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第30話〜 スキルの影響? 〜

  ――と、火起こしの準備をしながら考えていた。








  《空間収納》で保管しておいた、狼型の魔物を出すとメアが率先して解体し始めていた。


  だからといって、僕は特に何もすることがない訳じゃない。



  火起こしのために、ダンジョンから出て近くに落ちている木や枝。枯葉を拾う事だ。



「確か、ちゃんと乾燥してるやつじゃないとダメだったよな……」


  地球にいた頃テレビ番組で見た事を思い出しながら乾燥している枝を拾う。


  拾うといっても、《空間収納》で手に吸い込んでるだけだけど。




  これをやって思ったこと。





  なんか、掃除機みたい……。














  ある程度集まったので、ダンジョンの中に戻る。


「ダンジョンってクリアしても無くならないのかな……?」


  まぁ、メアが大丈夫と言うなら大丈夫だろう。















  ダンジョン内に戻ると、メアはもうほとんど解体し終わったのか食べられるような厚さに切る作業をしていた。


「う、臭い……」


  獣特有の臭さと、血の匂いなど。様々な悪臭が漂ってて気持ち悪い。


  僕は鼻と口を袖で覆ってメアの近くに行く。


「あ、おかえりノアー!」


「メア、服血だらけじゃん……」


「え……? ほんとだー。あとで洗わないとだね。あっ! これ、今はいらないからしまっといて!」


「あ、うん。わかった」


  《空間収納》で今日は使わない分を収納しながら、思考する。


  メアはよくこんな匂いの中平気でいられるな。解体作業も慣れてそうだし、セル村でやってたのかな。



  魔物の皮や牙。肉を収納し終えたので、今度はさっき拾ってきた枝や枯葉を出す。


  目処が分からないので、とりあえず拾ってきたもの全部出した。








「よし。とりあえず、このくらいの量でいいかな……。メア、もう火つけていい?」


「いよー!」


  木の枝や枯葉を適量にしてから、メアに許可をもらった。


  メアの方がサバイバルに関して知っているだろうから。メアに許可を取る事にしているのだ。




  スライムが吐き出した火を収納していたので、それもまた手から出す。


  ボッと枝や枯葉に火が燃え移ったのを確認してから、スキル発動を止める。





  パチパチとものが燃える音が少し心地いい。


「あ、メア。その服洗ってくるよ」


「じゃあ、おねがーい!」


  そう言ってメアは上の服を脱ぎ始めた。


「え、ちょっ?!」


「?」



  メアは何と、服の下には皮のような包帯のような薄い物で胸がギリギリ隠れているかいないかのような格好をしていた。


  慌てて目を逸らしたが、その姿が脳に焼き付いて離れない。




  ……胸、意外とあったし…………。

  着痩せするタイプなのかな……。




  って! 何考えとんじゃこの変態!!


  邪な考えを自分の頬を叩いて抑える。


「はい、ノア。よろしくねー! わたしはお肉焼いとくから!」


  はい、と手渡しして来たメアの姿を見ないように顔を逸らして衣服を受け取る。


「……わかった」


  自分だけしか気にしていないのが妙に恥ずかしくて、ちょっと小走りでダンジョンから出た。










  枝を拾ってた時に見つけた川に行き、血の着いている所を擦って洗う。


  なんの虫かは分からないが、鳴き声がうるさい。

  川の流れる音もやけに大きく聞こえる。





  マーティンに、下着とかあるよね……?





  冒険者かなんか分からないけど、このチートスキルを持っているんだから直ぐにお金を稼ぐことは出来るだろう。


 《空間収納》に仕舞っている魔物の死体や魔石を売ればお金にはなるだろうし。



  メアに沢山ご飯を食べさせたり、好きな服とか着せてあげたいな。







  ふと気付いた。








  あんなに戦闘したり、湿地帯を歩いたりしたのに――自分の服が一切汚れていないことに。




「綺麗すぎないか……?」





  そう思って試しに、近くの土を拾って服にベトッとつけてみた。


  すると、ポロポロと落ちていくでは無いか。


  川の水をかけてみても、服を避けるように。水を弾いて地面に落ちた。




「……へ? これもスキルの影響……?」


  僕のスキルは7個ある。プラス1個で呪いの《不幸体質》だけど……。



  まず《不幸体質》は選択肢から除外してもいいだろう。


  なぜなら、服が汚れたりしないのは。僕にとっては幸運な事だからだっ!!


  麗奈から貰った大事な物だからね。




 という事で、なんのスキルのおかげか……。


 《体術S》は違うだろう。

 《剣術S》も違うだろう。

 《獲得経験値10倍》と《必要経験値10分の1》は経験値関連だから、関係ないだろうし。

 《空間収納》も収納せずに弾いてるから無関係。



  ということは、残る2つ……。

 《自然回復S》と《限界突破》だ。


  正直言って、どっちとも有り得る。


  いや、逆に1つだけという発想自体間違っているのかもしれない。


 《自然回復S》と《限界突破》の2つのスキルが作用して、こんな凄い――汚れない服になったのでは……?



  この世界に来て、ただの木の棒が《限界突破》して大きいホーンラビットを真っ二つに斬った事もあるし。


  もしかしたら、スキルは僕が使っている物にも発動するのかもしれない。


  あれ以降は物に発動した事ないけど。


「試してみるか……?」


  亜空間から剣を取り出し、剣先を自分に向ける。

  もちろん、自分の肉体があるところに刺す訳では無い。


  剣を服に刺そうとすると――刺せなかった。


  剣先と服の間に何か透明な壁でもあるかのように弾かれている。



  この効果、服の体を保護するという限界を越えている?

  だから土や水も弾くのか……っ!


  じゃ、じゃあ試しにもし切られた時どうなるんだ? 《自然回復》が作用して元に戻るのだろうか?


  服への《限界突破》スキルを抑えるイメージをする。


  すると、今度は服を切れた。


「ど、どうだっ?!」


  これで切れたままだったら、絶望だぞ?! 麗奈から貰った大事な物なんだから!


  スキルを信じてやってみたけど。これでダメだったら今度話しかけてきた時、神様に訴えてやるっ!


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