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第5話〜 ロリ耐性を身につけよう!! ~

「あははは! そういえば、お昼まだだったね! すぐに持ってくるからちょっと待ってな」

  そう言うと、おばさんは部屋を出ていった。



  あぁー! 恥ずかしい……。

  僕は、恥ずかしくなって誰もいないのに顔を両手で隠した。

  上手く話せないし、お腹のなる音聞かれたり恥ずかしい事ばかりだ。



  そういえば、この世界に来てから1回も食事をした事がない。

  戦闘したり、ずっと歩いたりと体をたくさん使ってもう空腹だ。

  今まで、自分の空腹に気付いていなかった事が驚きだ。

  多分、空腹を忘れるぐらい疲れて、寝ていたんだろう。



  どうでもいい空腹推理をしながらおばさんを待っていると、メアがキョロキョロしながら部屋に入ってきた。

  さっき、おばさんに促されて出ていったばっかりなのにもう来たよ!

  おばさんに見つからないように周り見渡すの可愛かったな……。

  僕がさっきのメアの行動を脳内再生して頬を赤く染めているとメアに話しかけられた。

「ねーノアー? なんでニヤニヤしてるの? きもちわるーい」



  メアに指摘されて初めて気付いた。僕は今ニヤニヤと笑っていたことに……。

  そして、メアさんの毒舌っぷりよ……。出会って間もないけど遠慮なく言ってくるね……。

  メアの言葉に傷ついて俯いていると、メアがベッドに乗って、顔を覗き込んできた。

  僕はメアを一瞬目だけで見ると、すぐに目を逸らした。

  上目遣いの破壊力が凄くて、耐えきれなかったのだ。




「大丈夫ー? まだ体調悪い?」

  メアが心配そうな顔で、覗き込んで来る。

  それ以上は止めて! ロリ好きに目覚めちゃうから! という意味を込めて大丈夫と言おうと口を開いく。



「だ、だいじょ――」



  僕が大丈夫と言いかけたその時、メアが頭を撫でてきた。

  小さな手で、僕の頭を撫でながら「早く元気になーれ。早く元気になーれ」とおまじないの様な事を言ってきた。


  なんて、純粋な心を持った子なんだろう……。

  そんな事を思いながらも、恥ずかし過ぎて自分の体温が上がっていくのを感じていた。

「も、もう大丈夫だから……」

  恥かしい気持ちを抑えて、やっとの事で一言言うことが出来た。

  この歳で、自分より歳下の子に心配された挙句、頭を撫でられるなんて思ってもいなかった。

  メアは、僕の頭を撫でるのを止めたのは止めたのだが、何故かベッドから降りなかった。

  そして、メアが動いてベッドから降りるかと思いきや、僕の伸ばしてる脚の太もも辺りに跨って来た。

  僕は上半身を起こしているわけで、こちらを向いて跨ってきたメアとは当然、向き合う形になるわけで、自然と目が合った。


  というか、滅茶苦茶近い。

  ショートカットの茶色の髪が、窓から入ってきた風に吹かれて揺れる。

  それと同時にほのかに甘い匂いが僕の鼻腔をくすぐる。

  地球で、女子と話したりした事はもちろん無い。なので、必然的に女の子の匂いなど、匂った事もない。

  そんな僕は、生まれて初めて女の子の髪の匂いを嗅いで、感動していた。

  女の子ってこんなにいい匂いがするものなの? 何の匂いに似てるかな……。例えるなら色々な果物をミックスした感じの匂いだ。

  あ、知らなかったの僕だけかな? 流石、地球にいた頃『陰キャの(かがみ)』と言われていただけあるな……。



  ……うん。自分で思ってて何だけど気持ち悪いし、悲しい。それに、生まれて初めてだけど7回死んでるわけだし……意味わかんない。

  僕は目を瞑ってそんな事をずっと考えていた。

  でも、お腹空きすぎてそんな事も考えられなくなって目を開くと、やっぱり目の前にはメアが座っていた。

  キラキラと蒼色の眼を輝かせながら、僕に興味津々といった表情を浮かべていた。

  なんで、メアはこんなに興味津々なんだろう。

  別に何処にでもいるような、ただの一般人なのに。いや、一般人以下か……。

  ご飯を待っている間、ずっと脳内で独りで会話していたから、自虐ネタが得意になってきてしまった。




  よし、自虐ネタで人見知り&コミュ障を治すぞ!

  え? 治すじゃなくて直すだって? 僕にとっては人見知りとコミュ障は病気と一緒なんだよ!!






  あれ、よくよく考えてみたら人見知り&コミュ障の人が自虐ネタしたら、なんか悲しい人みたいじゃない?!

  そのことに気づいた僕は、自虐ネタは人見知りとコミュ障が治るまでは封印しておこうと心に決めた。



 

 

 

 


 

 



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