4.ちょっとチートな初戦闘
4.ちょっとチートな初戦闘
スマホの操作を一通り試した後、
人の住む町が近くにないか探してみることにした。
それは、この巨岩の裏の海岸線を走れば、港町が見つかるのではないか?
と考えたからだ。
リョウはさっそく車に乗り込み、巨岩を回り込み、海岸線に出る。
その海岸線を昨日来た方向と逆に走ってみる。
誰もいない広い海岸線がしばらく続く。
「ほんとに何もないなあ。」
いつもの癖か、ハンドル片手にラジオのボリュームをいじるが、
当然ここにはラジオの電波はなく、砂嵐の音だけが、走行中の車の中に鳴り響く。
「この近くに町があれば、ラジオの電波の1つも捕まえられるのになあ。」
少し寂しくなったので、車を少し停め、携帯をいじる。
「よかった、携帯のOSは何か入れ替わったが、
前に入れておいたJazzはそのまま残って聞くことができる。」
スマホと車のオーディオをケーブルでつなぎ、車のスピーカからJazzが聞けるようにする。
「これで良し、と。」
再びリョウは車を走らせる。
5分ほどして、海岸の前から、なにか黒い細長いものが打ち上げられ、
動いているのがわかる。
その得体のしれない何かに車が近づくと大きなナマコ?であるのが分かった。
近くに寄り車を停めると、このナマコは大きく、直径20cm、長さは1メートルぐらいあり、
白い触手を端から出してクネクネと動いているのがわかる。
それが30匹ほどいる。
「気持ち悪いなあ、あの白い触手のもので、攻撃を受けたらいやだな。」
クネクネとだが、こちらに向かってきており、
リョウは車に乗り、転回させ距離を少し話してから、アクセルを踏み込み、
勢い良く、その巨大ナマコにぶつかっていく。車はナマコに乗り上げ、跳ね飛ばし、つぶしていく。
フロントガラスにこの巨大ナマコの体液か、紫色の液と内臓?の切れ端がこびりつく。
それでも、フロントガラスの見えるところを頼りに、30匹ほどのすべての巨大ナマコを倒す。
「これで全部だな。」
車の前を見るとフロントがナマコの体液と内臓、破れた皮でぐちゃぐちゃにこびりついている。
「車が錆びるのが嫌だし、生臭い匂いもたまらないので、早く落とさなければ。」
リョウはスマホを取り出し、1Lのペットボトルミネラルウォーター6本セット1箱を買う。
「おっ?」
使用可能金額が5000円と表示されていた。
「レベルが上がったのか?」
スマホの購入画面をいったん閉じ、個人IDの表示画面を開き確認したところ、
確かにLV5に上がっていた。
注意メッセージのところに、「オートコレクトLV1習得」の案内がされていた。
オートコレクト?
メッセージを指で押すと、詳細の説明が出る。
オートコレクト LV1
モンスターの死体など自動的に宅配ボックスに回収することができるスキル。
売ることもできる。
「倒したモンスターの死骸が売れる…だと?」
早速その機能をONにし、ゆっくりと倒したモンスターの周辺を走ると、巨大ナマコの死体が消えていく。
やがて、『ピロポロピロ』という音がスマホから聞こえてくる。
「何だ?」
リョウは慌てて車を停め、スマホを確認する。
スマホ画面には『宅配ボックスが一杯です。』
のメッセージが出ている。
「巨大ナマコ10匹で一杯か。」
スマホの宅配ボックスの画面を眺めながら、
リョウはつぶやく。
リョウは、回収した巨大ナマコを売ることにする。
『ラージシーキューカンバー』 10匹 7千円
と出ている。
「1匹700円か。」
ラージシーキューカンバーの説明分を見ると、
体液はアルカリ性で食べられない生物であることが書かれている。
リョウはラージシーキューカンバーをすべて売ることにした。
残りのラージシーキューカンバー20匹ほども回収し、2万円を超える収入を得ることができた。
体液がついた車体の汚れが全くなくなっていることに気がつく。
「オートコレクトで車にこびりついたラージシーキューカンバーの異物も回収されたのかな?」と思う。
車を洗う必要が無くなり、購入したミネラルウォーターはそのまま荷台に積んでおくことにした。
再び車を走らせ、1時間ほど経過したころ、正面の方から町?の様なものが見えてきた。




