第62話〜 オークション後、落札 〜
――僕が初仕事に言っている間の出来事。
とある建物、オークションハウスではオークションが行われていた。
「続いての商品はこちら!」
司会進行役の男が声高々に商品を紹介している。
「ホーンラビットの魔石!!」
司会の声に困惑した人々がザワザワとどよめく。
それもそのはず、ホーンラビットの魔石なんていくらでも手に入る代物だからだ。そんな魔石がオークションに出品されるとは何事だと思ったのだろう。
「しかし!このホーンラビットの魔石はそんじょそこらじゃ手に入らない大物!! それがこちら!」
司会者の声とともに、商品を持った女の人がスポットライトで照らされる。
その瞬間またもや会場がざわめく。
「そう、この商品。なんといってもこの大きさ!! 一体どのくらいの大きさのホーンラビットだったのか想像がつきません!! ですが、このサイズの魔石を手に入れる事が出来るのはそうそうない事だと思います! それに、魔力濃度は高いし、色もさることながら、宝石のように輝いています!! さぁ、コレクターの皆様いかがですか! まずは5000マインからスタート!!」
珍しいというのと、安いというのもあり、次々と手が上がり値段はどんどん上がっていく。
「5万マインでました!他にはおりませんかぁー!?」
手が挙がるペースは落ちていくものの、魔石コレクターの人達がどんどん競い合っていく。
「10万!20万!30万!!35万!37万!!」
カンカンカンと大きな音がなると同時に司会者は大きな声で落札額を告げる。
「こちらのホーンラビットの魔石は40万マインで落札ーっ!!」
他の人からみたらこんな大きいだけで珍しくもないホーンラビットの魔石に40万も出すなんて馬鹿じゃないのかと思われるだろう。
しかし、このオークション会場にいる人々は共通してお金持ち。貴族などもいる。お金を持っている人からすれば40万など、はした金。
コレクターは何が何でも手に入れたかったのだろう。
アニメの限定フィギュアやタペストリーなどどんなに高くても手に入れたかったりするだろう? あれと同じ感じだ。
ギルドに帰ってきて、受付にダンジョン攻略の証の魔石を提出すると報酬を貰った。5000マインと中々に高い金額。
ダンジョンを攻略するのにかかった時間は約2時間。
地球の時のバイトとかの時給に換算すればなんと2500円。
身の危険を伴うからか、少し高くて驚いた。
「リサーさん初任務お疲れ様です」
奥で書類の作業をしていたのかいつも対応してくれるお姉さんが労いの言葉をかけてくれる。
僕はペコリとお辞儀をして今日はもう宿に帰ろうと振り返ろうとした時、お姉さんに止められた。
「リサーさん少々お待ちいただけますか?オークションで落札された金額をお支払いします」
えっ、昨日の今日でもう!?早いな……。しかもあんな物が落札さらるなんて期待してなかっただけに驚きは倍増。
待っている間に少しだけ。
いつも担当してくれるこの受付のお姉さんの名前はルナさんらしい。
身長は普通の女性よりも少し高く、スラッとしたスタイル。モデルをしていると言われても信じてしまいそうだ。長くサラサラとした綺麗な白銀色。
そのルナという名前の意味は月の女神と言うものがある。ルナという名前が本当に似合う綺麗な髪。
ルナさんはその容姿等から冒険者の中でも人気の受付嬢の一人らしい。勿論他の受付嬢さんも綺麗な人ばかりだ。
受付嬢になる条件ってもしかして、容姿重視…………?
ス〇バみたいだな。日本にあるカフェ店のス〇バも噂では容姿が良くないと受からないとか受からないとか……。
陰キャで引きこもりの僕は実際に行ったことは勿論ないが、店の前を通るときに見る店員さんは確かに皆容姿が整っていた気がする。
受付嬢って意外と憧れの職業だったりするのかもな。メアやリリアさんなら容姿も問題無いし、性格も最高。癒やし効果もあって即採用間違いなしだろ……と後方腕組みおじさんの様に一人頷いているとルナさんが戻ってきた。
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