現状把握
川村部長と柊が現状の確認をしております。
※次話は明日7:00に更新予定です!
「今日はどうだったかな?」
「貴重な体験をさせてもらいました。」
「うんうん、いいことだ。
君を支えてくれるのは我々国立派閥だからね。
今日の町田取締役のように上にも多くの力を持つ人がいる。
我々が・・・
この南日本電機を支えていることを
その肝に銘じておきなさい。」
「・・・はい。」
「今回のプロジェクトで躍起になっているのは中央研究所の連中だ。
まったく・・・
彼らは号令派閥だからな・・・。
われわれの道理には合わせてくることはないだろう。
めんどくさいことながら・・・ね。」
柊君に説明をしながら、思わずため息が漏れてしまう。
そう・・・あいつらは我々に手を差し伸べることはないだろう・・・。
「・・・そうなんですか?」
「あそこの派閥は今躍起になっている理由がある。
あの派閥のトップは金沢取締役だ。
そして、その金沢取締役の出身母体が半導体事業部なのでね。」
「ああ・・・半導体ですか・・・。」
「さすがは良く知っているみたいで感心するね。
当然半導体はリターンも大きければリスクも大きい。
現在、そのリスクのせいで目下リストラを検討中の事業部だよ。」
「それで・・・ですか?」
「ええ、元々中央研究所は号令派閥のモノ。
更には半導体事業部も号令派閥のモノだったけど、
その一方が倒れるようでは取締役にはのけれない。
すでに半導体事業部は切り捨てて、行くつもりなんだろうけど、
その代わりに中央研究所がっと頑張ているんだろうね。」
「そうですか・・・。」
「そのとばっちりを我々、そして今回のプロジェクトメンバーが受けているってことだよ。
現状は理解できたかね?」
「はい。それに対しての一手はすでに打ったということですね?」
「そうだね。彼らが間違いなく手を出してくると思っていたからね。
だから、これから開発チームの再検討が必要となってくるだろうね。
そのかじ取りを柊君、君に任せるよ。」
「分かりました・・・・。」
この後は帰りのタクシーの中で、今後について話を進めていくのであった。
「おはようございます。川村部長、柊様。」
ホテルのロビーに入るとすでにお二人がロビーで座って話をしていた。
約束の時間まで20分前だと言うのにいるのですね。
それでは明日は30分前には来るようにしましょう・・・。
「おはようございます、中里さん。」
柊様が立ち上がり挨拶をしてくれる。
川村部長も笑顔で挨拶をしていただき、
2人を車に乗せて今日は中央研究所へと向かう。
「昨晩はどこかに行かれましたか?」
「ええ、柊君が久しぶりに日本に戻ってきたので、
一緒に和食の店に。少し飲み過ぎたみたいで体が重いですね。」
笑っている川村部長をルームミラー越しに見る。
「私は今週はお二人のドライバーとして命令が下りておりますので
私用時でも構いませんので一声かけていただければ送迎をさせていただきますので。」
「わざわざそんな!昨日は歩いてすぐにある御店に行ったので
お手数をかけるわけにはいきませんよ。
ただ、お仕事でしたら、今後は遠出する際にはお声をかけさせていただきます。」
「はい、ご遠慮なくお申し出ください。」
そういって、信号で止まった際に笑顔を向けて告げるのであった。
昨晩のこと・・・
「そうか・・・、やはり出かけたか。」
「はい、先ほどお二人ともがタクシーに乗られてホテルを出られましたので
その後ろを尾行していましたところ、例の料亭に入っていくのを確認しました。」
「どうせ国立派閥の会合だろう?」
「はい、料亭から出てくる町田取締役の姿をみておりますので。」
「そうか・・・。今後はどんな近距離でも中里、お前が運転して送迎するようにしろ!
こちらにいる一週間の間は度々外部との接触をするだろうからな。」
「はい、かしこまりました。」
「それと車の中のボイスレコーダーは?」
「はい、録音しております。
先ほど本日成田から本社までの間の柊様と私の会話を
送付させていただきましたので、ご確認ください。」
「ああ、分かった。じゃあ、明日からも頼むぞ。」
「はい・・・。」
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。