7.検査を受けて 「だと思う」から、「だ」へ変わる勇気
やっぱり文章で勝負をしたい。そう思い始めたのは、メール業務も軌道に乗ってきたとき。自分には文章があると再認識できたからこそ、原点に返れたんだと思う。
少しネガティブな話をすると、当時の私は、勝負にこだわりすぎて、周りと不和を起こしていたかもしれない。周りが見えない性質を理解し、工夫をしなければいけなかったはずが、そこを抑えられていなかった。もう一つ、カスタマーセンターは電話が中心で、メールは副次的な産物だった。将来を考えた時に、ここにいていいのか、という疑問も少なからずあった。
そういった背景もあり、私は転職のために動き出した。場所を変えるにあたり、最初に考えたことは、「ちゃんと検査をしよう」ということだ。自らの意思で、ちゃんと自分と向き合う。今までも、理解はしていた。自分はADHDで、周りとは少し違う。でも、それは表面上理解していただけであって、公に理解されることではない。「確からしい」という状態で、果たしていいのだろうか。
検査を受けた。結果は歴然だった。ADHDやアスペルガーなどの診断では、言語性と動作性という二種類の言葉が出てくる。どちらも知能に関する言葉で、言語性は耳で聞いたり見たりした言葉の理解力、動作性は、短期的な記憶力やすぐに手先を動かすなど、感覚や運動の力だ。この二つがアンバランスなことを発達障害というらしい。私の場合、言語性が高く動作性が低い、典型的な発達障害だった。通常の発達障害と認められる数値の二倍、言語性と動作性に開きがあった。
私は心が軽くなった。正直、そうだと思う、とそうだ、では全く心持ちが異なる。これも、「さらけ出す勇気」の一つなのだと思う。検査を受けて、本当の自分を知るのが怖いと思っている人には、ぜひ検査をお勧めしたい。ありのままの自分を知って、周りに伝える勇気は、特に私のような人には必ず必要なのだ。