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白き星に祈りを込めて  作者: ななしとせ
幕間1
8/76

第5話 古の賢者達

 とある荒れ果てた荒野

 とある朽ちた遺跡

 そこは朽ち果てた土塊に等しい、歴史に忘れ去られた場所だった。


 そこに彼等はいた。


 遺跡の奥深くには、あらゆる文明を超越した太古の者達がいた。

 人々は彼等を古の三賢者と呼ぶ。


 彼等はかつて多くの星々を従えた文明の生き残りだった。

 文明は滅びたが彼等は健在で、世界の事象を知ることを最上の喜びとしていた。


 彼等は全てを知りたがっていた。

 この星を、この宇宙を、そしてかつて砕け散って全ての宇宙を。

 その先に存在するだろう、至高の冠を手にするために・・・


 ・


 一人の迷い人がいた。

 迷い人は遺跡から遥か星の世界を見上げていた。

 賢者達は迷い人に告げた。


 -時は満ちた、決めよ

 -星を彷徨う異邦人よ

 -汝は帰還を望むか


 そうだな、私の故郷は地球だ。

 私は友と再会したい。


 -神々の世界は、厄災により数多へと分かたれた

 -お前の宇宙は外の世界、帰還など叶わぬ夢

 -しかし我らが術を持てば、叶うやもしれん


 だからどうだと?

 私は帰りたいだけだ。


 -望むならば与えよう。

 -なれば、お前も与えよ。

 -我らが望みを


 ならばくれてやろう。

 あいつに会えるのなら、この命さえも・・・


 -いらぬ、求めるは智のみ。

 -数多の宇宙で、お前は数多の事象を識るだろう。

 -それをただ伝えよ。


 -それこそが我らの望み

 -それこそが我らの喜び

 -それこそが我らの糧


 そんなもの、幾らでもくれてやろう。


 -さあ答えよ。

 -選択の時だ。

 -お前は我らの手を取るか?


 取ろう、返答など初めから決まっている。


 -よかろう

 -ここに約定は交わされた。

 -これより汝は我らの隷となった。


 間違えるな

 互いに利用するだけだ。 


 -不死者よ、その道のりは長く困難となろう。

 -志半ばで力尽きるやも知れん。

 -だが、それでも行くのだな?


 ああ・・・それこそが私の望み

 私の願い・・・


  あの時、三賢者との契約を交わしフィロと共に旅立った。


 ・・・あれから幾つの宇宙を渡り歩いたか・・・

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