怪物 3 中
怪物 3 中
名乗り終えた少年、レイゼロは覆っていた顔の手を外し辺りを見回す。他の面子に自己紹介を促す目線を送る。クライシスハイザーを除いて哀れんだ温かい眼差しをレイゼロに送る。当の送られた本人は全然気づいていないが。
「めンどくせェ・・・自己紹介なんザ勝手にやっとけェ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あァ・・・・・・オィテメェラ!『こいつ一人で可哀そうだな』みてェな温けぇ目線を向けんじゃねェ!」
クライシスハイザーは突き放したような言い方でそのままドアを出ていこうとすると、周りからレイゼロを超えた圧倒的な温かい目線で見られる。クライシスハイザーは我が悪くなったのか引き戻し、その場に居残りこっそり自己紹介が終わらないかと気配を消すも、
「次は君だよクライシスハイザー、・・・・何こっそり波が鎮まるの待とうとしてんだ?波が鎮まるのを待つんじゃなくて、打開策を見つけてみたらどうなんだい?無能者でも、最後に散ってしまう華でも最後の最後まで抗い続けるのだよ。」
「ナニカッコいいこと言ってんだァ?・・・・・・・はァ、分かったよ。やりゃぁいいンだろォが・・・・・・オレ様は厨病教第4位『操縦者』クライシスハイザーだァ。」
そう言い、クライシスハイザーは自己紹介を終え、うるさすぎる空間からそそくさと出ていこうとすると、レイゼロに後ろの襟首をつかまれ少しばかりせき込む。落ち着いてから、鋭くビーズのような赤い眼でレイゼロを見る。レイゼロはこころなしか落ち着いた顔つきになり、クライシスハイザーにだけ聞こえるように言う。
「せっかくなんだから他の人とも関りを持てよ。ずっと孤高のヒーローじゃぁ人間不信になっちまうぞ。」
クライシスハイザーはその言葉を鼻で笑い、言い返す。
「ククッ・・・違ェよレイゼロ、孤高のは合ってっけどヒーローは違ェよ。本来はダークヒーローだ。真なる主人公だ。知らねェが、おめぇもそういうのに憧れていた時ってあったんじゃァねぇのか」
「そんな時もあったんだろうな。でも今は孤高じゃねぇ。・・・綺麗ごとってのは分かっているが、守るモノがない孤高よりも、守るモノのある孤高の方がいいんじゃないのか。」
クライシスハイザーはいぶかしげな顔をしたが、「それもいいかもしれねぇな」と言い、他の面子を見てみる。タイミングを見計らったかのように残りの二人が順番に、自己紹介をする。
「私はレイゼロ君の唯一の思い人、魔女帝王神主天閣ミヤ・L・レイズです。」
と、レイズは可憐に言う。可愛らしい声だが、恐ろしく妖艶を纏っていて怖い。
「あの・・・・・」
「絶対にレイゼロ君の心を射止めるんだから!だから、邪魔しないでよね。クライシスハイザー!!」
「あァ・・・・・・何の話だァ?」
「あの・・・・・・」
「残念だが、腐女子の喜ぶゲイ展開にはならねえよ。」
「そんなこと言って~、レイゼロ君とクライシスハイザーって、何処か似ているしそんな展開あっても不思議じゃない!」
「あァ?・・・・オレ様と此奴が似ているだぁ、冗談もほどほどにしとけよ。」
「今さっきから・・・・・・・無視をしないでくださいよ!!」
「あァ、・・・そうか・・・そういえば・・・話の本題がお前だったなァ。チッ本題・・・・入るぞ!!」
そう言い3人が話の本題に入る。
「すまない。ちょっと、話がずれたようだ。」
レイゼロは頭を下げると、当の話の原因は焦った声で、
「あ・・・・・いえ・・・・・ごめんなさい。」
そして、
「え・・・と・・・まず私って誰なのかな?」
瞬間、その場にいた全員が凍り付いた。




