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ガチャポンはスキルだったらしい

 ガタゴトと進む馬車。


 物語で出てた通り、マジでケツがいてえ。サスペンションって言うんだっけ? 地球の車とかと違って、そういう衝撃を吸収する機構が無いから、馬車の車輪が地面で跳ねると座ってる所も同じく跳ねるので、木の板で出来た座る所が尻を打ち付けるので、本当に痛い。


 ちなみに、色々とナグロさんが質問に答えてくれるそうなので、荷台ではなく運転席――御者台と言うらしい――に並んで座っている。


「魔術を知らなかったって、マジか?」


「ええ、前に住んでいた所では魔法――魔術とか無かったですね」


 森にあったガチャポンは魔法っぽい不思議パワーに満ち溢れてたし、今持ってるカプセルも現物化する時点で魔法のアイテムっぽいんだけど。


「じゃあ、魔術師はいなくてスキルしか使わなかったのか?」


「え? スキル?」


 スキルって言うと、あれか? こう、身体を固くする鋼鉄化だとか、通常攻撃が二回になっちゃう二刀流だとか、そういうのか?


「なんだ、スキルも使わないとこだったのか? どんな辺境の里だよ……」


「お恥ずかしいです」


 辺境というか、こっちの世界より発展しまくってる世界だとは思うけど。まだ街を見てないから多分だけど、馬車を使ってる時点で車があった地球とは比べ物にならないと思っている。


「じゃあ、ステータスも見た事ないのか?」


「ステータスなんて見れるんです?」


 質問で返した俺に苦笑するナグロさん。


「ステータスを見ようって頭の中で念じてみな」


「はあ……」


 そんなゲームみたいなステータスなんて、本当に見れるもんなのか? 昨今流行りの異世界物ではどれもこれもステータスがあったけど、実際に自分の身になってみると本当に見れるかどうかなんて懐疑的(かいぎてき)にしか思えないんだけど。


 ステータス出ろー、ステータス見せてー。


 そう思うと、目の前にそれこそゲームみたいウインドウが現われて浮いていた。


【本宮了】

 種族:人間 性別:男 職業:無職 年齢:17

 レベル:1

 体力:50

 魔力:30

 攻撃力:8

 防御力:7

 俊敏力:10

 器用:8

 知力:12

 運:17

【称号】

『落ちた者』『カプセルマスター』『コレクター』

【スキル】

 ◇言語理解 ◇ガチャポン ◇カプセルボックス


「おお、出ました」


「おう。スキルとか称号とかあるだろ? 意識をその文字に集中させると、詳しい内容が見れるぞ」


「やってみます」


 落ちた者――異世界の狭間へと、ふとした拍子に落ちてしまった者。神の救済措置により、この称号を得た者はその世界の言語を取得すると同時に、本人の意識と強く結びついたものをスキルとして与えられる。


 なるほど……言葉が通じてるのは何故かと思っても通じるんだから別に良いやと考えないようにしてたけど、この称号のお陰だったのか。言語理解ってスキルがそれだな。

 あと、ガチャポンはスキルだったらしい。あのガチャポン、俺のスキルだったの? これも俺と結びつきが強いって事で選ばれたスキルみたいだな。


 家庭も冷え切ってたし友達も作らなかったので、俺の楽しみってガチャポンだったもんな……森の中で回したガチャポンは生き残るアイテムを手に入れるのが優先だったから、あんまり楽しめなかったけど。


 他も見てみるか。


 カプセルマスター――カプセルに入った道具を顕現(けんげん)出来るようになる。


 おっと、ガチャポンそのものの力じゃなくて、現物化はこの称号の力だったのか。


 コレクター――この称号によってガチャポンの中身が定期的に入れ替わる。


 え、ラインナップ変わるの?


 ていうか中身が入れ替わるなら、有用なアイテムはなるべく回した方が良いな。基本的にガチャポンの中身って一度消えた物は再度入荷される事はないし。

 じゃあ現時点のガチャポンの中身、グラスが高く売れるならジュースシリーズを多く引いておくべきか……?


 いや、これは後々考えよう。今は先にスキルを見ておきたいし。


 言語理解――今居る世界の言語の読み書きが前居た世界と同じレベルで可能になる。


 これは非常に助かるな。喋るだけじゃなくて、読み書きも可能って所がポイント高いぞ。


 ガチャポン――定期的に内容が入れ替わるカプセルを銀貨一枚を対価にランダムで取り出せる。


 ほへー……銀貨一枚を対価に……三百円で引けたぞ!? 三百円が一気に一万円と化したんだけど!? こんな高級なガチャポン見た事ないよ!!


 やばいな。


 定期的に入れ替わるなら中身が有用な場合はいっぱい回しておこうと思ったけど、そもそも高すぎてそんなにお金稼げるかって感じだ……現時点で大銀貨三枚でグラスを買ってもらえたけど、銀貨にしても三十枚……生活の事もあるから、全部使うわけにもいかないわけで。

 難易度が一気に上がったか……?


 つ、次いってみよう。


 カプセルボックス――カプセルに入ったアイテムを無制限に時間停止空間に収納出来る。


 ……そこは異世界物お馴染みのアイテムボックスで良かったんじゃないの? なんでカプセル縛りなの?


 ていうか、カプセルに入った物を時間停止空間って……もしかしてだけど、手元にあるサンドイッチとフライドポテトって、もしかして現物化してない状態でも賞味期限とかあるんですか?


 だ、大丈夫だ。一日置いたぐらいなら、まだ食べられる……はず。

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