化粧
“月曜真っ黒シリーズ”初のエッセイ!!
エロ要素は皆無です(*^^)v
洗顔の後、ハトムギで保湿はするがベースメイクなぞする事も無く、いきなりアイブロウペンシルに手を伸ばす。
この胸と同じくらい薄く貧相な眉を描き足す為だ。
胸の方は今更盛っても何の役にも立たないが、眉の方は仕事に於ける“圧し活”には有効だ。
私のメイクはこれで終了!!
メイクに莫大なエネルギーを費やす妹“しろかえで”の前では口が裂けても言えないが、美醜の枠を越えてしまえば人の顔なんて単なるコミュニケーションツール!
“へのへのもへじ”ならぬ顔文字が多彩な意味を伝えられるのと同じ事だ。
それにはブルベやイエベなんて関係は無い!!
現に仕事先で棲息するオヤジどもは若い女の子の美醜には興味がおありの様だが自らの顔には全くもって無関心!
それでもまあ、世の中は回っているわけで、私自身もそんな感じだ。
ただ、そう言い切れるのは私の顔に“イレギュラーな要素”が無く、余計な視線を集める事も無いからで……これは実は大変幸福な事なのだ。
“その事”で大変苦労している人間が身内に居ると痛いほどそれを感じてしまうのだが、こんな状況で無かったならこの“幸福”を気にも留めないのだろう……人とは概してそう言うものだ。
そんな事を考えながら朝の通勤電車に乗っていると、今日が夏休み明けの初日なのだろうか……まだ“整っていない”コが斜め前のシートの隙間に勢いよくそのお尻を捻じ込んで来た。
多分、急ぎ足で電車に乗り込んだのだろう。朝の太陽に焼かれた熱気そのままで湯気がオーラの様に見える気がする。
実際、隣のオジさんはその勢いに押されて広げていた縦四つ折りの新聞をすぼめた。
さて、“ホットなお嬢さん”はトートーからポーチを取り出してその上に拡げ、“造作”を始めた。
一番最初に取り出したのは私にも見覚えがあるウルトラフィットベースのピーチピンク。
どうやら施していたベースメイクの修正から始める様だ。
『人前では恥ずかしくて食事ができない』
こう考える女性は……今の時代、かの『夕鶴』の“つう”ほどの希少種かもしれないが、電車内でのメイクは私にとって同じ様な心持だ。
そもそも何の為にメイクするのか??
あまりにも当たり前の文化と言ってしまえばそれまでなのだが、私だって若い頃はノーメイクなんてあり得なかった。
つまり、自分の顔をいわゆる“顔文字”として用いない場合、それは“外面”として機能する。
私なぞは心が“土留め色”だから、せめて“外面良子”さんにしておかないと立ち行かなかった訳だが、本来的に可愛らしかったり美しかったりするコも大抵はスッピンでは居られない。
なぜ、女子には外面が必要なのか??
男の目から“ミステリアス”のカーテンで隠れたいのか??
美への飽くなき向上心か?
先に述べた様な“文化的”な要因か?
どれもが該当しそうだけど……私にとっては『人前でメイクをするのは恥ずかしい』と感じる心の核にあるものがその要因の様だ。
とすると……今、ほぼノーメイクな私は、自分の“剥き身な部分”を垂れ流しているわけで……自分の書いた物を読み返すと、そのみっともなさが明け透けで『何ともはや!!』である。
さすれば、『公衆の面前で自らにメイクを施すお嬢さんとそのマインドはさほど変わらないのは??』
と、斯様に捻じ曲げた“論法”で自己肯定の座布団をお尻に敷く私は、厚顔無恥のそしりを免れないのだろう。
なぜこんな与太話を1000文字以上も繰り広げたかと言うと、今朝方、夢を見たのだ!
その夢とは……
私が自分のセーラー服の袖口を何とはなしに眺めていると、いきなり背後から声を掛けられた。
「ね!『高校卒業する方への無料メイクアップ講座』ってやるみたいだよ!行く?」
「んー行く行く」
何となく気乗りしないテンションで応えていた夢の中の私を思い返してみて……今の私は、口先だけの反省を述べるどーしよーもないヤツだと改めて自覚したのです(笑)
おしまい
とまあ、書き散らしてしまいました(^^;)
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