それは、できないんだ」
ミノルくんは悲しそうに言いました
ある日のことです
ユウキくんは
おばあちゃんの病院のおみまいに来ました
今日はおばあちゃんが退院する日です
たいいんっていうのは
からだが元気になって病院にいなくてもよくなることなんだって
ユウキくんはその病院でミノルくんの病室をみつけます
「ミノルくんっていつも夢の中で遊んでいるミノルくんかな?」
その部屋にこっそりしのびこむと
ミノルくんにはたくさんのチューブがつながっていました
「こんにちは!」
ユウキくんはユメの中と同じよう声をかけます
ミノルくんに話しかけても
ミノルくんはずっと起きないままです
ユウキくんはおばあちゃんのところへ走ります
「おばあちゃん!おばあちゃんにもってきた
お花を一本だけちょうだい?」
「大丈夫!ミノルくんも元気になるよ」
だって おばあちゃんにお花もってきたら
どんどん元気になったもん
「だから 大丈夫
今度は昼間にも元気よく遊ぼうね」
ボクの凍ってしまった心は
夏に生まれたカレの温かい魔法によって
解かれてしまった
だから ボクはようやく病室のベッドから
起き上がることができたんだ
「ねぇ、今日はなにをしてあそぶ?」




