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第31話〜 仮面外すの忘れてた 〜

  切った部分を見ると、なんと言うことでしょう。元通り。


  はぁ……よかったぁ……。


「ん? ちょっと待てよ? この服が限界突破してるし最強の防具になってない?」


  汚れないし、濡れないし。


  しかも《自然回復S》で、もし切られたりしても直る。


 《自然回復S》って、『自然』って言葉がついてるから自然に直る物しか直せないんじゃ……。


  あぁ、《自然回復S》のスキルも《限界突破》しちゃってるのかね……?


  やっとチートスキルがちゃんとチートしてる?!

















  服に作用しているスキルが分かり、メアの服も洗い終わったのでダンジョンに戻った。



「うわ、いい匂い……」


  ダンジョンに戻ると、肉の焼けて香ばしい匂いが漂ってきた。


「あ、ノアおかえりー!」


「た、ただいま」


  メアはさっきと格好は変わらない。


  つまり……その。薄着なのだ。

  目のやり場に困る。



「お肉焼けたよー。食べよー! もうわたしお腹ペコペコだよー」

  と、本人は気にしていない模様。



  火の近くに洗ったメアの服を、木の枝で簡易的な物干し竿を作ってかける。


  メアの近くに腰を下ろして一息つくと、


「はい、もう食べていーよー!」

  と言われた。




「うわ、美味しそう。いただきます」


「あ、前言ってた感謝の言葉だー! いただきます!」


  おぉ、色々あったのに覚えててくれたのか。僕は嬉しいよメア!



  メアが食べ始めるのを見て、僕も肉を口に運ぶ。

  と、食べられない。


「あ、仮面外すの忘れてた」


  狐の仮面を外して、いざ食す!




  あ、仮面してたから表情とかバレてなかったのか。よかったぁ……。


  メアはかなり可愛らしい顔をしている。なので、薄着だと余計に目のやり場に困ったが……。


  仮面嵌めてたならもっとみとけば……いやいや何考えてんだこの変態!















  僕とメアは空腹で倒れそうな状態だったので、貪り食った。


  お腹が空いていると、こんなにも食べ物って美味しく感じるんだなぁ……。


  メアの方を向いてみると、目をキラキラさせながら無我夢中で食べていた。

  やはりそれ程までにお腹が空いていたのだろう。



  魔物の肉だから、不味いのかと思っていたが案外美味しい。

  ホーンラビットも魔物らしいけど美味しかったしな。

  この狼的やつも、そういう部類だろうか。














「ご馳走様でした」

「ご、ごちそうさま? でした!」



  僕達は腹を満たすと、ホッと一息ついた。


  水は僕の手から出すので水分補給はいつでも可能。

  もちろん、コップなんてものは持っていないから、手から出して口に入れる。

  その光景は中々にシュールだった。















  火も消えて、煙の匂いが少し漂う。


「――あ、メ……ア…………」


  話しかけようとしたら、隣に座っていたメアがコテりと糸が切れたように僕の肩に寄りかかってきた。


  あぁ……やっぱり疲れてたよね。


「お疲れ様、メア。ゆっくり休んでね」


  既に規則正しい寝息を立てているメアを起こさないように小さな声で労う。



  僕の肩に寄りかかったままだとよく眠れないだろう。それに、首も痛めてしまう可能性がある。


  なのでメアを起こさないように、ゆっくり床に寝せてあげた。

  床は石造りで痛いだろうけど、我慢して欲しい!


  スライムを床に引こうと思ったが、この世界のスライムはどうやらベチャベチャしていてポヨポヨでは無い。


  つまり粘着力があって、服がベチャベチャになると言うこと。


  それは嫌だろうから止めたのだ。


  マジックアイテムとか加工技術的なものでどうにか出来るのかもしれないけれど。








 




「さてと、見張りでもするかー」


  凝った身体を伸ばす。脇腹も伸ばして脱力すると、突然視界が真っ暗になり床に倒れた。


「……っ?! あれ、なんか滅茶苦茶ねむ、い……」



  どうやら僕もかなり疲れていたらしい。セル村で毎日トレーニングして体力つけたはずなのに、まだまだだな。


  ここは、クリアしたとは言えダンジョンだ。何が起こるか全く分からない。

  だから、周囲に警戒しとくべきなのだ。




  けれど、睡魔に勝てる訳もなく――僕の意識は夢の中へ……。

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