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中二病黙示録  作者: 原初
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闇の茶会 前編

闇の茶会 前編


 ベロニカ帝国 時計台近くの路地裏にて大音響が炸裂し、複数の生き物と思われるものが大地によって、音とともに宙に放り投げられる。瞬間、黄色の閃光が近くにある建物を手当たり次第に破壊する。

 「はぁ~、次から次へと面倒くさい。困ったもんだね。生きている人なら感電で気絶するんだけど、死体だから直接焼かなきゃ倒れない・・・。」

 片手に電気で作った鎌を持ち、ばつの悪そうな顔で周囲にいる異形を薙ぎ払う男、「雷槍者ゴルドランサー」ギィ・ネクロンが呟く。そしてもう一人、ギィの10メートルほど後ろに、両手をポケットに突っ込んだ少年がいた。

 「どッから湧いてンのかわ知らねェが、あまりにも多すぎンじゃねェのか?」

 無作法に近づいてくるゾンビ数体に操縦で作った風の砲弾をぶつけ、弾き飛ばす。

 「面倒だなァ。恐怖を感じねェ辺り面白くねェ。」

 どす黒い目を刃物のように鋭くさせ、落胆した息を吐いたのは、「操縦者」クライシスハイザーだ。クライシスハイザーは、酸素原子一つを増加、変換、硬化、を繰り返し、あっという間に軽自動車並みの業火に包まれた岩を数個用意した。

 そして、目の前にいる異形共に問う。

 「火砕流って知ってるか?火山の噴火時に起こる現象で高速で溶岩が射出するらしぃンだが、こいつを空気抵抗、摩擦、重力を一切無視して、マッハで飛ばすとどうなると思う?」

 まさに極悪非道。死体に対しても瞬殺という慈悲の欠片もなく、実験というかたちで異形を屠る彼の瞳には一切のためらいもない。むしろ口には笑みを浮かべている。

 「俺様らを襲ッたンだ。その償いはその魂で払うンだなァ!」

 永遠の闇黒に支配された魂はその言葉を聞いて何を思っただろう。目の見えない異形らはその目でなにを見たのだろう。


   突如、地獄が生まれた。


 クライシスハイザーは二段蹴りの要素で、運動量を大幅に上げて、岩を蹴った。瞬間、岩が爆散し、目の前にいる異形を惨劇という形で蹂躙した。容赦などない。故に残酷。火砕流の勢いは止まることなく、数十メートル離れた地点にいるトラックのような人食い蜘蛛へと襲い掛かる。目の前の数ミリ程度の石ころに反応できただけでも上出来と言わざる負えない。案の定、蜘蛛はすぐ気づき、見た目とは想像もつかぬ速度で後ろへ下がる。だが遅い。音すら置き去りにした石ころはもう蜘蛛を通り過ぎていたのだった。蜘蛛の見たものは3秒前の残像に過ぎない。後ろに下がった蜘蛛はそのまま崩れ落ちた。その蜘蛛に頭はない。あとから蜘蛛の頭をもっていった石ころの通過音が聞こえた。すぐ近くにいた別の種の死体もまた、同じような有様で地面に倒れる。


   まさに、轟速の崩壊デッド・ハイウェイ。苦しんで死ぬことを許さない無慈悲の炎弾。


 視界に入る異形をサクサクと倒していき、腐敗の山が出来上がったころ、クライシスハイザーはカオスにかけていたプラズマシールドを解く。

 「すまねェ、少し時間がかかり過ぎた。カオス、そこにいる「雷槍者ゴルドランサー」がすぐそこにある建物に入って、策を立てないかと提案してきやがッたンだが、どうする?嫌なら・・・・」

 「じゃあ、行く。」

 即答した。

 ギィは二人に言う。

 「おい、さっさと行くぞ。余計なやつらに見つかって、余計な戦闘はしたくないからな。」

 「うん!」

 返答するカオスをよそに、クライシスハイザーは、高く積み上げて炭と化した死体を観察する。

 (やっぱ、気持ちわりィ体格してンなァ・・・特に変なところはねェな。・・・ん?)

 違和感が脳裏をよぎるが、カオスの言葉によってその疑念は取り払われた。

 「一緒に行こうよー!クライザー!」

 「ん・・・・・あァ、そォだな。・・・・・・待てカオス。今、なんて言いやがッた?」

 聞き間違いかと思いつつ、カオスに質問を投げつける。かおすは、何食わぬ顔でいった。

 「ん?・・・・ああクライザーね。呼びやすいでしょー。」

 「呼びやすいでしょーッッじゃねエ!恋人同士じゃねェだろォが!!」

 名前の省略に憤怒したクライシスハイザーをよそに、今の言葉が聞き捨てならなかったのかカオスの顔がほんのりと紅色に染まり、「k、こ、恋、恋人同士っ!」と小声で叫ぶ。

 そんなコントをしながらも、3人は建物の中に張っていくのだった。


 さて、時は少し前にさかのぼりギィとクライシスハイザーが異形をなぶり殺しにしていた時のこと。

 「グローリーソード!」「スクリームソード!」

 同時詠唱によって、二人の持っている剣が輝き、白と黒の斬撃が辺り一面に広がる異形を打ち倒す。

 「宮野!今の火山が爆発するような音聞いたか?」

 「ああ、聞いたとも。大須、こいつらを片付けたら行くか。」

 「よし、ならすぐにきめよう!」

 「「セイヴァーズラッシュ!!」」

 更なる同時詠唱により、二人の剣が虚空に消える。瞬間、天空から光り輝く異次元の刃が現れる。


   次に、天国が生まれた。


靴音が重なり、建物近くを二人の剣士が駆ける。

 「おっかしいなあ、ここらへんだと思ったんだけどな」

 「いや、ここだな。戦闘した跡がある。宮野、建物に隠れよう。あれだけ大きな音を出したら他のやつらが集まってくるかもしれない。」

 「そうだな。そうするか。じゃあ、あの建物にしようよ。」

 


 そしてそして、チート勇者と中二病が出会うこととなる。

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