表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《不幸体質》のせいで7回死んだ僕は、神様にチート能力を7個貰ったので、人見知り&コミュ障を治そうとしたら問題だらけで難しすぎた~7回目の転生では劣等人の忌み子として嫌われる~   作者: 絶対人生負け組
第三章 2人の不憫な少女と《不幸体質》の僕

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/66

第46話〜 僕が犯した過ち 〜

「その……すみません。何回も……」


  リリアさんはご飯の後も泣いていたからか、今回は泣き止むのが早かった。


「大丈夫だよ。話した後でなんだけど……なんで僕に話してくれたの……?」


  何となく、理由は察する事ができるが一応確認のために……。


「他の人とは違う優しい雰囲気があって、実際優しくして貰えて。その……気付いたら話してました……」


  リリアさんはグスッと鼻を啜りながら言う。


「そっか……。どうすればいいか……だったよね?」


「は、はい。でも、無理ですよね……」


  さっきは勢いで言ってしまったのだろう。俯いて苦笑していた。

  自分がダメな人間だと自嘲するリリアさんの気持ちは僕も痛いほど分かる。なんせ、いじめられっ子の不登校野郎だからね……。


  そんなリリアさんは、まるで前の自分を見ているようで辛くて苦しかった。


  僕は妹の麗奈がいたから少しは気持ちが楽だった。

  でも、リリアさんは1人。


  こんなの、今まで耐えていた方が凄いと思う。


「僕が出来ることはしてみる。リリアさんの力になるよ」


  こんな話を聴いてそのまま見捨てる訳には行かないだろう。

  それに僕と似た思いをしているリリアさんを救いたいと思っている。


「えッ……で、でも。悪いですよ……。ずっとここに居られる訳でもないですし……」





「――全然大丈夫だよー!」



「ッ?!」


「きゃあぁあぁあ……ッ?!」




  僕は突然聞こえてきた声に驚く。リリアさんは僕より驚いて悲鳴をあげながら、僕に抱きついてきた。


「ちょッ……!」


  僕は突然の第三者の声よりもリリアさんが抱きついてきたことの方がビックリした。


  まぁ、聞こえてきた声が聞き慣れたメアの声だったからのもあるけれど。

  それでも少しは驚く。

  だって、寝ていたはずなのにいつの間にかリリアさんの隣まで移動して来ているんだから。


「り、リリアさん……大丈夫ですよ……」


  リリアさんは未だに僕に抱きついて胸に顔を埋めている。

  やはり女の子特有のいい匂いがふわりと漂ってくる。メアとはまた少し違った匂いで頭がクラクラする。


  地球で1回も無かったこんな出来事。でもこの世界に来てからメアと言いリリアさんと言いこれで2回目だ。


  けれど、今は純粋に喜ぶ気分にはなれない。


  ……ロリコンとか言わないでよね。てか、ほとんど年齢変わらないしロリコンじゃないからねッ?!




  耳を澄ましてみると「うぅ……こわいこわい。幽霊無理無理無理ぃーッ!!」と物凄く怯えていた。


「め、メア。謝りなよ……」


  流石にリリアさんに悪いと思い、僕は苦笑しながらメアを見るとぼーっとしていた。


  ここではない。ここには存在しない何処か遠くを見ているようなそんな目だ。



  ………………? あっ……――やばい……やらかしたかも……。



  僕は、メアのその目を一目見て。自分が犯した最悪な過ちの可能性が頭によぎった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ