闇の茶会 後編
闇の茶会 後編
強盗が入ったような音とともに乱暴にドアを開けられ、ギィ、クライシスハイザーは敵襲かと思い、隠れている建物を塵に帰す火力を用意する。カオスはクライシスハイザーの背中に隠れ息をひそめる。だが、入ってきたのは二人の、「いかにも勇者です」と言わんばかりのオーラを出しているジャージ男だった。
「おっと、先客がいたようだ。どうする大須。」
と、ジャージパリピの一人が隣にいる男に声をかける。大須と言われている男が3人を見据えた後、軽蔑したような目を向けた。
「ここはガキの来るところじゃない。ここは危険区域だ。」
大須はわざと悪意の含んだ声をぶつけた。中二病はその言葉を煽りで返す。
ギィは戦闘態勢を崩さずにパリピにずかずかと近づいていき、一言。
「何ようかな?迷える子猫ちゃん(プシーキャット)を要求した覚えはないんだよ。用がないなら尻尾巻いて帰ることをお勧めするよ。」
一瞬の沈黙、そして、
「聞いたことのある単語だな。もしかして頭イカレテ・・・・いや、もしかして転生者か?」
大須ともう一人の男が煽りを無視してギィにそう尋ねる。
「・・・・・・まぁ、そうだな。」
以外にも「聞いたことのある単語」の方に若干の驚きを感じ、ギィは返事をする。
「やっぱりな、この世界であんな火力出せるのは転生者くらいしかないしな。まさか俺ら以外にもいたとは・・・・・。」
「ほう、その物言いだと汝らも転生者ということになるが・・・・」
ギィは案外手慣れた様子で追加質問をする。
「ん。そうだけど。ん~~、なんか君のしゃべり方には癖があるよねーー。何だっけこう言うの。」
男が大須に尋ねる。大須は即答した。ついでに侮蔑と嘲笑も含めて。
「栗島、お前は勉強が足りん。こういう頭逝ってるのを『中二病』というんだ。」
「ちゅーにびょー?」
「ああ、中二病は思春期の男女に起こる精神障害の一種だ。急にブラックコーヒー飲んだり、英和辞典を読んだり、ペン回しの練習を死ぬ気でやったり、自分のハズイ妄想をノートに記したり、まぁそんな感じの痛い奴だ。いや、激痛だな。プシーキャットってどこの国の言語だよ。こいつら揃いもそろって痛すぎる。それに対して俺らはちゃんと現実を見ている賢人だ。」
栗島は首をひねり、よくわからんなーと疑問を持つ。
「簡単に言うとだな。あっちは馬鹿。俺らは賢い。」
大須が思いっきり平たく説明した。それに「ほおお~~」と納得した栗島がこちらを見据える。その眼にはからかい。口は歪んでいる。栗島は指を指すと。
「先輩には敬語を使いやがれ愚民がぁ!!俺らは高校生なんだぞ!てめえらより何倍も賢いんd
「その次の言葉ァ挟ンだら、テメェの顔面を抉るぞォ。」
いつの間にかクライシスハイザーは、ギィの目の前にいる栗島の頬を右手でつかんでいた。
「オイィ、こっちが大人しくテメエらの話を聴いていたら侮蔑の言葉が出てきたンだがァ、ドォいうことだオイ、回答によってはカラダの半分が無くなるぞォ。」
摑む力を操縦によって強化し、栗島の骨を軋ませる。彼の目は不快感MAXだ。だが、その返答はあっけらかんとした回答だった。
「身の程をわきまえろ中二病。」
瞬間、トマトが潰される感覚で栗島のあごの部分が盛大に破壊された。でろでろとした血肉が垂れ出ているが次の瞬間。
「アァ!?」
淡い光が栗島のあごを包み込み、消えたと思えばあごが完璧に治っていた。人間の域を超えた治癒能力にクライシスハイザがー目を見開き、吠えた。
その反応に微笑した栗島は、言った。
「すげえだろ!オレの治癒能力!傷ついた瞬間に!痛覚がくる前に治すっつう優れもの!女神さまから貰ったスキルの中の一つ!残念だったなちゅーにびょー!ぎゃははははははははははははっはははははははは!!!あはははははははははははははははあはははははははっはあっは!!!!」
自分の力でもないくせにうるさいほど高らかに笑っている栗島。
そして。
ほのかに感じる異臭と複数の這いずるモノの気配。
「「っ!?」」
反応したのはギィとクライシスハイザーだった。とっさの判断で、ギィは後ずさり、クライシスハイザーはカオスに「動くな」と指示を出し、音速の3倍の竜巻でカオスを囲む。栗島と大須は無防備だ。
そこに。
プレス機でスライムを潰したような、無作法な音とともにこの世のものとは思えないようなうめき声が響いた。
「んあ!?あいつらか。くそっっ!中二病が大きな声出すから気づかれちゃったじゃん。どうする大須?」
「ここ一端の街を吹っ飛ばす。時計台はやるなよ?目的の品はあそこにあるんだから。」
「分かってるよ」
栗島と大須が何やら話した後、空気中から白く光る虚空の剣を取り出す。
入口のドアが蹴破られた瞬間、クライシスハイザーは吐き出した空気のベクトルをほんの少しだけいじくった。
「「ブレスト・ハリケーン!!」」
栗島と大須の同時詠唱。周囲の風が超高速で2人を守るように発生した。だが、
「操縦」
「回旋雷刀」
刹那のsもないくらいの短時間でクライシスハイザーとカオスを中心に、ブレストなんちゃらを軽ーく凌駕する超光速の風雷が誕生した。100億分の1秒で銀河系を80周くらいする雷刀が唸り、それ以上の風が纏い、周囲にあるものを原子レベルまで切り刻む。
--------神風の雷獣の如く。
火蓋は切られた。
敵は自分と一人の女子以外の全て。
果てしなく遅れてしまい申し訳ないです。
誤字・脱字等ありましたら問答無用にぶつけていただくとうれしいです。
ついでに、ギィとクズパリピ2人は生きています




