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第116話

 2回戦第2試合は、医師の立石悟たていしさとると神父の葉山修はやまおさむによるミドル対決となった。


 しかし同じ中年男性でも、2人のプレースタイルは真逆だった。


 葉山が本人のみの参加なのに対し、立石は2人のサポート役を引き連れての参戦であり、セットゲームにおいても葉山が盤ゲームのみなのに対し、立石は団体スポーツも織りまぜた、人数の利を活かした編成となっていた。


 また予選での戦い方も、葉山が1回戦から同じセットゲームを使い続けているのに対し、立石は相手に応じて、その都度セットゲームを変更して勝ち上がってきていた。


 そんな両極端な2人のプロフィールを、十六夜は審判席で改めて確認した。

 そのプロフィールによれば、葉山は今年35歳。幼少の頃に洗礼を受けて以降、今日まで神に信仰を捧げ続けてきたのだという。


 そんな葉山のプロフィールのなかで、特に十六夜の目を引いたのは、葉山の大会への参加理由だった。それは「優勝したうえで、不老不死の権利を返上すること」であり、コメント欄には「不老不死は神のみに許された奇跡であり、人間に許されるものではない。そのことを人々に知らしめるために、この大会に参加した」と書かれていた。


 対する立石のコメント欄は空白であり、経歴も職業が医師ということ以外、なんの記載もなかった。


 そして始まった第2試合は、互いに得意ゲームでの優位を譲らぬチェス戦となった。しかし盤上では互角に見える両者だったが、その戦法には試合を左右する大きな差があった。

 それは、葉山がゲームに勝って駒を奪っているのに対し、立石は葉山に団体競技をパスさせることで奪っているということだった。そのため同じ1勝でも、より多くの疲労を強いられる葉山のほうが不利であり、長期戦となれば葉山に勝ち目はないと思われた。

 しかし当の葉山にあせりの色はなく、疲労の色も一切見られなかった。


 すべては主の御心のままに。


 神の声を聞き、その意志を代行する自分に敗北などありえない。


 葉山の顔は、信仰に裏打ちされた絶対の自信に満ちていた。しかし、


「チェックメイト」


 最後に勝利の女神が微笑んだのは、立石だった。


「バ、バカな…ありえない…あなたの声は…最後まで確かに聞こえていた。なのに…なぜです? お答えください、主よ」


 葉山は虚ろな目で天を仰いだ。


「ならば、それが神の意志ということなんだろう」


 立石は憮然と言った。


「ありえません!」


 葉山は迷わず断じた。


「人の死は、神が与えた運命なのです。それを人が勝手に覆すことは神への冒涜であり、反逆なのです」

「くだらん世迷言だ。人が神の創りし物であるならば、その人が創りし物もまた、間接的に神が創りし物となるはずだ。決して神の意に背いたわけではない。それでも、もし神が人の不老不死を認めぬと言うのであれば、それは正しいからではなく、ただ神が狭量だからに過ぎん」

「な……」


 葉山は鼻白んだ。


「人に限らず、生物の進化は神が定めたものだろう。ならば不老不死もまた、人が研鑽の末に手にした新たな進化の可能性ということになる。その進化を否定すると言うのなら、そんな奴は神じゃない。自分の思い通りにならなければ癇癪を起こす、ただの駄々っ子に過ぎん」

「な、なんということを」

「そもそも、神とやらが本当にいて、人を正しい道へと導くつもりがあるのなら、その姿を人類の前に現わし、神の名の下に争いをやめさせれば済む話だ。それこそ天国など、その瞬間に実現することになる」


 立石はフンと鼻を鳴らした。


「だが現実には、そんなことは起こり得ない。今このときも、世界では人同士がいがみ合い、多くの命が失われ続けているにも拘わらずだ」


 立石は拳を握り締めた。


「それを、人が不死を手に入れようとしたとたん、しゃしゃり出てきて、それは神への冒涜だからやめろだと? ふざけるな」


 立石は吐き捨てた。


「おまえが、本当に神と話ができるのであれば言っておけ。人の進むべき道は人が決める。どうせ助けるつもりがないのなら、最後まで引っ込んでろとな」

「おお、神よ。この者を許したまえ。彼は自分が何を言っているか、わかっていないのです」


 葉山はひざまずき、両手を合わせて神に祈りを捧げた。


「わかっているさ。俺は凡人で、人外の声を聞くなんていうシャレた能力は持ち合わせてないが、それでも同じ人間の声を聞く耳は持っている。おまえと違ってな」


 立石はそう言い捨てると、2人の仲間とともに会場を去っていったのだった。


 そして続く第3試合は、前日とは真逆の、ともに20代前半の女性対決となった。しかし同年代でありながら、2人は外見も経歴も正反対だった。


 モデルの深町緑ふかまちみどりが、これみよがしにブランド品で着飾り、派手に女の色香を振りまいているのに対して、司書の長谷美波はせみなみは化粧っ気なし。バーゲンの服を無造作に着込み、オカッパ頭に丸ブチ眼鏡という、まるで洒落っ気のない容姿だった。


 不老不死を求める理由も、深町が自分の美貌を普遍のものにしたいというナルチシズムであるのに対し、長谷は永遠に本を読み続けたいという読書熱。セットゲームに関しても、深町がボーイフレンド集団による団体競技をメインとしているのに対して、長谷は1人のサポートもなく、ゲームも盤ゲームのみで構成されていた。


「あら? そちらはお1人?」


 入場した深町は、すでに対戦席に着いていた長谷に尋ねた。その顔には、長谷に対する優越感がにじみ出ていた。


 本を読んでいた長谷は、上目遣いに深町を見た。


「そうどすけど、それがどないかしはりましたか?」


 長谷は京都弁で淡々と答えた。その白い顔に感情は浮かんでおらず、深町にもまったく興味のない様子だった。


「いえ、ただちょっと気になったものだから。気を悪くされたのなら、ごめんなさいね」


 深町は軽く受け流すと席に着いた。しかし内心では、長谷のことをボッチの地味女と見下し、自分の勝利を確信していた。


 しかし、いざ試合が始まると、長谷は団体競技を除くすべてのゲームで深町に勝利し、準決勝進出を決めてしまったのだった。


「なんでこのあたしが、こんな地味でさえないボッチ女に……」


 信じられない結果に、深町は唇をわななかせた。


「あては確かに1人どすけど、あてん中には、今まで読んだ本から得た先人たちの知識や経験が血肉となって生きとるんどす。何千何万という知識人に支えられとるあてが、ただ鵜合の衆を集めただけのあんさんに負けるわけおまへんやろ」


 長谷は冷ややかに言うと、屈辱に顔を歪める深町に背を向けた。


 そして翌々日には、大学生の新海進しんかいすすむとプログラマーの上代銀河かみしろぎんがによる、2回戦最終試合が執り行なわれた。しかし、その対戦の場に上代の姿はなかった。


 運営によると、上代には日本を離れられない理由があるため、この試合も予選と同じネットでの対戦を希望したらしかった。そして、これを運営も容認し、2回戦最終試合は日本とインドネシア間でのネット対戦となったのだった。


 しかし、この変更は「ガイスター」や「インディアンポーカー」など、心理戦を得意とする新海の力を著しく低下させることになった。

 結果、新海は顔の見えない上代を相手に、その本領を発揮できないまま準々決勝で姿を消すことになってしまった。


 それが上代の狙いだったかはともかく、ここにベスト4が出揃い、大会は終盤戦を迎えることになったのだった。


 そして準決勝前日。


 見事ベスト4入りを果たした十六夜たちだったが、その顔色は優れなかった。それというのも、明日の準決勝戦を前に、いまだ七星の意識が戻っていなかったからだった。


「ホンマは起きとんのに、寝たフリしとんのとちゃう?」


 幸は七星の寝顔をのぞき込んだ。


「毎日、医師がチェックしてるのに、そんなことありえませんの」


 龍華が一蹴した。


「差し当たっての問題は、もし明日になっても七星君の目が覚めなかった場合、あの立石って人と、どう戦うかだね」


 陽の目から見ても、立石は強敵だった。

 あの強靱な精神に裏打ちされた判断力に加え、状況に応じた柔軟な対応力は、ある種七星に通じるものがあった。実際、明日の準決勝戦用に立石が登録したセットゲームは「チキンレース」「きき酒」「煙草の銘柄当て」「喧嘩凧」「ベーゴマ」と、未成年者の十六夜たちがまだ手を出せない、または経験の乏しいゲームで占められていた。


「この状況で、わたしたちにできることは、ひとつしかないと思います」


 十六夜は淡々と答えた。


「それは?」

「こちらのセットゲームで必ず勝つことです」


 互いに自分のセットゲームを落とさなければ、純粋にチェスが強いほうが勝つ。


 今の十六夜にできることは、七星に言われたことを実践することだけだった。そして陽も、十六夜の意図をすぐに察した。


「……なるほどね。でもその場合、十六夜さんのチェスの実力が、あの立石って人を上回ってることが絶対条件になってくるね」


 ここまでの十六夜の平均タイムは8.7秒。立石の12.6秒を4秒近く下回っているため、次の試合は十六夜が先攻となる。その点でも、十六夜の判断は間違っていなかった。


「それなら問題ありませんの」


 龍華が即答した。


「十六夜さんは、たとえまぐれとはいえ、わたくしに勝った人間ですの。あんな粗野で姑息な中年親父に負けるわけありませんの」


 自信満々で断言する龍華に、


「そ、そうだね」


 陽は苦笑するしかなかった。


「七星君がいないのは確かに不安要素ですけど、基本的に七星君はピンチにならない限り、試合には参加しないスタンスでしたし。前回の試合を見る限り、明日はここにいるメンバーだけで十分渡り合えると思っています」


 十六夜の判断は的確であり、誰からも異論は出なかった。ただ陽だけは、その十六夜の様子に違和感を覚えていた。


 以前聞いた幸の話では、十六夜は気弱で、七星がいなければ何もできない人間のはずだった。それが今の十六夜は、次の試合の対策を自分で考え、皆に対しても毅然とした態度で接している。


 頼りの七星がいない今、自分がしっかりしなければ、という責任感がそうさせているのだろうが、陽としては、そこにある種の危うさを感じるのだった。


「ちょっと、何してますの?」


 龍華は幸に白眼を向けた。


「何って」


 幸の顔のすぐ下には、眠っている七星の顔があった。


「なかなか目え覚まさへんから、キスでもしてみよかと思って。ほら、お姫様は王子様のキスで目覚めるやろ。だから、その逆バージョンてことで」

「バカバカしい。そんなことで目覚めれば、誰も苦労しませんの。というか、お姫様役なら、あなたではなくわたくしのほうが適任ですの。わたくしを差し置いてお姫様などと、まったくもっておこがましいですの」


 龍華は幸を押し退けた。


「仕方ありませんの。本当は嫌ですけれど、わたくしがお姫様役を引き受けてあげますの」


 龍華は七星に顔を近づけた。


「何言うとんのや。こういうもんは、愛の絆で結ばれたモン同士やないと意味がないんや」


 今度は幸が龍華を押し退けた。


「何が愛の絆ですの。そんなもの、あなたが一方的に迫ってるだけじゃありませんの。いい加減、自分が相手にされてないことに気づくべきですの」


 幸はインドネシアに来て以降、ありとあらゆる方法で七星にアプローチし続けていた。が、そのことごとくを七星にスルーされてしまっていたのだった。


「何言うとんねん。あれはドSの七星君なりの愛情表現、放置プレーなんや。それがわからんあんたこそ、七星君の側におる資格ないっちゅーねん」


 龍華と幸は取っ組み合った。


「いいのかい? 放っておいて?」


 陽は十六夜にささやいた。


「いいんです。龍華さんの言う通り、そんなことで七星君の目が覚めれば苦労しませんから。それに、もし2人が七星君にキスをして、それでも目覚めなければ、2人は自分が七星君の運命の相手じゃないことを、自分で証明することになるんですし」


 十六夜の話を聞いて、龍華と幸の動きが止まった。


「自分で言い出した以上、キスしても七星君が目覚めなければ、彼のことはあきらめる。今の発言は、そういうことでしょうから」


 十六夜に退路を絶たれた龍華と幸は、無言で顔を見合わせた。


「や、ややなあ、十六夜さん。冗談、ほんの冗談やんか」


 幸は強ばった顔で作り笑った。


「そ、そうですの。そもそも、お姫様のキスうんぬんは、この女が言い出しただけで、わたくしは関係ありませんの。一緒にされては迷惑ですの」


 龍華は乱れた後ろ髪を手で払った。


「あー、1人だけ、ええかっこしてからに」

「本当のことですの」

「なんやて!」

「なんですの!」


 幸と龍華は、フンと顔を背け合った。

 2人の争いは、そこでいったん終結したものの、実に先行き不安な空模様だった。


 そして、その不安は翌日現実のものとなった。


 最初の異変は、朝方、十六夜の姿がベッドになかったことだった。

 もっとも、そのことを当初は誰も不審に思わなかった。


 早起きした十六夜が、1人で朝の散歩にでも行ったのだろう。


 皆、その程度の認識だった。


 しかし朝食の時間になっても十六夜が戻ることはなく、フロントに聞いてみたところ、昨夜出かける姿を見たという。しかし誰もそんな話は聞いておらず、十六夜がそんな深夜に出かける理由にも心当たりがなかった。


 その後、十六夜チームは手分けしてホテルの周辺を捜索した。しかし、やはり十六夜の姿はどこにもなかった。


 時計を見ると、すでに8時を回っていた。試合時刻まで1時間を切り、十六夜チームの顔にも焦りが色濃く表れていた。


「なあ、あんたらの力で十六夜さんの行方わからへんの?」


 幸は陽と沙門に尋ねた。この際、十六夜を見つけてくれれば、聖霊でも幽霊でもかまわなかった。


「聞いてみたけど、わからないみたいだ。どうやら人捜しは苦手みたいで」


 陽は肩をすくめた。


「マリーもわからないのです。地縛霊さんに聞いても、外国人だから何を言っているかわからないのです」


 沙門は悔しそうに言った。


「え? 幽霊ってテレパシーとか霊力とかで、誰とでも話せるんちゃうん?」

「そんな都合のいい話はないのです。幽霊になっても、外国人さんは外国人さんなのです」


 沙門は憤然と反論した。


「え? でもイタコさんとか外人でも」

「マリーは魔法少女なのです! イタコさんではないのです!」

「こんなときに、何くだらないこと言ってるんですの!」


 龍華が一喝した。


「こうなったら、もう少し探す範囲を広げるしかありませんの。外国で女の1人歩きは危険ですから、必ず2人1組で行動するんですの」


 龍華はチームを二手に分けると、自分は幸と東に、陽と沙門には西の捜索に向かわせた。しかし必死の捜索にも関わらず、やはり十六夜は発見できないまま、準決勝の開始時間を迎えてしまったのだった。


 十六夜の不戦敗が確定してしまったうえ、その生死すらわからない。


 状況は、まさに最悪だった。


 だが、正午を過ぎたところでもたらされた病院からの知らせが、その絶望的な状況に、一筋の光明をもたらすことになる。


 七星が目を覚ましたのだった。


「よかったあ、七星君!」


 病室に真っ先に駆けつけた幸は、食事中だった七星に抱きついた。


「うち、ホンマに心配したんやでえ! このまま七星君が目え覚まさへんかったら、どうしよって」

「目覚めるに決まってるだろ。ちょっと疲れて、寝てただけなんだから」


 七星は幸を引き離した後、見舞いに来た面子を見て眉をひそめた。


「十六夜は一緒じゃねーのか?」


 その七星の質問に、一同は顔を曇らせた。


「それやねん。大変なんや、七星君!」


 幸は早口で、今朝からの一連の状況を七星に話して聞かせた。


「……ちゅうわけで、十六夜さん、まだ見つかってへんねん。インドネシアは日本に比べたら治安悪いし、もしかしたら十六夜さん、地元のモンに誘拐されて、今頃……」


 恐い想像が頭を過り、幸は言葉を詰まらせた。


「たく、おまえら、オレが寝てる間ぐらい、問題起こさずにいられねーのか」


 七星は頭をかいた。


「つーか、その状況だと、まず疑うべきは次の対戦相手だろ。今十六夜がいなくなって1番得するのは、不戦勝ってことで決勝に行ける、そいつなんだからよ」

「けど、そういう姑息なことをするタイプには見えなかったけどね」


 陽が異論を唱えた。人を見る目には自信があるつもりだし、神にさえケンカを売るような立石が、そんな卑怯な手を使うとは陽には思えなかった。


「オレは、そいつ見てねーし。それに、別に本人が手を下したとは限らねーだろ。本人が立派でカリスマ性があるほど、それに付き従う人間は、たとえ自分が汚れ役を引き受けてでも、その人の力になりたいと思うもんだからな」

「………」

「とにかく、ここでウダウダ言ってても始まらねー。他に手がかりがねー以上、その立石って奴に会って直接問い質すのが1番だ」

「ですけど、聞いて素直に「はい、誘拐しました」と言うとは思えませんの」


 龍華が苦言を呈した。


「まーな。けど、犯人なら問いつめられたとき、どっかボロを出すかもしれねーし。こっちが疑ってることを匂わせれば、なんらかの動きを見せる可能性もあるからな」


 七星はベッドから起き出した。


「たく、毎度毎度毎度毎度、世話焼かせやがって。どこにいるのか知らねーが、見つけたら説教して……」


 七星は病室を出たところで、不意に立ち止まった。


「違うな。こっちじゃない」


 七星は体の向きを少し右に変えた。


「こっちも違う」


 七星は、さらに少し右を向いた。


「何やっとんねん、七星君? ホテル向かうんちゃうかったん? 早よ行かな、十六夜さんが」


 幸が七星にせっついた。


「しっ、邪魔しちゃダメだ」


 陽は幸を手で制した。


「な、なんやの一体? やっぱ七星君、まだ本調子ちゃうんか?」

「いいから、少し黙ってて」


 陽たちが見守るなか、七星は南西を向いたところで動きを止めた。


「こっちか」


 そこで七星は、幸たちに視線を転じた。


「誰か、ここら辺の地図持ってるか?」

「ボクが持ってるよ」


 陽は地元の地図を七星に手渡した。


 七星は地図を広げると、まず現在地である病院を指さした。そして、その指を少しずつ南西へと動かしていく。


「違う。ここでもねー……ここも違う……ここか」


 七星の指が、ある1点で止まった。そこはホテルから少し離れた海岸だった。


「そこに十六夜さんがおるん? ホンマに?」


 幸は露骨に不審がり、龍華も半信半疑だった。


「よーな気がする」


 七星は幸たちの懐疑心を、いつもの調子ではぐらかした。しかし、その目には今までにない確信が宿っていた。




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