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ひょんな出会い
「周りを見て、歩く事も大事だと思うがな。」
突如僕に飛んできた魔弾。
そこに突如現れた髪の長い人。...人?
「あ、...貴方は、...」
「ん?...あぁ、私は鬼人だ。」
それを聞いて僕は構えた。
鬼人は人を食糧とする そう授業で習っていたから。
「ほう?命の恩人でもある私に魔法を向けるか。」
「...黙れ。この命を貴様に奪われないためだ。」
鬼人は琥珀色の目を細め、口角を上げて呟いた。
───“せいぜい私を楽しませろ”───と。
しかし勝負は秒で片付いた。
僕の魔法は発動しなかった。
否、発動できなかった。
「拘束」
僕は鬼人の呪文で動けなくなった。
僕は無言で鬼人を睨みつけた。
「ほう...。なかなかいい紅瞳だな。
私の相方に相応しい。」
目を細めて笑う彼女は綺麗だった。
「貴様の名前はなんだ。」
諦めるしかないのか。否か。
「リョウ。僕の名前はリョウだ。」
「リョウか。私の相方となるがいい。私の名はエナ。鬼族の中でも最上位の一角。“緋岸”のエナだ。」
そう言って呪文を解除し抱きついてきたエナ。
そこから
僕らの戦いは始まった。