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8.私の人生は間違い「だった」

 その後、私は専門紙の新聞記者に転職した。上司にも私がADHDだということを伝えていた。伝える勇気をもって分かったことだが、少なくとも私の周りでは「ADHD」という言葉で軽蔑する人間は誰もいない。気を遣ってもらうことも多く、そこは申し訳ないなと思うけれども、それは仕方のないことだ。

 前述した通り、「ADHD」だと伝えることで離れるような人間は、伝えなくても離れていく。それは、相手が悪い、自分が悪い、ということではなくて、人と人の価値観がそうさせているだけだと思う。もし、そういう人に巡り合った場合には、ADHDがどういったものかを理解してもらうために、私の言葉で改めて伝えたい。それでも受け入れられないなら仕方がない。

 結局、新聞記者は、「コロナ不況」の煽りをもろに受けて、一年でリストラにあった。選択は間違ってなかったし、もちろん得意不得意も如実に現れた一年ではあったけれども、「文章で勝負をしたい」という一つの夢を叶えられたことは、私にとって非常に大きなことだった。

 私の人生を振り返ると、私の人生は、ところどころ間違い「だった」と思う。もっと早く自分の特性に気づいていれば変わっていただろうし、アスペルガーの気があると伝えてもらえなかったことも悔しい。回り道せず最初からもっと適性のある業種についていれば、と思うことも大いにある。

 ただ、それは過去形なのだ。後悔が連続する過去は、必ず未来に役立つ。現に私は、自分の足で検査に行き、「さらけ出す勇気」で周りに伝えられるようになった。これは、過去の自分の後悔から成り立っている。そしてもう一つ、後悔が多い自分の人生が役立つことがあると思っている。今悩む人に、私の歩んできた道を伝えたい。今はまだ成功したなんて言えないし、人生半ばだけど、転んだ回数だけなら人の百倍は経験している。私が転んだことで、今こけそうな人を止めることができる、もしくはもっと前のめりな転び方をするお手伝いができるとすれば、それほどうれしいことはない。

 そのために、私は新たな夢に向けた一歩を踏み出したいと持っている。

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