悲しい予感
(んーーー…どうしてもそれ以上のことが思い出せない。)
しばらく外を歩きながら、昔の記憶を巡っていた。
「さむっ!」
何も着ずに出できてしまったため、体が冷えてしまった。
(心配させてるだろし、帰らないと…)
血が繋がっていないからなのか、少々私の両親は過保護だ。
足早に家へ帰ると、母や父が心配そうな顔をして待っていた。それから、手紙を私の前に置いた。
「あなたのお姉さんから。」
何が書いてあるのか、姉はどんな人なのか、とても気になったし、この手紙に答えがあるのかもしれない。
だけど、読んでしまったら辛くなるんじゃないか、と何故か怖かった。
「ゆっくりでいいから、読みなね」
「…うん」
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さくらへ
元気にしていますか。
あんなことをしておいて、手紙をあなたに書くことをお許しください。
さくらは生まれたときから、笑顔が素敵で可愛くて元気で、きっと幸せになれると思うんだ。
勝手なお姉ちゃんでごめんね。
さくらを捨てたわけじゃないってことをどうしても伝えたくて。大好きだよ。
あなたのお姉ちゃんにしてくれてありがとう。
鈴より
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「捨てたわけじゃない…?どういうことなの?」
「さくら、あのな。お姉さんは僕達に小さいさくらを引き取って欲しいと頼み込んできたんだ。」
「お母さんはね、さくらの本当のお母さんと親友だったの。それを知ったのか、雨が降っている日にずぶ濡れのお姉さんがやってきたのよ。」
「唯菜が亡くなったことは知っていたし、さくら達のことも知っていたからとても心配していたの。だから、私達が育てようと思ったの。」
「えっでも、お姉ちゃんは?お姉ちゃんはどうしたの、?」
「一緒に住もうと言ったんだけど、もう高校2年生で一人で平気だと言って聞かなかったの。迷惑をかけられないからと、一人帰ってしまったわ。泣きじゃくるあなたに、お迎えに来るからと言って。」
「今、お姉ちゃんはどこにいるの?大丈夫なのかな?会いたい!」
「実はね…」
読んでいただきありがとうございます!