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第7話〜 文化の違い 〜

「そういや、まだ名前言ってなかったね。あたしの名前は、ポーラだよ」

  ポーラさん、か……。確か、ラテン語で意味は小さい、小柄だったような……。

  ポーラさん……逆に体大きいんだけど……。ポーラさん意味と全く逆じゃん!

  でも、ポーラってなんか結構優しいイメージがあるなぁ……。

「まぁ、あたしの名前はどうでもいい……。それよりもノア。さっきの食前と食後の挨拶はなんだい?」

「メアも気になるー!」

  いやいや! 自分の名前でしょ?! どうでもいいんですか?! それでいいんですか?!

  1人で脳内ツッコミをするが、ポーラさんとメアの質問してきた事に答えないといけない。

  食前と食後の挨拶とは、多分『いただきます』と『ご馳走様でした』 の事を言っているんだろう。

  地球では、いつも挨拶してたしなぁ。慣れと言うか、癖みたいな感じでやってるからなぁ……。

  僕は、なんでそんな事を疑問に思うかがよく分からなかった。

  それにしても、よく考えてみると『いただきます』と『ご馳走様でした』ってどういう意味なんだろうな……。

  確か、1度だけ気になって調べた事があったような気がする。

「『いただきます』は、僕たちが生きていくために、命をくれた動植物や、作ってくれた人達への感謝の気持ち。『ごちそうさま』はごちそうを食べさせてくれて『ありがとうございます』っていう意味です……タブン」

  何とか記憶を辿って、思い出せた。確かこんな感じだったような気がする。

  本当にこんな意味だったか説明している途中で不安になったので、最後に聞こえるか聞こえないか分からないぐらいの声量で「たぶん」と付け足した。

  それにしても、結構長く喋ったし上手く説明出来たかな……。

  久しぶりにこんなに長く喋ったので、緊張は勿論する。話すことでさえ緊張する僕は尚更だ。

  無意識に体に力が入っていたのか、どっと疲労感が襲ってきた。手汗や脇汗もかいている。

「へぇー……。そりゃいい挨拶だね。どこの文化だい?」

  どこの文化……。もしかして、この世界にはそういう食前と食後の挨拶みたいなのはないのか?!

  僕は、正直に「日本です」と答えた。

  すると、予想通りポーラさんやメアは頭の上に疑問符を浮かべていた。

  勿論、実際に浮かべてはいない。比喩表現だ!

「ノアー。ニホンって? どこにあるのー?」

  メアが目をキラキラ輝かせながら訊いてくる。

  メアの質問に対して、ポーラさんも同感なのかウンウンと頷いていた。

  その反応をみるからに、やっぱりここは地球ではない事を改めて実感してどう答えるか迷っていた。

  異世界から来ました。なんて言っても頭のおかしい人みたいに思われるだけだよな……。

「日本は、物凄く遠い所にあります……。一生かけても帰れないくらい遠くに……」

  僕は、答えてる途中に日本の事、家族の事を思い出してしまって暗い表情になってしまった。

「ノア……もうニホンのお家に帰れないの?」

  僕が表情を暗くしたからか、メアが心配そうな声音で尋ねてきた。

  僕はその質問に「うん」と頷く事しか出来なかった。

「そうかい……。迷宮(ダンジョン)(トラップ)にかかってこの近くの迷宮の『迷いの森』に転移した感じかい?」

  ポーラさんが、何やらこの世界の情報を話し出したぞ?!

  てか、迷宮? 罠? 転移? 迷いの森?

  僕はよく分からない事だらけで頭が混乱したが、とりあえず罠にかかって転移したという変な解釈をされている。

  よく分からなくて、あまり嘘をつくと良心が痛むので正直に答える事にした。

「いや、別にそんなのじゃないんですけど……」

  ポリポリと人差し指で頬をかく。

「そうなのかい? それにしても、色々と大変だったねぇ……」

「ノア、可哀想……」

  僕のせいで、雰囲気が暗くなってしまった。

  僕はなにか明るい話題を! と思ったが、それよりも興味心が勝り、ポーラさんが言った知らない言葉の数々について質問しようと、今まで逸らしていた視線をポーラさんに向ける。

  すると、ポーラさんと目が合う。

  この世界の情報をなるべく多く知りたい! そうしないと生きていけない。

  『不幸体質』の能力がある僕は特にだ……。

異世界ものって書くの簡単そうに見えるけど、実は結構難しいって事が最近実感しました。

異世界もの書いてる人尊敬します。

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