379. 新しい蟻を使った緑地化の方法
379. 新しい蟻を使った緑地化の方法
ある日、リョウは、ミレバ市の下水道管理事務所に視察に行くことになった。
現場に到着すると、なぜか、イオナが事務所の入り口で待機をしていた。
イオナ「あっ、リョウ、こっちこっち。」
リョウ「なんでイオナがいるんだ?」
イオナ「ちょっと今日は、ある研究でリョウに話をしたくてここにいるのよ。」
シャハナ「お久しぶりじゃな。リョウどの。」
しばらく待っていると、奥からシャハナがやってきた。
シャハナ「実は、製油造水工場の所長とこの施設の所長を兼任していてな。儂が案内するぞ。」
リョウとワジム、イオナとシャハナの4人は、いくつもの沈殿槽で汚泥を取り除くプロセスや、
塩素消毒するプロセス、各槽の水質をチェックするプロセス、その検査を行う施設等の視察と説明を受ける。
ここで、シャハナから、
シャハナ「実は最近、イオナさんとある研究を行っていましてね。」
と話が出る。
イオナ「今日はその研究を、リョウに見てもらいたいのよ。」
イオナはそういうと、水質検査をする隣の棟にリョウ達を案内する。
そこには、乾燥させた汚泥と、隣のゴミ回収集工場から持ってきた焼却済みのゴミがあった。
リョウ「思ったより匂いはしないな。」
イオナ「そうなのよ。ここで、下水の乾燥させた汚泥と、焼却済みのゴミ、そして、雑草の種、
吸水ポリマーを混ぜます。」
リョウ「吸水ポリマー?ああ、紙おむつなどに使っているアレか。」
イオナ「そう。アレ。」
イオナは机から数本の吸虫管を持ってきた。
イオナ「これは、グレーアントが入っている吸虫管よ。
これらを堅く乾燥した荒れ地の土壌に放置するのよ。
ちょっと一緒に来てくれる?」
イオナは、そういうと、汚泥と吸水ポリマー、焼却ゴミを混合させたもの乗せた4人乗りのトラックに、
誘導する。
3人が乗り込むのを確認すると、イオナはトラックを運転して、
下水道管理事務所から15分くらいのミレバ中央公園脇の乾燥した硬い土壌施設の敷地に入っていき、
トラックを止めた。
イオナ「ここが実験施設ね。」
そこには、砂漠の砂土壌や、乾燥して堅くなった土壌などが点在しており、
部分的に、この配合土が置かれているところ、草が生え始めているところ、
小さな低木と草が生えているところなどがあった。
イオナ「まずは、下水汚泥と焼却ゴミが栄養豊かな土壌で、吸水ポリマーで、保水性能を高めていて、
砂の土壌では、これで草が生えてくるわね。
ただ、土壌が硬い場合、このグレーアントを混ぜてあげるのよ。」
そういってイオナはグレーアントの入った吸虫管を、改めて全員に見せる。
イオナ「この蟻が、巣を作り、硬い土壌に空洞ができる。
こうして土壌が柔らかくなり、通気性が確保されるのよ。
リョウにお願いをしたいのは、砂地ではなくて、硬い土壌の緑地化を行う場合、
この蟻を使った方法を許可してほしいのよ。」
リョウ「グレーアントはこの土地に元々いた蟻?」
イオナ「そうよ。だからこの蟻にしたのよ。」
最終的にリョウはイオナに、この蟻を使った緑地化について許可を出した。




