5.町は見つけたのだが…
5.町は見つけたのだが…
「あれは確実に町だな。」
遠くにある町をよく見ると、茶色い乾燥した石の壁に覆われていて、壁の上の方に白色の建物が見える。
「どうしようか?この町にも同じような車があれば問題ないが、もしここが車の無い異世界だったら大騒ぎになるな。」
リョウはそう考え、引き返し、しばらくして町が見えなくなる頃、
巨岩を見つけ、その陰に車を隠すこととした。
「30分くらいの距離かなあ。」
とりあえず、今まで来ていた制服の上着は脱ぎ、白いTシャツになり、
スマホをズボンのポケットに入れる。
そして、伝票を入れている黒い合成皮のバッグを持ち、500mlのペットボトルを1本入れ、町に歩いて向かうことにした。
しばらくして町が見え始め、その町が大きくなり、やがて町の門が見え始める。
その門には警備兵はトーブという中東の様な白いひらひらのアラブ衣装の様なものを着ており、ゴトラという布の帽子もしている。
手には槍と羊皮紙を持ち、町に入ってくる荷物を確認している。
その隣では町に入る者のボディーチェックをしている。
「しまった、言葉は大丈夫かな。中東地域にはいろいろな民族がおり、いろいろな言語があるというが…」
列に並んでいたリョウは町へ入るための審査の順番が来た。
警備兵A「見慣れない種族だがどこのものだ?」
リョウは『わかる、奇跡的にわかる、言葉が、でもなぜ?』と思う。
警備兵の質問にリョウは恐る恐る答える。
リョウ「ニホンジンという民族です。」
警備兵A「ニホンジン?聞いたことがないな、荷物を見せてみろ。」
警備兵に疑われない様、皮のカバンを開ける。
いくつかの紙の伝票とペットボトルに入ったミネラルウォーターがカバンの中から出てきた。
警備兵Aはペットボトルに興味を持った様で、
警備兵A「これは何だ?!」
リョウ「あのーこれは新しいガラス瓶なんです。薄くて軽い新しいガラス瓶を仕入れまして、
この町でも買ってくれないかと、商業組合に行く予定なんです。」
警備兵A「商業組合?」
リョウ「私の部族の町では商業組合と呼んでいるんです。」
警備兵A「ではこの町では商業ギルドだな。売りに行くのならなぜ、
たくさんの新しいガラス瓶の荷物が無い、あと仲間は?」
リョウ「実は盗賊に商隊が襲われまして、かろうじて追い払ったのですが、荷物が崩れ、
私だけ先にサンプルを持ち、商業組…ギルドへ行くところなんです。」
警備兵A「それは大変だったな。行って良い。商業ギルドはこの門の通りを5ブロック行き右側の4階建ての建物だ。」
リョウ「ありがとうございます。」
リョウは無事に町の中に入ることができた。
町の中は表通りは白い土?が塗られた石づくりの建物が碁盤の目の通りに対し建っており、
どの建物も2階から3階の高さである。
行きかう人は皆、中東のアラビア衣装の様な衣装を着ているが、
デザインは差異がある。
道は舗装されておらず、乾いた細かく砕かれた岩が敷き詰められている。
車なんで1台もなく、荷馬車が走っている。
変な格好のリョウが町中を歩いているのが珍しいのか、じろじろ見られている。
「これじゃ昔の中東の町だな。車で来なくて大正解だった。衣装もここのものを買わないとな。」
しばらく歩いていると、警備兵の言っていた4階建ての建物が見えてきた。
「ちょっと取引する商品を購入しないとな。」
リョウは人気のない細い路地に入り、ネット販売から麻袋と、空のペットボトルを購入した。
空のペットボトルを麻袋に入れ、それを担ぎ、表通りに出た。
「よし、商業ギルドに入るぞ。」




